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【リリス完全解説5】「パクスルーナ PAXLUNA星読み風水」の高橋ともえさんにお返事します。

 今日は占星術という今やメジャーなようでまだまだマイナーな世界の、さらにマニアックなカテゴリーで活躍されている高橋ともえさんからリアクション記事を頂いていたので、返信記事を書きます。

 ちなみに彼女はSNSのフォロワーは少なく世間的に有名なのか否かはさっぱり分からないのですが、websiteは非常にしっかりしていて、Google検索にもよく引っかかるので、SEO対策なんかしっかりやって上手いことやってんのかなぁと想像してます。


 まあ彼女の矛盾した主張を解説するのに手間がかかりました(汗)

 大事なことを書いてますけどそれだけではつまらないので、最後には世界的に有名なアーティスト「bjork(ビョーク)」からダークムーンリリスの新たな解釈を説明してます。どうぞお付き合いくださいませ。

これまでのややこしい経緯

  私は最近リリスについて記事を書いています。リリスにはブラックムーンリリスとダークムーンリリスの2種の分類があります。

 ※ 小惑星リリト(惑星番号1181)は現段階ではリリスとして私は読んでいません。理由はリリス完全解説1に書きました。

  7月14日にアップしたこの2つの記事で、パクスルーナ高橋ともえ氏の間違いを私は指摘しました。

 彼女は自身のwebsiteでリリス講座を27000円というなかなかのお値段で販売しています。↓

 で、リリスで検索するとよく引っかかるのですが、彼女はダークムーンリリスの基本情報を間違えていたので、websiteを引用させていただきました。

 それを読んだ彼女のリリス講座の受講生が高橋氏に連絡。そして高橋氏は以下の記事を9月3日にwebsiteにアップしたようです。

 ↑これが今回私がお返事を書く、高橋ともえ氏の記事です。

 私はこの記事がアップされているとは知らず、以下の記事を9月4日にアップしました。

 すると、おそらく高橋さんはGoogleの画像検索結果のコントロールを試みました。調べた限りでは、metaタグをいじって特定ワードをGoogle検索に上らないようにすることは可能みたいです。

 その根拠は以下で、Google検索エンジンではないDuckDuckGoで検索をかけると「ダークムーンリリス パクスルーナ」の検索ワードの結果上位6つは全てパクスルーナwebsiteのものです。ところがGoogle検索エンジンでは、トラッキングされているにも関わらず1個も上位に上らない。

まあGoogleでも「引き続き他の画像も見る」をクリックしてずーっと下の方にスクロールしたら出てきますけどね。DuckDuckGoの検索結果が正常。

 おそらく、自身の弁明記事をアップした翌日に、私がさらなる高橋さんにとって都合が悪い記事をアップしてしまったので、焦ってなんだかやらかしてしまったのではないかと。ほぼ無意味な行為かと思いますが…

 で、私がこのような現象をTwitterに投稿した9月5日以降も、なんかいじってるっぽいんですけどね….

 以下のような、謎現象もあり。

彼女が投稿したのは9月3日で、私が投稿したのは9月4日です。

 まあ今後もなんらかありそうなんですが、これはもうどうでもいいので、この話はここで終わり。

本題です。高橋ともえさんの記事内容について。

 はい、ここからようやく本題です。

 ↑の記事に返信していきますね。これ本当に不可解な記事です。どうして不可解なのかって、高橋さんが混乱しているからに他ならないと思いますが(笑)

 私が高橋さんの混乱を明快に解説していきます。超面倒くさいんですが、こんな馬鹿げた作り話が広まっても困りますから。丁寧に解説しますのでお付き合い下さい。

高橋ともえさんの主張全文

 まずは、高橋さんの主張全文を、パクスルーナwebsiteから引用させていただきます。

https://paxluna.net/?p=28851 より全文引用)

『リリスの名称の「誤り」について。Astro.comに掲載されている翻訳記事(英語)と原文(ドイツ語)の表記の揺れについて等』

先日講座の受講生様から、リリスの名称についてご質問をいただきました。もしかすると誤解されている方も多いのではないかと思いましたので、こちらに説明を転載しておきたいと思います。

