2024/7月第一週のゾンビ論文 知ろう!永久凍土に眠るゾンビウイルス
本物のゾンビについて書かれた論文を探すべく、Googleスカラーのアラート機能を使い、ゾンビについて書かれた論文を収集している。
アラートの検索条件は次の通り。
「zombie -firms -philosophical -drug -biolegend -gender -narrative -network -AI」
「zombie -firms -xylazine -biolegend -DDoS -Chalmers -narrative」(取りこぼし確認用)
「zombie -firms -xylazine -biolegend -DDoS -Chalmers "narrative"」
「zombie」をキーワードにゾンビ論文を探しているのだが、比喩としてゾンビを使う論文も多いため、「-◯◯」で比喩としてのゾンビを扱うが論文を排除している。排除したいゾンビや論文は、以下の通り。
「-firms」:ゾンビ企業
「-philosophical」「-Chalmers」:哲学的ゾンビ
「-drug」:ゾンビドラッグ
「-network」:情報科学系の論文ならなんでも
「-DDoS」:ゾンビPC
「-biolegend」:細胞の生死を確認するゾンビ試薬
「-gender」:ジェンダー学系の論文ならなんでも
「-narrative」:ゾンビ映画・小説などの評論
「-AI」:人工知能を扱う情報科学系の論文
検索条件1には一般性の高い排除キーワードが含まれているため、それらが不必要にゾンビ論文を排除していないかを条件2で確かめる。ただし、「-narrative」で排除される論文の中にはねらいの論文が含まれている可能性もあるため、条件3も設定してある。
今回、7/1~7/7の期間で収集し、以下の通りの論文を得た。
「zombie -firms -philosophical -drug -biolegend -gender -narrative -network -AI」二件
「zombie -firms -xylazine -biolegend -DDoS -Chalmers -narrative」四件(条件1との重複を含めれば六件)
「zombie -firms -xylazine -biolegend -DDoS -Chalmers "narrative"」一件(関連性の低い結果も数えれば、50件)
検索条件1は法学、生物学が一件ずつだった。
検索条件1「zombie -firms -philosophical -drug -biolegend -gender -narrative -network -AI」
法定ゾンビの蘇生: 行政審査会の復活
一件目。
アラート日付:7月1日
原題:Reanimating a Statutory Zombie: The Return of the Administrative Review Council
掲載:不明
著者:Matthew Groves
ジャンル:法学
内容不明。法律そのものや立法、判例がゾンビの名を冠することはあるが、法廷ゾンビと言われるとその意味を理解することは難しい。
ジャンルはとりあえず法学で良いだろう。
ゾンビウイルスの台頭: 北極の雪解けに隠された危険
二件目。
アラート日付:7月6日
原題:The Rise of the Zombie Viruses: The Hidden Danger of the Arctic Thaw
掲載:Exon
著者:Neelabh Datta と Kanchan Karmakar
ジャンル:生物学
永久凍土に眠っていると言われる古代の未知のウイルスをゾンビウイルスと呼ぶ。このウイルスは現代の人間が免疫を持ち得てないため、もしも永久凍土が溶けてウイルスが飛び出せば、パンデミックの恐れがある。この論文はゾンビウイルスの概説をするらしい。
ジャーナル創刊号の記念すべき一本目の記事だ。そこに載っているのだから、最新情報を押さえた読みやすい話が書かれているに違いない。読んでおこう。
ジャンルは生物学。
検索条件2「zombie -firms -xylazine -biolegend -DDoS -Chalmers -narrative」
上記の条件でねらいのゾンビ論文を誤って排除していないかチェックするために、こちらの検索結果もチェックしておく。ただし、ゾンビ企業とゾンビドラッグ、ゾンビ試薬、ゾンビPC、哲学的ゾンビおよび評論系の論文は排除されるように設定してある。
軌道に戻す
アラート日付:7月3日
原題:Back on Track
掲載:Elephant & Castle
著者:Fabio Cleto
ジャンル:比較文化学?
「-network」で排除。過去の作品のリメイクをゾンビと呼んでいる…?
リバースバイオエンジニアリングにおける機能的同等性のレベル
アラート日付:7月4日
原題:Levels of Functional Equivalence in Reverse Bioengineering
掲載:Artificial Life: An Overviewという本
著者:Stevan Harnad
ジャンル:情報工学
「-philosophical」および「-network」で排除。人工生命(人工知能とはちょっと違う)に関する本のいちチャプター。おそらく、人工生命は自然生命と同じか?と考えるにあたり哲学的ゾンビを援用しているのだろう。
韓国語で交渉された対話型アイデンティティを通じた連帯
アラート日付:7月4日
原題:Solidarity Through Negotiated Interactional Identities in Korean
掲載: Exploring Korean Politeness Across Online and Offline Interactionsという本
著者:Mee-Jeong Park
ジャンル:小説
「-network」および「-gender」で排除。韓国語話者の対話における戦略を語る論文。韓国のゾンビドラマを参考に論を組み立てている。
注意欠陥多動性障害(ADHD)を持つ子供の行動と注意レベルに対するニューロフィードバックトレーニングの効果:ケーススタディ
アラート日付:7月5日
原題:EFFECTIVENESS OF NEUROFEEDBACK TRAINING ON BEHAVIOR AND ATTENTION LEVEL OF CHILDREN WITH ATTENTION DEFICIT HYPERACTIVITY DISORDER (ADHD): A CASE STUDY
掲載:Journal of Social Sciences and Business
著者:Aznan Che Ahmad と Eng Hoon Teoh、 Salizawati Omarの三名
ジャンル:小児科学
「-gender」で排除。ただし、単純に性別のこと。ニューロフィードバックなる手法でADHDの子供のトレーニングを行う論文。トレーニングにあたり"Zombie Pop Game"というゾンビを題材としたゲームを使用している。
検索条件3「zombie -firms -xylazine -biolegend -DDoS -Chalmers "narrative"」
検索条件2の「-narrative」がねらいの論文まで排除していないか調べる。
「関連性の高い検索結果」に限れば、一件のゾンビ論文が見つかった。「関連性の低い結果」も含めると、以下の内訳で合計50件だった。
7/1:五件
7/2:ゼロ件
7/3:五件
7/4:十件
7/5:十件
7/6:十件
以下、「関連性の高い」ゾンビ論文を紹介する。
ハインラインの短編小説『All you Zombies』の本質的な要素を映画『プリデスティネーション』(2014)に適応させたもの。
アラート日付:7月6日
原題:The Adaptation of intrinsic elements in Heinlein's All you Zombies short story into Predestination movie (2014).
掲載:University Sunan Gunung Djatiに提出された学士論文
著者:Wulan Amadea Nurwahida
ジャンル:評論
ハインライン作『輪廻の蛇』(原題:All you Zombies)をレビューする論文。作品の評論をする論文が"narrative"の単語を含む証左といえる。
最後に
検索条件1は法学、生物学が一件ずつだった。
法定ゾンビの指すところが気になるが、論文の中身を読めないのでどうしようもない。調べてみてもゾンビ判例が多く引っかかったため、何かとっかかりがほしいところだ。一方で、ゾンビウイルスの概論は助かる。今まできちんと調べたことがなかったものだから、これを機に知識を入れておこうと思う。
また、検索条件3は一件しかヒットしなかったが、あまりに少なく、本当にこれで良いのか疑ってしまった。とはいえ、「関連性の高い結果」のみでやると決めたのだから、事実に従って進めるのみ、だ。月末の集計結果で成功の可否を論じるとしよう。
今回はねらいの論文がなかった。