魚座2度のサビアンシンボル(象徴解釈)
Pisces 2: A squirrel hiding from hunters.
《日本語訳》ハンターから隠れているリス
魚座2度の意味
強い警戒心
防衛本能
魚座2度の解説
象徴の解説:リスが表す”強い警戒心”
魚座2度に登場するリスは、魚座サインが強い警戒心を持ち、周囲の状況に反応して行動することを表しています。リスは、ハンターが葉を踏みしめるかすかな音を聞き、ハンターの発するにおいを嗅ぎ、ハンターの気配を感じとり、うまく姿を隠せているようです。
サビアンシンボルの2度が示しているのは、そのサインの行動の源泉となっている性質です。魚座1度に示されていた、周囲の状況に翻弄されやすい性質を自覚しているために、自分を守ろうとする強い警戒心が働いているのかもしれません。
リスは世界中に生息しており、日本・アメリカ・ヨーロッパはもちろん、アフリカの昔話にも登場します。日本では、頬袋に木の実を詰めて巣へ運ぶリスの習性が「蓄財」のイメージと結びついていますが、地域によってリスに対するイメージは多少異なるようです。
北欧神話に登場するリスは、樹上に住む鷲と地下に住む蛇の両方に相手の悪口を伝える、信用できないメッセンジャーとして描かれています。おそらく、リスが木を上ったり下りたり、せわしなく動き回る姿から連想されたのでしょう。
また、紋章デザインにおいて、リスの紋章は「軍事」に関わった祖先がいることを表します(フルール・ド・リスのリス(アイリス)とは異なります)。おそらく警戒心が強いリスの生態に由来しているのでしょう。リスの視界は非常に広いため敵を発見しやすいというメリットがあり、いざという時に逃げやすいよう尻尾も切れやすいのだそうです。これは、メッセンジャーとして重要な役割を果たしたことを意味しているそうです。
魚座サインに内在する、“戦う”性質
魚座は同情心が強く、想像するのが好きで、ちょっと現実離れしたところがある……など、優しくほんわかしたイメージで語られることが多いサインです。共感能力や適応力が高く、争いごとが苦手で、困っている人のサポートをするのが得意、とも言われます。
今後もことあるごとに書くだろうと思いますが、太陽魚座の自分としては「いやいや……」と言いたいところです。どのサインにも言えることですが、天体の種類によってサインの性質がどのように表現されるかが、異なるからです。
太陽が魚座サインにあっても、月・水星・金星・火星が他のサインにあると、プロトタイプの魚座っぽさがあまり感じられない場合もあります。
ちょっと脱線してしまいましたが、何を言いたかったのかと言うと、サビアンシンボルから魚座サインの性質を俯瞰してみると、ほんわかどころか、“戦う”性質を持つサインだということです。ちょっと誤解を招く表現かもしれませんが、自分からガンガン攻撃するわけではなく、いざという時に応戦できる防御能力を備えているのです。
魚座のサビアンシンボルには軍人や戦いに関する要素がいくつか登場します。詳しくは別記事で改めてご説明しようと思いますが、軍人という象徴は魚座サインの”戦う”性質を暗示しています(前の方に書いたように、リスの紋章は「軍事」と関わりあり)。
”戦う”性質は魚座2度に象徴されるように、強い警戒心に根差しています。そのため、攻撃タイプというよりは防御タイプなのかもしれません。
防御タイプというところが、いかにも受け身の魚座っぽく感じられるものの、実際に防御力を発揮した場合、なかなかインパクトがありそうです。
軍事学者のクラウゼヴィッツは、哲学的観点から、本来的な意味における攻撃は防御に端を発すると述べました(一字一句同じではありませんが、そういう意味のことです)。
簡単に説明すると、攻撃は基本的に侵略を最終目的としており、侵略された国や地域が防御(つまり、侵略者へ攻撃)することで、戦いが始まるという意味になります。
魚座サインは積極的に攻撃しませんが、周囲の状況・人が限度を超えて自身を浸潤していると判断した場合、強い決意を持って反撃しようとするでしょう。自分と外界との境界が曖昧なところがあるとは言え、魚座サインにも守るべき核はあるからです(普段は実感しにくいかもしれません)。
魚座サインの無意識に潜む、不安や怯え
魚座サインには“戦う”性質があると書きましたが、その根底にある感情は強い警戒心であり、不安や怯えと言い換えることができるでしょう。それが魚座2度のリスに象徴されています。魚座は社会や時代といった大きな枠組みから影響を受けやすいサインのため、常に漠然とした不安に取り巻かれているからです。
注意したいのは、過剰な警戒心は新たな危険を招き寄せる可能性があるということです。リスなどの捕食動物は敵に捕まらないよう、ジグザグに走って逃げる習性があります。しかし、道路で自動車に出会った時、ジグザグに走ると他の車にぶつかる危険性が高くなり、別の車に轢かれてしまうリスもいるわけです。
強い警戒心や反撃は魚座サインにとって必要なことです。それらの性質や能力をポジティブに発揮するためには、ある種の経験や訓練が必要となります。
社会や時代に翻弄される経験は、大きな心の痛みを伴うかもしれません。しかし、その痛みを克服する過程で得られる強さはその後の生き方を支えてくれる、大きな力になることでしょう。
サビアンシンボルの解釈について
当記事の内容は、サビアンシンボルを考案したマーク・エドモンド・ジョーンズやサビアンシンボルの解釈を著したディーン・ルディアの解釈とは異なります。サビアンシンボルに登場する要素を象徴として扱い、象徴が意味する内容に基づいた独自の解釈を行っています。
魚座のサビアンシンボル一覧
魚座1度のサビアンシンボル(実験的試み)
魚座3度のサビアンシンボル
魚座8度のサビアンシンボルに示された「噂や妄想に満ちた空間」
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