2023/04/15(土)のゾンビ論文 永久凍土に閉じ込められたゾンビウイルスの脅威
ゾンビについて書かれた論文を収集すべく、Googleスカラーのアラート機能を使っている。アラート設定ごとに、得られた論文を以下にまとめる。
アラートの条件は次の通り。
このうち、「zombie -firm -company -philosophical」の内容を主に紹介する。ただし、この検索キーワードできちんと経済学と哲学のゾンビ論文がよけられているか確認するために、差分を簡潔に紹介する。
それぞれのヒット数は以下の通り。
「zombie -firm -company -philosophical」の三件は健康科学、情報科学、社会学が一件ずつだった。ほかの検索キーワードでの差分はゼロ件。
検索キーワード「zombie -firm -company -philosophical」
永久凍土の融解: ゾンビの台頭
一件目。
原題:Melting of permafrost: rise of Zombies
掲載:International Journal of Surgery: Global Health
著者:Agrawal Adityaを筆頭著者として6名
ジャンル:医学
永久凍土から解き放たれたゾンビウイルスの危険性を説く論文。以前、同じ内容の論文を紹介したことがある。以下の記事の十件目、ジャンルを医学としたゾンビ論文だ。
上記記事で紹介した論文ではウイルスが何千年も凍土の中で封印されていたことをゾンビにたとえる程度だった。今回もおそらくその程度でゾンビとりう名前を使っているようだ。
つまり、なぜゾンビと名付けたかは書いていない。ちなみに、[2]の引用は下記の記事だが、こちらにもやはりなぜゾンビと名付けたかは書かれていない。
とにかく、「ゾンビ」と名付けられたウイルスが北極の永久凍土の中に存在し、地球温暖化によりそれが解き放たれる可能性がある。それは人類に対処不能なパンデミックをもたらすかもしれない、という警告がこの論文の本旨である。「ゾンビ」という単語が出てきたからといってふざけているわけではなく、割と真面目に影響凍土に封印されたウイルスの危機を説いているので、興味があれば目を通してほしい。
ジャンルは健康科学。掲載誌のタイトルからとった。
スマート シティ展開におけるアプリケーション センサー
二件目。
原題:Application sensors in smart cities deployment
掲載:Big data and computing visions
著者:Victoria Nozick
ジャンル:情報科学
タイトルからいって、ジャンルは情報科学。であれば、ウイルスによって乗っ取られたPCをゾンビPCと呼ぶやつだろうか。ネットワークがどうのこうのと述べているし、おそらくそうだろう。ゾンビPCは乗っ取られた後にネットワークを介して操られ、サーバを攻撃するために利用されるからだ。
それ以上はわからない。
主観的棄却
三件目。
原題:Subjective Abjection
掲載:Exploring the Prison as an Abject and Uncanny Institution
著者:Tea Fredriksson
ジャンル:社会学
タイトルから推測もできなければ、アブストラクトすら読めない。何の論文なのかわからないため、色々と推論しよう。
まず、掲載誌の日本語訳は『卑劣で不気味な施設としての刑務所の探索』である。つまり、刑務所に関する批判的な内容が書かれている。
次に、アラートのメールに書かれている二行ほどの論文本文を引用する。
刑罰と怪物の関連を考察する論文だろうか。小説や映画以外でそれを論じるのは中々挑戦的に思えるが、果たしてどうだろうか。特に刑務所を批判する文脈で、怪物を引用して物事を論じられるものだろうか。
ジャンルは社会学とする。大雑把な分類になってしまうが、内容がわからない限りは仕方がない。
検索キーワード「zombie -firm -company」(差分ゼロ件)
この検索キーワードは「zombie -firm -company -philosophical」との差分を表示する。-philosophicalは「philosophicalという単語を含まない」という条件を意味するため、主に哲学のゾンビ論文が差分として表示される。
この節では差分を見ることを目的とするため、各論文の内容にはできるだけ立ち入らない。
しかし、今回は差分がゼロ件だった。
検索キーワード「zombie」(差分ゼロ件)
このキーワードでは経済学・哲学のゾンビ論文がアラートに入ってくる。
こちらも、今回は差分がゼロ件だった。
まとめ
「zombie -firm -company -philosophical」の三件は健康科学、情報科学、社会学が一件ずつだった。
ゾンビウイルスの危険性を警告する論文は興味を引くが、おそらくゾンビの単語がなければ見向きもしなかった。しかし、永久凍土に封印されたウイルスが世界を脅かす脅威となる…というのは映画のプロットにも使えそうで、警告を無視して申し訳ないが、ワクワクする。『遊星からの物体X』や『エイリアンVSプレデター』、北極の脅威を扱った映画は面白いものしか知らない。
とはいえ、地球温暖化が進めば永久凍土からゾンビウイルスたちが解き放たれるのは真実なのだろう。私にはマスクをつけて手を洗うことしかできないので、このような論文を執筆する研究者たちの活躍に期待したい。
今日はねらいのゾンビ論文はなし。