頂いたご質問:

もう1つは今回の講座ではなくリリス講座についてです。アストロ.comを見ていた時に、たまたまリリスについて記載してあるページを見つけたのですが、そこに出ていた画像では、ともえさんの動画に出ていた画像のダークムーンと同じような位置に「Black Moon」という表示がありました。

https://www.astro.com/astrology/in_lilith_e.htm(こちらのURLの「天文のリリス」部分の横長・黒背景の画像です)

説明が英語なのでよくわからないのですが、このアストロ.comの画像で
「Black Moon」と書いてあるものは、講座での「ダークムーンリリス」
と同じものなのでしょうか?

A.
はい、こちらのAstro.comに掲載されているBlack Moonは、
私の講座での「ダークムーンリリス」と同じです。

繰り返しになりますが、リリスは3つ(人によっては恒星アルゴルも入れて4つ)ありますが、

(1)小惑星リリス
(2)月の遠地点としてのリリス
(3)仮想のポイントとしてのリリス

この3つの名称は、海外の文献でもごっちゃになっています。。。

(2)は、一般にBlack Moonと呼ぶことが多いですが、
人によってはDark Moonと呼んでいたり。
(3)も、Black Moonと呼ばれたり、Dark Moonと呼ばれたりします・・・。

私の講座では便宜上、
(2)をブラックムーンリリス
(3)をダークムーンリリス
と呼び分けています。

Astro.comのホロスコープ出力では、
(3)仮想のポイントとしてのリリス はWaltemuth(ヴァルテムート)という、ドイツ人の発見者(提唱者)の名前で表示されています。

また、余談ですが、ご覧になっている英語版の
https://www.astro.com/astrology/in_lilith_e.htmは翻訳で、
https://www.astro.com/astrology/in_lilith_g.htmがおおもとのドイツ語版です。

まったく同じ記事ですが、英語版だと、Dark MoonとBlack Moonと表記が揺れていますが、ドイツ語版は一貫して(1)~(3)に出てくるリリスをすべてSchwarzer Mond(英語のBlack Moon)と表現しています。
Astro.comは経営陣がスイスのドイツ語圏の人たちで、原文がドイツ語という記事も多いので、英語にしたときにこういう翻訳表記の揺れが生じたのかなと推察しています。

なお、(3)仮想のポイントとしてのリリスについては唯一単著が出ていますが、古い資料なので、この単著で扱っているエフェメリスがどれだけ正確なのか私は疑問視しています。
私のリリス講座でもさらっとしか触れていませんが、(3)については、エフェメリスの正確性が?なので、あまり深読みする価値はないかなと思っています。

リリスの名称については、様々な文献を渉猟した結果以上のように日本語では別名で表現しています。
そして、リリスについては海外の占星術師の間でも表現が分かれているということをご了解いただければ幸いです。

2023年9月18日時点の<https://paxluna.net/?p=28851>の文章を全文引用

 この太字にしてある部分も、高橋さんの引用そのままです。

 この文章は、きちんと文章を読める人には疑問しか湧かないかと思います。全く筋が通っていないからです。

 ひとまず彼女が何を主張しているのか、私が分かりやすく整理します。

矛盾し過ぎて困る主張

 誤情報と矛盾が多くて困るのですが(めちゃくちゃ面倒くさい!)1個ずつ丁寧に解説します。

 まず、高橋さんは、astro.comのリリス解説記事の「ブラックムーンリリス」を、自分の講座では「ダークムーンリリス」として解説していると書かれています。

 記事後半にて、以下のように高橋さんは分類しています。

私の講座では便宜上、
(2)をブラックムーンリリス
(3)をダークムーンリリス
と呼び分けています。

リリスの名称の「誤り」について。 / パクスルーナblog

 この(2)と(3)は、以下を指しているようです。

(1)小惑星リリス
(2)月の遠地点としてのリリス(ブラックムーンリリス)
(3)仮想のポイントとしてのリリス(ダークムーンリリス)

リリスの名称の「誤り」について。 / パクスルーナblog 

 ()内に加筆しましたが、(2)がブラックムーンで、(3)がダークムーンです。

 高橋さんは「仮想のポイントとしてのリリス」と表現していますが、これは私がリリス完全解説1で解説した「ウォルテマスの月」のことです。

 高橋さん自身も、それが「ウォルテマスの月」だとパクスルーナblogに書いてます。

占星術の3つのリリス~内なる野生(性)を成長させると平和が訪れる / パクスルーナblog

 これ最後まで読めば理解できるように文章を書いていますが、高橋さんの主張に基けば…..

