ゾンビ論文の総括(2023年07月)
概要
2023年7月にGoogleスカラーのアラートに次の検索条件を設定して、ゾンビ論文の収集を行った。
7/1~7/7は次の条件。
「zombie -firm -philosophical -DDos -xylazine -viability -gender」(メイン)
「zombie」(取りこぼしがないか確認する目的)
7/8~7/31は次の条件。
「zombie -firm -philosophical -bot -xylazine -biolegend -gender」
「zombie -firm -philosophical -DDos -xylazine -viability -gender」
「zombie -firm -philosophical -DDos -xylazine -biolegend -gender」
「zombie」(取りこぼし確認)
各検索キーワードの意図は次の通り。単語の前にハイフンをつけると、その単語を含まないものを探す検索条件となる。
「zombie」:ゾンビ論文を探す
「-firm」:ゾンビ企業を扱う経済学の論文を排除する
「-philosophical」:哲学的ゾンビを扱う哲学の論文を排除する
「-DDoS/-bot」:ゾンビPCを扱う情報科学の論文を排除する
「-xylazine」:ゾンビドラッグに関する論文を排除する
「-viability/-biolegend」:細胞の生死を確認するゾンビ試薬を使う医学の論文を排除する
「-gender」:ジェンダー学の論文を排除する
各期間でメインの検索条件に引っかかったゾンビ論文は27本であり、私の目的に合致した論文が一本見つかった。
病気の蔓延に対する受動的場の理論と能動的場の理論
(感染症学)
また、8月の検索条件を次の5つに設定する。ただし、検索条件1をメインの検索条件とし、8/1から適用する。
「zombie -firm -philosophical -bot -xylazine -biolegend -gender」
「zombie -firm -philosophical -DDos -xylazine -viability -gender」
「zombie -firm -philosophical -DDos -xylazine -biolegend -gender」
「zombie -firm -philosophical」(取りこぼし確認)
「zombie」(条件4でも取りこぼしたのが経済学と哲学に限られているか確認)
以下、7月の調査の詳細を記載する。
集計結果
まず、集計結果を示す。
最も多かったのは経済学の五件。そして政治学と情報科学の三件が続き、感染症学、メディア学が二件ずつヒットした。6月に引き続き、メインの検索条件には一件の論文も引っ掛からない日があった。
取りこぼし確認用の検索条件も四件と少なかった。常にこの程度の数だとチェックも楽でよい。
また、数の多かった経済学と情報科学は排除するためにそれぞれ「-firm」と「-DDoS/-bot」を設定しており、zombieの単語はそれぞれ次のように使われていたため、若干数のすり抜けが認められる。
経済学
情報科学
政治学
どのゾンビにも統一性は認められない。さすがにこれをねらって排除するのは難しいため、数件程度のイレギュラーは認めるしかない。ただ、companyのゾンビ企業とゾンビ貸し付けは頻出の文字列であるため、もう少し数が多ければ排除を試みてもよいかもしれない。
また、7月はねらいのゾンビ論文も見つかった。
論文の内容を少し読んだ感じ、私が素のまま読むのは少々難しいようだ。抽象的な積分は体になじまない。だがいずれはレビューしたいと思う。
7月の検証結果
7月は以下三件の検索条件を設定し、ゾンビPC(bot)を使ったDDoS攻撃に関する情報科学の論文と、ゾンビ試薬を使った医学の論文の検出可能性を調べていた。
「zombie -firm -philosophical -bot -xylazine -biolegend -gender」
「zombie -firm -philosophical -DDos -xylazine -viability -gender」
「zombie -firm -philosophical -DDos -xylazine -biolegend -gender」
要するに、DDoS攻撃のゾンビ論文を排除したいなら「-bot」と「-DDoS」のどちらがよいか、ゾンビ試薬の論文を排除したいなら「-viability」(和訳:生存可能性)と「-biolegend」(ゾンビ試薬の製造会社)のどちらがよいかを調べていた。
検証結果を以下に示す。
差分となったのは次の論文である。前者はDDoSに関する論文であるため、ねらい通りである。後者は何の論文かわからなかったが、わからないということはゾンビPCに関する論文ではないため、ねらい通りではないはずだ。
危険なエコー:ミュートにする必要がある DNS リゾルバー(「-DDoS」で排除)
対話における展開データからの暗黙的なフィードバックを活用する(「-bot」で排除)
以上の二件だけでは「-bot」よりも「-DDoS」の方が適していると結論できるが、Nが少なすぎるため、今後の課題として続けて検証する。
8月の検証
8月は以下の検証を行う。
情報科学の論文を排除するためのキーワードを「-DDoS」と「-bot」で比較する。
医学論文を排除するためのキーワードを「-viability」と「-biolegend」とで比較する。
ゾンビ企業と哲学的ゾンビを完全に排除する
上の2つはゾンビPCを排除するのにbotとDDoSとどちらが適しているかと、ゾンビ試薬を排除するのにviabilityとbiolegendとどちらが適しているかを調べる目的。7月から継続して検証する。
また、最後の一つは頻出するゾンビ企業と哲学的ゾンビに嫌気がさしたため、それらであれば取りこぼしてもよいと考えて設定した。いきなり排除してしまってもよいのだが、一応、アカデミックな雰囲気を醸し出すために8月はこの2条件を比較検証する。
ということで、8月の検索条件は次の4つに設定する。
「zombie -firm -philosophical -bot -xylazine -biolegend -gender」
「zombie -firm -philosophical -DDos -xylazine -viability -gender」
「zombie -firm -philosophical -DDos -xylazine -biolegend -gender」
「zombie -firm -philosophical」
「zombie」
頭の三つは経済・哲学・情報科学・ゾンビドラッグに関する・医学・ジェンダー系のゾンビ論文を避けるための検索条件。最後の二つはゾンビ企業と哲学的ゾンビの排除がねらい通りに機能するかを調べるための検索条件である。
変更は7/31(月)に行ったため、8/1(火)以降のゾンビ論文に適用される。
以上。