牡牛座1度のサビアンシンボル(象徴解釈)
Taurus1:A clear mountain stream.
《日本語訳》渓流(山あいを流れる清らかな川、谷川)
牡牛座1度の意味
具象化する能力
継続する能力
豊かさをもたらす能力
自分の才能で人生を切り拓く能力
牡牛座1度の解説
大地と結びついた水
牡羊座1度が海から始まったのに対し、牡牛座1度は川から始まります。
約38億年前、海の中で生命が誕生し、やがて進化とともに陸へ上がりました。陸へ上がった生物は種類によって割合は異なるものの、体内の約半分以上を水が占めており、水分を摂取しないと生命を維持できません。
陸上生物にとって必要な水は海水ではなく淡水です。淡水の大部分は氷や氷河のほか地下水に多く存在し、河川・湖・沼のように生物が摂取しやすいかたちで陸上に存在する水は、地表に存在する淡水のうち0.01%に過ぎません。
牡牛座1度に登場するのは渓流、つまり川の上流です。ほとんどの川は山を出発点としており、湧き水がその源泉となっているのが大半です。山に雨が降ると雨水が地中に染み込み、その水の一部が地表に湧き出して流れ出します。大規模な湧き水はそれ自体が川の源泉となることもありますし、小さな流れが合流して川を形成することもあります。
地のサインである牡牛座1度に登場する水は、大地と密接に結びついた水です。そして、この水は地上の生物を養うだけでなく、地層を削り、土砂を運び、長い年月をかけて地球上の景観をつくってきたのです。
「渓流」に象徴される性質
「渓流」とは山あいを流れる川のことで、川幅が狭く流れが速いという特徴があります。牡牛座サインが持つ“豊かさ”を川で表現するなら、川幅が広く流れも緩やかな「river=大きな川(平地を流れる下流域の川)」がふさわしいように感じます。「river」は象徴において豊饒を意味するからです。
しかし、牡牛座1度に登場するのは渓流です。「渓流」でなければいけない必然性はどこにあるのでしょうか。
山あいを流れる川の上流域は傾斜が急で流れも速いため、水がもつ3つの作用(浸食・運搬・堆積)のうち、浸食・運搬作用が大きく働き、地形に大きな変化をもたらします。例えば、アメリカアリゾナ州にあるグランドキャニオンは、川の浸食作用によって形成された大峡谷として有名です。
グランドキャニオンが形成された時期や過程には諸説あります。隆起したコロラド高原の浸食が始まったのは今から約500万年前とも約7,000万年前とも言われており、コロラド川が侵食する以前から現存しない川による浸食が始まっていたという説もあるようです。
いずれにしても、気が遠くなるほどの長い年月をかけて膨大な量の地層が削り取られ、現在の地形が形成されたことには変わりありません。。
牡牛座サインが持つ能力
1度にはサインの基本的な性質や能力が示されています。これは12サインそれぞれに与えられた役割のようなもので、その役割に優劣はありません。
渓流が牡牛座サインの性質を象徴していると考えた場合、2つの意味を考えることができます。1つ目は物事を具象化する能力、2つ目は長い時間コツコツ努力を続けられる能力です。
牡牛座サインは「豊かさ」を持つサインですが、その豊かさは最初から存在しているわけではなく、具象化する能力と長い時間の積み重ねによって生まれると言えます。
また、象徴としての水には多くの意味が与えられていますが、その一つに「神の恵み」という意味があります。川の源流となる湧き水は雨水や雪解け水、つまり天からもたらされた水(=神の恵み)に端を発します。
このことは牡牛座サインが持つ恵まれた才能を暗示しており、先ほど説明した物事を具象化する能力、時間の経過を形にする能力として発揮されるでしょう。例えば、誰かが思いついたアイデアを具体的な形にして社会に送り出すといったことは、牡牛座サインの得意分野です。
自然界や物質界において形あるものが増えることは豊かさに通じます。牡牛座サインが持つ能力は自分自身を豊かに満たすだけでなく、ゆくゆくは世の中に豊さをもたらす目的で発揮されることでしょう。それは、小さな流れの川が長い年月をかけて岩を削り、土砂を運び、やがて人々が住まう平野を形成することと無縁ではないのかもしれません。
サビアンシンボルの解釈について
当記事の内容は、サビアンシンボルを考案したマーク・エドモンド・ジョーンズやサビアンシンボルの解釈を著したディーン・ルディアの解釈とは異なります。サビアンシンボルに登場する要素を象徴として扱い、象徴が意味する内容に基づいた独自の解釈を行っています。
牡牛座のサビアンシンボル一覧
牡牛座1度のサビアンシンボル
牡牛座2度のサビアンシンボル
牡牛座3度のサビアンシンボル
牡牛座10度のサビアンシンボルで1年を振り返る
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