2024/1/13(土)のゾンビ論文 原始惑星系円盤のゾンビゾーン
ゾンビについて書かれた論文を収集すべく、Googleスカラーのアラート機能を使っている。アラート設定ごとに、得られた論文を以下にまとめる。
アラートの条件は次の通り。
「zombie -firms -philosophical -drug -biolegend -gender -narrative -network」
「zombie -firms -philosophical -xylazine -biolegend -gender -narrative -network」
「zombie -firms -xylazine -biolegend -DDoS」(取りこぼし確認用)
検索条件は次の意図をもって設定してある。
「zombie」:ゾンビ論文を探す
「-firms」:ゾンビ企業を扱う論文を排除する
「-philosophical」:哲学的ゾンビを扱う論文を排除する
「-drug/xylazine」:ゾンビドラッグに関する論文を排除する
「-network」:とにかく情報科学の論文を排除したい
「-DDoS」:ゾンビPCを扱う論文を排除する
「-biolegend」:細胞の生死を確認するゾンビ試薬を使う医学の論文を排除する
「-gender」:ジェンダー学の論文を排除する
「-narrative」:ゾンビ映画・小説などを評論する論文を排除する
検索条件2は「-drug」と「-xylazine」の差分を見るためにある。また、検索条件1と2には一般性の高い排除キーワードが含まれているため、それらが不必要にゾンビ論文を排除していないかを確かめる。
今回、それぞれのヒット数は以下の通り。
「zombie -firms -philosophical -drug -biolegend -gender -narrative -network」二件
「zombie -firms -philosophical -xylazine -biolegend -gender -narrative -network」二件(差分ゼロ件)
「zombie -firms -xylazine -biolegend -DDoS」三件(検索条件2との差分は一件)
検索条件1は経済学、菌類学が一件ずつだった。
検索条件1「zombie -firms -philosophical -drug -biolegend -gender -narrative -network」
オフィスから住宅への転換: 万能薬ではない - ほとんどのオフィスビルは万能薬ではありません
一件目。
原題:Office-to-Residential Conversions: Not a Panacea - Most office buildings are not
掲載:The conference Board in Policy Commons
著者:Erin McLaughlin
ジャンル:経済学?
オフィスビルから住宅地への移行が進み、ゆえにオフィスビルの占有率が下がり、ゾンビビルが増えているとのこと。
ジャンルは経済学にしておく。
真菌および微胞子虫無脊椎動物病原体の進化生態学
二件目。
原題:Evolutionary ecology of obligate fungal and microsporidian invertebrate pathogens
掲載:the University of Exeterに提出された博士論文
著者:Sam Edwards
ジャンル:菌類学
ゾンビアリとゾンビキノコをはじめ、様々な真菌と虫の寄生関係を調査した論文。ジャンルは菌類学。
検索条件2「zombie -firms -philosophical -xylazine -biolegend -gender -narrative -network」(差分なし)
検索条件1との差分を調べ、「-drug」が「-xylazine」よりも論文を排除しているか確認する。
今回は差分がなかった。
検索条件3「zombie -firms -xylazine -biolegend -DDoS」
上記の条件で誤ってねらいのゾンビ論文を取りこぼしていないかチェックするために、こちらの検索結果もチェックしておく。ただし、ゾンビ企業とゾンビ試薬、ゾンビPCは排除されるように設定してある。
原始惑星系円盤の内部デッドゾーン端付近のダイナミクス
原題:Dynamics Near the Inner Dead-Zone Edges in a Proprotoplanetary Disk
掲載:Publications of the Astronomical Society of Japan
著者:岩崎一成を筆頭著者として、五名
ジャンル:天文学
「-network」で排除。惑星が有する円盤のシミュレーションにおいては、デッドゾーンなる領域が存在し、アンデッドゾーンやゾンビゾーンとも呼ばれるらしい。
しかし、この論文ではデッドゾーンは遷移ゾーンとコヒーレントゾーンに分けられ、遷移ゾーンはデッドゾーン(つまり、ゾンビゾーン)と異なる特性を有しているそうな。
dead zone(死んだ領域)なのにundead zone(不死の領域)と呼ばれたり死んでからよみがえるzombieの名を冠しているのはなぜ…?2013年のMohantyらの論文が初出らしいが…。
まとめ
検索条件1は経済学、菌類学が一件ずつだった。
それよりもゾンビゾーンが気になった。ゾンビ星ならば以前も扱ったことがあるが、天文学もゾンビを導入したがる研究者が一定数いるのだろうか。ちなみに、「"zombie zone" "dead zone"」でGoogleスカラーを検索すると九件しかヒットしなかった。2013年が初出であることを鑑みても、少ない。一部の仲の良い研究者が読んでいるだけなのでは。
今回はねらいの論文がなかった。