(2)月の遠地点としてのリリス(ブラックムーンリリス)
(3)仮想のポイントとしてのリリス(ダークムーンリリス)

 この2つが全く同じものになってしまいます。これを高橋さんは理解していません。

 そしてさらにややこしい話を説明しなくてはならないのですが、高橋さんは上のblogでウォルテマス(Waltemath)のことをヴァルダーマト(Waldermath)と記載しています。

 wikipediaでは彼の名は「Geoge Waltemath」となっています。

 同ページに掲載されているドイツ語で書かれた「第二の月を発見した」ことを伝えるポスターにも、「Dr. Geoge Waltemath」と書かれています。

Dr. Geoge Waltemath

 私は最も広く使われる名称を採用しますので、正式な発音は知りませんが「Waltemath(ウォルテマス)」と書いています。高橋さんの言う「Waldermath(ヴァルダーマト)」が正式名称なのか私は知りませんが、同一人物です。

 ちなみに高橋さんの中で昔は「Waldermath(ヴァルダーマト)」だったのが、最新記事では「Waltemuth(ヴァルテムート)」に変わってます。

引用元
最も広く認識されている名(スペル)はWaltemath
高橋ともえ氏によれば、WaldermathまたはWaltemuth
何か理由やこだわりがあるのでしょうか?
謎です。

 ちなみに彼は第2の月を発見したと主張したのであって、ダークムーンリリスの提唱者じゃないです。提唱者は占星術師セファリアル。

引用元
ウォルテマス(ヴァルターマト)はリリスを発見したのではなく
地球の第2の衛星を発見したと主張しました。

 とりあえず、全て同一人物であることをお伝えしておきます。まあこれもどうでもいいことですから、話をリリスの理論に戻しまして…

 ここから重要です。

 高橋さんの文章を読んでいくと、彼女の主張は以下画像のような結論となります。月の楕円軌道の第2焦点がダークムーンリリス(=ウォルテマスの月)だと。

 私のリリス完全解説1を読んでくださっている方にはお分かりのことかと思いますが、これは誤りです。

【ウォルテマスの月の情報】
第2の月
地球からの距離:1,030,000 km
公転周期: 119日
第3の月
地球からの距離:427,250km

※月と地球の距離:384,400 km 公転周期:27日7時間43.193分

Georg Waltemath(wikipedia)

 ウォルテマスの月は、特に最初に発表した「第2の月」は月よりも遥か遠い場所にありますから、赤丸の位置には存在できません。そもそもウォルテマスは自身の発見した第2の月を「月の軌道の第2焦点に発見した」などとは言ってませんからね。

 その誤りを指摘した文章を私は書いたのですが、指摘内容への具体的返答はなく、元々のご自身の主張のゴリ押しに出たようです(笑)

astro.comのドイツ語版と英語版

 次なる誤情報を紐解いていきます。以下は高橋さん自身が太字にして掲載しているので、高橋さんの主張の肝なのでしょう。

 まったく同じ記事ですが、英語版だと、Dark MoonとBlack Moonと表記が揺れていますが、ドイツ語版は一貫して(1)~(3)に出てくるリリスをすべてSchwarzer Mond(英語のBlack Moon)と表現しています。
Astro.comは経営陣がスイスのドイツ語圏の人たちで、原文がドイツ語という記事も多いので、英語にしたときにこういう翻訳表記の揺れが生じたのかなと推察しています。

