2024/8月第二週のゾンビ論文
本物のゾンビについて書かれた論文を探すべく、Googleスカラーのアラート機能を使い、ゾンビについて書かれた論文を収集している。
アラートの検索条件は次の通り。
「zombie -firms -philosophical -drug -biolegend -gender -narrative -network -AI」
「zombie -firms -xylazine -biolegend -DDoS -Chalmers -narrative」(取りこぼし確認用)
「zombie」をキーワードにゾンビ論文を探しているのだが、比喩としてゾンビを使う論文も多いため、「-◯◯」で比喩としてのゾンビを扱う論文を排除している。排除したいゾンビや論文は、以下の通り。
「-firms」:ゾンビ企業
「-philosophical」「-Chalmers」:哲学的ゾンビ
「-drug」:ゾンビドラッグ
「-network」:情報科学系の論文ならなんでも
「-DDoS」:ゾンビPC
「-biolegend」:細胞の生死を確認するゾンビ試薬
「-gender」:ジェンダー学系の論文ならなんでも
「-narrative」:ゾンビ映画・小説などの評論
「-AI」:人工知能を扱う情報科学系の論文
検索条件1には一般性の高い排除キーワードが含まれているため、それらが不必要にゾンビ論文を排除していないかを条件2で確かめる。
今回、8/12~8/18の期間で収集し、以下の通りの論文を得た。
「zombie -firms -philosophical -drug -biolegend -gender -narrative -network -AI」ゼロ件
「zombie -firms -xylazine -biolegend -DDoS -Chalmers -narrative」八件
検索条件1にはゾンビ論文が引っ掛からなかった。
検索条件1「zombie -firms -philosophical -drug -biolegend -gender -narrative -network -AI」
ゾンビ論文は引っかからなかった。
検索条件2「zombie -firms -xylazine -biolegend -DDoS -Chalmers -narrative」
上記の条件でねらいのゾンビ論文を誤って排除していないかチェックするために、こちらの検索結果もチェックしておく。ただし、ゾンビ企業とゾンビドラッグ、ゾンビ試薬、ゾンビPC、哲学的ゾンビおよび評論系の論文は排除されるように設定してある。
「ゾンビ」野生生物保護条約は、その作業が完了したら撤廃する
アラート日付:8月14日
原題:Dismantle ‘zombie’ wildlife protection conventions once their work is done
掲載:nature
著者:Peter Bridgewaterを筆頭著者として、四名
ジャンル:生態学
「-drug」で排除。しかし、論文中に"drug"の単語はない。Googleが気を利かせたアルゴリズムで排除してくれたようだ。ふざけんなよ、ホント。
タイトルの野生生物保護条約は1946年12月2日に締結され、日本も1951年に締結した国際捕鯨取締条約を指す。ほとんど80年前に作られたこの条約は、現代ではほとんど役に立っていないらしく、ゾンビ組織であるらしい。
なお、ゾンビ組織(zombie institition)は2018年に政治学者ジュリア・グレイによって定義されている。その定義は、"an international convention or organization that consumes time, energy and resources without generating added value"(付加価値を生み出さずに時間、エネルギー、資源を消費する国際会議または組織)である。
ゾンビの黙示録を生き延びる方法社会的距離を保ちながら正気を保つ
アラート日付:8月15日
原題:How to Survive the Zombie Apocalypse
掲載:American Osteopathic College of Anesthesiologists のニュースレター
著者:Frank King
ジャンル:精神医学?
「-philosophical」および「-drug」で排除。コロナ禍におけるソーシャル・ディスタンスがストレスを生んだ場合の対処法を説く。その中でまず『ウォーキング・デッド』を引き合いにして隔離の重要性に触れている。
「Let It Go」:ヨーロッパとアジアのゾンビ水プロジェクトの比較研究
アラート日付:8月17日
原題:“Let It Go”: Comparative Study on Zombie Water Projects in Europe and Asia
掲載:POLITICKÉ
著者:Richard Grünwald と Michaela Štěbetáková
ジャンル:社会学
「-philosophical」および「-network」で排除。“zombie water projects”(ゾンビ水プロジェクト)という、「物議をかもしている大規模な水プロジェクト」が存在するらしい。そのプロジェクトの調査、比較。
マニラのツァラトゥストラ
アラート日付:8月17日
原題:Zarathustra in Manila
掲載:Philosophy and Global Affairs
著者:Noelle Leslie dela Cruz
ジャンル:フィクション
「-gender」および「-philosophical」で排除。どうやら詩らしい。創作物には触れない。
ゾンビにならない方法
アラート日付:8月18日
原題:How NOT to Be a Zombie
掲載:Theology, Religion, and Dystopia
著者:?
ジャンル:宗教学?
「-gender」および「-philosophical」で排除。ディストピアに関する神学・宗教的考察を行う本の一節。内容一切不明だが、おそらくゾンビ・パンデミックでゾンビになることではなく、世界の終わりに人間性を失わないことを説いているのだと思われる。
複合現実ゲーム開発の推進: アクションアドベンチャーと FPS ジャンルにおけるビジュアルゲーム分析ツールの評価
アラート日付:8月18日
原題:Beginning C++ game programming : b learn C++ from scratch by building fun games
掲載:このタイトルの本がある
著者:John Horton
ジャンル:情報科学
排除キーワード不明。ゾンビを撃つゲームのプログラミングに言及。
リミナル・ディアスポラ:人類と環境の現代的運動
アラート日付:8月10日
原題:Liminal Diasporas: Contemporary Movements of Humanity and the Environment
掲載:このタイトルの本がある
著者:Rahul K. Gairola と Sarah Courtis、 Tim Flanaganの三名
ジャンル:政治学
「-gender」および「-philosophical」、「-network」で排除。移住の死体政治なる概念を扱っている。「ゾンビ ディアスポラ」という言葉が出てくる。ディアスポラはある民族集団が故郷を離れ「あちこちに散らばっている」ことを意味するそうだが、ゾンビディアスポラまではわからない。
最後に
検索条件1にはゾンビ論文がヒットがなかった。
しかし、ゾンビ組織、ゾンビ水プロジェクトにゾンビディアスポラと小粒の学術的ゾンビを拾うことはできた。ただ、意味がわかったのはゾンビ組織のみ。ほかの二つは詳しく調べなければならない。これらもまた8月の総括で学術的ゾンビ辞典に登録することになるのだろうが、辞典はもうずっと更新できていない。そろそろ更新も、そして本物のゾンビ論文のレビューやゾンビの記事も書きたい。時間が、時間が…ない。
今回はねらいの論文がなかった。
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