2024/11月第四週のゾンビ論文 チョウセンアサガオもゾンビドラッグか
本物のゾンビについて書かれた論文を探すべく、Googleスカラーのアラート機能を使い、ゾンビについて書かれた論文を収集している。
アラートの検索条件は次の通り。
「zombie -firms -philosophical -drug -biolegend -gender -narrative -network -AI」
「zombie -firms -xylazine -biolegend -DDoS -Chalmers -narrative」(取りこぼし確認用)
「zombie」をキーワードにゾンビ論文を探しているのだが、比喩としてゾンビを使う論文も多いため、「-◯◯」で比喩としてのゾンビを扱う論文を排除している。排除したいゾンビや論文は、以下の通り。
「-firms」:ゾンビ企業
「-philosophical」「-Chalmers」:哲学的ゾンビ
「-drug」:ゾンビドラッグ
「-network」:情報科学系の論文ならなんでも
「-DDoS」:ゾンビPC
「-biolegend」:細胞の生死を確認するゾンビ試薬
「-gender」:ジェンダー学系の論文ならなんでも
「-narrative」:ゾンビ映画・小説などの評論
「-AI」:人工知能を扱う情報科学系の論文
検索条件1には一般性の高い排除キーワードが含まれているため、それらが不必要にゾンビ論文を排除していないかを条件2で確かめる。
今回、11/25~11/30の期間で収集し、以下の通りの論文を得た。
「zombie -firms -philosophical -drug -biolegend -gender -narrative -network -AI」三件
「zombie -firms -xylazine -biolegend -DDoS -Chalmers -narrative」二件(条件1との重複を含めれば五件)
検索条件1は、医学、エッセイ、情報科学が一件ずつだった。
検索条件1「zombie -firms -philosophical -drug -biolegend -gender -narrative -network -AI」
CD74は、寛容原性樹状細胞と制御性B細胞の増殖を誘導することにより、マウスのトリプルネガティブ乳がんにおける免疫抑制性腫瘍微小環境の形成を促進する
一件目。
アラート日付:11月26日
原題:CD74 promotes the formation of an immunosuppressive tumor microenvironment in triple-negative breast cancer in mice by inducing the expansion of tolerogenic dendritic cells and regulatory B cells
掲載:Plos Biology
著者:Bianca Pellegrinoを筆頭著者として、14名
ジャンル:医学
タイトルを読んでも意味がわからないし、内容はもっと意味がわからない。よって、内容には立ち入らない。
死んだ細胞を染色するゾンビ試薬を使っている。
ジャンルは医学。
数えてます!
二件目。
アラート日付:11月29日
原題:Counting Eeep!
掲載:Big Issue Australia
著者:Deirdre Fidge
ジャンル:エッセイ?
ビッグイシューに載っている記事であるため、論文と呼ぶべきかはわからない。ニュース記事の類だと思う。このパターンは前回のアラートチェックでも出てきた。
zombieの文字列はアブストラクトに現れる。
何について書いた記事なのだろうか。わからない。
ジャンルはエッセイとしておく。
法則から動機づけへ: 法則に基づく推論と報酬による探索の誘導
三件目。
アラート日付:11月29日
原題:From Laws to Motivation: Guiding Exploration through Law-Based Reasoning and Rewards
掲載:arXiv
著者:Ziyu Chenを筆頭著者として、四名
ジャンル:情報科学
大規模言語モデル(LLM)と強化学習(RL)というAIを動かすためのアルゴリズムを調整?することで、ゲーム『Minecraft』内のエージェントを賢くする手法を探る論文? 人工知能系の論文は、いまだに使われる単語の意味を抽象的にしか理解できておらず、簡単にまとめることが難しい。
当然ながら、『Minecraft』にはゾンビが出てくるために検索に引っ掛かった。
ジャンルは情報科学。
検索条件2「zombie -firms -xylazine -biolegend -DDoS -Chalmers -narrative」
上記の条件でねらいのゾンビ論文を誤って排除していないかチェックするために、こちらの検索結果もチェックしておく。ただし、ゾンビ企業とゾンビドラッグ、ゾンビ試薬、ゾンビPC、哲学的ゾンビおよび評論系の論文は排除されるように設定してある。
サンダンスからNetflixまで:米国映画市場における韓国映画、1996年~2024年
アラート日付:11月29日
原題:From Sundance to Netflix: South Korean Cinema in the US Film Market, 1996–2024
掲載:Journal of Film and Video
著者:Sangjoon Lee
ジャンル:メディア学
「-network」で排除。アメリカ映画市場における韓国映画の勃興を論じている。言うまでもないが、『新感染 ファイナルエクスプレス』に触れているために検索に引っ掛かった。
アメジスト(Datura Stramonium)は新しいタイプの向精神薬である
アラート日付:11月30日
原題:Amethyst Disputation (Datura Stramonium) As A New Type of Psychotropics
掲載:Journal of Management, Economic, and Financial
著者:Adi Purnomo Santoso と Boy Nurdin
ジャンル:医学
「-network」および「-drug」で排除。英語で"amethyst plant"とも呼ばれるチョウセンアサガオの効能について述べる論文。その毒性は人間をゾンビのように振舞わせるという。昨年はゾンビドラッグの代表格であるキシラジンの記事や論文が大量に引っかかったが、キシラジンが出回らなくとも色々なゾンビドラッグがあるのだなあ。
この論文とは関係ないが、チョウセンアサガオは麻酔としても使われ、日本では江戸時代後期で初めて使われたらしい。
最後に
検索条件1は、医学、エッセイ、情報科学が一件ずつだった。
目新しいゾンビは見つからなかった。興味が引かれたのはチョウセンアサガオだけ。男ならだれでも知ってるチョウセンアサガオ。麻薬法で規制されていないからとりしまれないらしい。日本でも規制されておらず脱法ドラッグとして扱われているが、厚労省のHPで注意喚起されている。そんなに危ないならどうして規制しないのだろうか?
今回はねらいの論文がなかった。