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サビアンシンボルの使い方:1年のテーマとして考える

「サビアンシンボルとは」の記事で書いたように、私はプログレスの太陽を読む時にサビアンシンボルを使っています。ソーラーアークで太陽の位置だけ使うこともできます。ネイタル太陽の位置を1年に約1度の割合で進める手法にサビアンシンボルを当てはめると、ネイタルチャートにある太陽がどのようなテーマと向き合い成長してゆくのか、その流れがとても把握しやすいと実感したからです。

遠い宇宙に目を向けると、太陽系全体は猛スピードで宇宙空間を移動していて、太陽系に存在する天体は太陽の周りを回りながら太陽と一緒に移動しているのだそうです。それを考えると、ネイタルの太陽もやはりどこかへ向かっている(成長している)と考えた方が、チャートを実際的に活用できる気がします。

※この記事は旧ブログ(http://aries29-sabiansymbols.net/theme-one-year-using-sabiansymbols/)で2017年12月に公開したものを編集しています。


牡牛座5度のサビアンシンボルと1年間向き合う

2017年当時、私のプログレスの太陽は牡牛座5度に滞在していて、その1年間は物事の見方が劇的に変化した時期でした。牡牛座5度「A widow at an open grave.(開かれた墓の前にいる未亡人) 」は、”深層意識に閉じ込められていた自分の価値観“がテーマです。

価値観は年齢や環境によって変化しますが、その人自身の根幹を成しているような価値観があり、それはアイデンティティと深く関わっています。
“本当の自分らしさ”と言えば、わかりやすいかもしれません。そういった本当の自分らしさに目覚めるのが牡牛座5度です。
目覚めるにはそれまでの自分の状態を一度否定したり破壊したりする必要があるので、人によっては大きな環境の変化が起きるかもしれません。

牡牛座5度の1年間、本来の自分が持っていた価値観を意識的に探していたわけではなく、勝手にそういう流れになっていたというか、さまざまな出来事が複雑に絡み合い、結果的に牡牛座5度のテーマと対峙させられたような印象があります。
従来の価値観では対応できないような変化が次々に訪れる中、周囲との関係性の中で“新しい自分”を構築する必要に迫られた時期でした。

“新しい自分”と言っても厳密には新しいわけではなくて、実は10年以上背負っていた肩書を下ろしたので、それ以前の自分に戻っただけなのです。
しかし、その肩書きの上に成り立っていた、物事の見方・対処方法・優先すべきこと・自分のスタンス……そういう諸々の仮面や鎧を脱ぎ捨てました。牡牛座5度に示された“自分らしさ”を取り戻したとも言えます。


グラウンディングする流れの中で

私が体験した牡牛座5度の1年間を一言で表現するなら、“着地”という言葉がピッタリかもしれません。いつも地面を蹴り上げてより高くジャンプする必要に駆られていたけれど、ある時かかとを地面に下ろしてみたら着地できた、みたいな感じです。
トランジットの状況もあるでしょうが、それまで長い間プログレスの太陽が牡羊座に滞在していたので、自分探しのようなテーマが続いていたのかもしれないなぁ、と後から思いました。

当時、ネイタルの山羊座月・MC付近をトランジットの冥王星がウロウロしていましたし、土星が山羊座入りしたこともあって、「自分を社会の中でどう位置づけるのか?」という大きな揺さぶりが何度もやって来ました。さらに、ソーラーアークのチャートを出してみると、ソーラーアークの牡牛座土星とネイタルの天体との間に、地サインでグランドトラインが形成されていました。

おそらく、牡牛座5度に進行の太陽が滞在していた時期は、グラウンディングするための大きな流れの中にあったのでしょうね。その流れの中で太陽が牡牛座5度に滞在していたことは、本当に不思議だし、大きな歯車の中に自分がいることを実感したのでした。


サビアンシンボルをどう使うか

結局のところ、自分が置かれている状況は自分が選んだ結果にほかなりません。未来は現在の延長上にあるので、現在としっかり向き合うことで、自分が望む未来を作ることにつながります。

さまざまな出来事が起きている時はサビアンシンボルことなんか忘れていますが、「今年1年は●●座●度がテーマなんだ」と心のどこかで意識していると、起きる出来事に対してポジティブな意味を見出せるようになれるような気がします。
少なくとも、「どうして大変なことばかり起きるんだろう……」「どうして私がやらなくちゃいけないんだろう……」というネガティブな感情からは少し距離を置くことができるのではないでしょうか。

人間は先が見えないことに対して不安を抱くのだそうです。今まで経験したことがない出来事が起きると、この先自分がどうなるのか不安になりますし、その出来事がただ辛いだけならいっそう不安は募るでしょう。そのような時、プログレスの太陽が位置する度数をサビアンシンボルで見ると、この1年取り組むべき課題が確認できるようになります。

もちろん、三重円を使って現状を把握し未来を予測することは可能だと思います。しかし、見るべき要素が多すぎるし、どうして現在のような状況になっているのか、どう行動すべきか、明確な回答を得るのはなかなか難しいとも思っています。

サビアンシンボルは象徴なので、起きる出来事を具体的に表しているわけではありません。私はサビアンシンボルを、サインの性質をさまざまな角度から見せてくれる万華鏡のようなモノだと考えています。
また、プログレスの太陽に関しては、ネイタルチャートを出発点としてサインに潜む課題を1つずつ克服しながら進むイメージがあります。
サビアンシンボルとプログレスの太陽、その2つを組み合わせると、サビアンシンボルは自分の内面を深く見つめる手がかりになり、現在の状況に対する心構えを示してくれるような気がするのです。

ネイタルチャートで太陽が位置する度数はその人によって異なるので、同じ魚座であっても、太陽が魚座1度にある人と魚座15度にある人とでは、何歳の時にどのサインの度数を体験するのか異なります。太陽が魚座1度にある人は、プログレスの太陽が牡羊座サインへ移動するのが31歳なのに対し、魚座15度にある人は16歳です。
牡羊座1度は新しい環境でのスタートを意味しますが、プログレスの太陽が通過する年齢によって、新しい環境が会社なのか、結婚なのか、引っ越しなのか、学校なのか、あるいは習い事で教室を変えるのか……そういう違いが出てくるのでしょう。

いずれにしても、サビアンシンボルを実際的に使うには、各度数の意味を現実的なレベルに落とし込む必要があります。だからこそ、サビアンシンボルに登場する要素を象徴として捉え、そこに示されている普遍的な意味を探り出す必要があると思うのです。

image photo : by Yummymoon(pixabay)

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