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牡牛座4度のサビアンシンボル(象徴解釈)

Taurus 4:The rainbow’s pot of gold.
《日本語訳》虹(の端)にある金の壺。


牡牛座4度の意味

  • 達成が困難な夢を叶えようとする(状況)

  • 努力を続けた結果、幸運をつかむ性質

牡牛座4度の物語

「虹の端にある金の壺」とは

牡牛座4度は、おそらく「The pot of gold at the end of the rainbow.(虹の端にある金の壺)」のことでしょう。この文章は英語の慣用句で、夢のような思いがけない幸運、魅力的だが達成が困難な夢、などの意味を持ちます。大きな夢を実現できた時に、多大な努力に対する報酬という意味で使われることもあるようです。
 
この慣用句は、妖精レプラコーン(レプラホーン)の伝承に由来しています。レプラコーンは金貨の入った壺を虹の端に隠しており、レプラコーンを捕まえることができれば壺のありかを教えてもらえるのだとか。しかし、悪戯好きのレプラコーンを捕まえることは難しく、また虹の端に行くことも難しい。このような背景から、「虹の端にある金の壺」は思いがけない幸運、達成が困難な夢、という意味を持つようになったと考えられています。
 

妖精レプラコーンについて

レプラコーンはアイルランドの妖精です。妖精たちが踊りですり減らした片方の靴を修理しています。緑色の帽子・洋服を身に着けた姿で描かれることが多く、性質はけちんぼで非社交的、そして悪戯好きと言われています。レプラコーンは靴修理で得た莫大なお金を虹の端に隠しているほか、地下にある財宝のありかも知っているのだそうです。
 
科学が発達した現代において、妖精の存在が空想の世界に追いやられてしまった感じは否めません。しかし、アイルランドの道路には「レプラコーンに注意!」と書かれた看板があるようですし、キリスト教の祝日「セント・パトリックス・デー」ではレプラコーンがお祭りのキャラクターとして登場し、今でもレプラコーンを身近に感じることができます。
 

セント・パトリックス・デー

セント・パトリックス・デー(3月17日)はアイルランドにキリスト教を広めた守護聖人セント・パトリックスの命日です。アメリカでもキリスト教の祝日として定着しており、多くのアイルランド人が移住したボストンやシカゴ、ニューヨークなどでは毎年盛大なパレードが開催されています(シカゴでは何と川が緑色に染められる!)。
 
レプラコーンがセント・パトリックスデーのキャラクターになったのは、どちらもアイルランドと深いつながりを持っていたからという理由のほか、子供の頃に奴隷として売られたセント・パトリックスが脱走に成功したこと(幸運)、捕まえるのが難しいレプラコーンを捕まえると財宝のありかを教えてもらえること(幸運)から、両方の話に共通する「幸運」を象徴するシンボルとして使われるようになった、という説もあるようです。
 

牡牛座サインは「思いがけない幸運」に恵まれるのか?

私の解釈では、サビアンシンボルの4度にはサインの性質を育む環境や状況が示されていると考えます。英語の慣用句「The pot of gold at the end of the rainbow.(虹の端にある金の壺)」の意味をあてはめた場合、「思いがけない幸運」より「達成が困難な夢」と結びつけた方が、粘り強く努力家でもある牡牛座サインの性質に相応しい気がします。
 
ASC牡牛座の私としては「思いがけない幸運」という、ある意味棚ぼた式の運がやってくるような環境で、牡牛座サインの粘り強い性質が育まれるわけはないだろう……と強く思ってしまうわけです(笑)。
 
では、改めて牡牛座4度を牡牛座サインの性質を育む環境として考えた場合、具体的にどのようなことが言えるでしょうか。ちょうど牡牛座4度に示された内容を説明するのにぴったりの本を見つけたので、内容を少しご紹介します。

幸運を作るというのは、条件を自ら作ること

見出しの文章は『グッド・ラック』(アレックス・ロビラ、フェルナンド・トリアス・デ・ベス著/田内志文訳:ポプラ社)という本に書いてある一文です。
 
この本は、幼なじみだったジムとマックスが54年ぶりに再会するシーンから始まります。仕事も財産も失ってしまったジム。仕事で大成功を収めていたマックス。失意のどん底にいたジムに、マックスは祖父から聞いた「運」と「幸運」の違いにまつわる物語を話し始めました。
 
それは、魔法のクローバーを探す黒い騎士と白い騎士の物語でした。二人の騎士は宮廷魔術師から命を受け、7日後の朝に生えるという魔法のクローバーを探すことになります。二人が国を出発してから7日後、白い騎士は魔法のクローバーを手に入れましたが、黒い騎士は見つけることすらできませんでした。
 
黒い騎士と白い騎士の違いは何だったのでしょうか。
 
二人の騎士は、森の妖精や精霊たちに「この森に魔法のクローバーは生えない」と言われました。話を聞いた黒い騎士は「自分はだまされたのだ」と思い、旅の途中で国に帰ってしまいました。一方、白い騎士は別のことを思いつき、行動に移していました。

達成が困難な夢を叶えようと努力する性質

『グッド・ラック』では、「運」と「幸運」の違いについてこう表現されています。

「運と幸運はまったく別のモノなんだ。運は確かにそうそう巡ってくるものじゃないし、巡ってきてもすぐに離れていってしまう。(略)でも、幸運は誰でも自分の手で作り出すことができるんだ。そして、手にした人に必ず幸せを運んでくれる。本物の幸せをね。だから幸運と呼ばれているんだよ」

『グッド・ラック』

一方、辞書で「運」「幸運」の意味を調べてみると、このように書かれています。

・運=物事を成就させるか成就させないのか、巡り合わせ
・幸運=物事が偶然に自分にとって都合のいいように運ぶこと

三省堂『新明解国語辞典』

辞書の意味からも「運」が(天の)巡り合わせである以上、自分でコントロールすることは難しそうですが、「幸運」は条件が揃えばコントロールできそうな気がします。
 
サビアンシンボルを見ると、牡牛座サインは豊かさを好み、具象化や具現化と関わりが深く、粘り強い性質を持っていることがわかります。
牡牛座4度では達成が困難な夢を叶えようとする状況、そして努力することで「巡ってきた“運”を自分のモノにする“幸運”をつかみとる」性質が示されていると考えられます。

サビアンシンボルの解釈について

当記事の内容は、サビアンシンボルを考案したマーク・エドモンド・ジョーンズやサビアンシンボルの解釈を著したディーン・ルディアの解釈とは異なります。サビアンシンボルに登場する要素を象徴として扱い、象徴が意味する内容に基づいた独自の解釈を行っています。

牡牛座のサビアンシンボル一覧

牡牛座1度のサビアンシンボル
牡牛座2度のサビアンシンボル
牡牛座3度のサビアンシンボル
牡牛座4度のサビアンシンボル
牡牛座10度のサビアンシンボルで1年を振り返る


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