リリスの名称の「誤り」について。 / パクスルーナblog

 まず該当記事のドイツ語版と日本語版のリンクを以下に貼っておきます。

【asto.comリリス解説】
ドイツ語版
英語版

 高橋さんは「原文はドイツ語版だ」と仰ってます。

 そして「原文では一貫して(1)~(3)に出てくるリリスをすべてSchwarzer Mond(英語のBlack Moon)と表現している」と仰るのですね。

 再掲しますが、高橋さんの言う(1)~(3)に出てくるリリスって、高橋さんのblogを参照にすると、これのことです。再掲します。

(1)小惑星リリス
(2)月の遠地点としてのリリス(ブラックムーンリリス)
(3)仮想のポイントとしてのリリス(ウォルテマスの月)

リリスの名称の「誤り」について。 / パクスルーナblog 

 嘘をついているのか、本当に文章が読めていないのか気になるところですが、astro.comが解説しているのは(2)のみです。

 astro.comの該当記事は一貫して、「(2)月の遠地点としてのブラックムーンリリス」についてのみ解説しています。「(1)小惑星リリス」と、「(3)ウォルテマスの月」についての解説は一切含まれていません。

 昨今、deepLやgoogle翻訳で英語もドイツ語も分からなくてもだいたいの意味程度は読めますから、確認したらすぐ分かります。astro.comは、小惑星リリスもウォルテマスの月も解説してません。

 簡単に図説しておきましょう。astro.comが解説しているのは「月の遠地点」のみです。

 一方で高橋さんは下図のような主張をされています。繰り返しますがこれは間違いです。

 どうしてこんな間違いをしてしまったのか?

 それは「リリス完全解説4」で書いたように、日本で唯一のリリス専門書「古代占星術リリス―太古の記憶の封印を解く / 霜月マイア 著」を読んで、それが正しいと思い込んでしまったのではないかと、予想してます。

 話を高橋さんの主張に戻しまして、「原文では一貫して(1)~(3)に出てくるリリスをすべてSchwarzer Mond(英語のBlack Moon)と表現している」という一文の前半は「(2)以外出てこねーよ」ということで誤情報を紐解きました。

 文後半の「ドイツ語原典では全てブラックムーンリリスで統一されてるんだぞ」と言う話は、当たり前ですね。それはブラックムーンリリスについてのみ解説している記事なんだもの(笑)。

 高橋さんは月の軌道の第2焦点をウォルテマスの月と勘違いしてしまい、その勘違いをもとに高額リリス講座を販売中です。「間違えてました。すみません。」で済む話を、無理やり正当化しようとしたのが、高橋さんの私に対するリアクション記事です。

 この無理やり正当化は、高橋さんの中では次の論点に根拠を持っているようですので、さらに紐解いていきましょう。

海外ではブラックとダークがごっちゃになっている?

 高橋さん曰く、ブラックムーンとダークムーンの使い分けは、「海外でもごっちゃになっている」とのことなんですね。

 まず「海外でも」とか、高橋さんはしきりに「私は海外から情報を得ている」ことをセールスポイントとして語られるのですが….

 (日本特有っぽい現象かなと思いますが)どこの分野にもいるんですね。「外国語マウント」みたいな人が。

 しかし高橋さんは、外国語情報よりも霜月マイア氏の著書を鵜呑みにしてしまったことから、問題が発生しているはずです。彼女も「外国語マウント」な人で、高橋さんと同じくAFA(American Federation of Astrologers、アメリカ占星学者協会)会員をアピールしている人なんですが…

 本の内容は非常に質が低いという話は、前回解説した通りです。

 話を戻しまして、ブラックムーンとダークムーンの名称が、astro.comさえ誤訳したように、ごっちゃになっている面は確かにあります。1996年の松村潔著の「占星術のシクミがわかる本 」でも、ブラックムーンリリスのことを「ダーク・ムーン」と書いていたりします。

占星術のシクミがわかる本 / 松村潔 著

 ただし、ウォルテマスの月のことを書いているのではなく、あくまで月の遠地点(または第2焦点)のことを、ダークムーンと書いただけ。

 ダーク(暗い)とブラック(黒い)はほとんど似た意味ですからね。そして「占星術のシクミがわかる本 」は27年前に発行されたものです。

 高橋さんは、認識そのものがごっちゃになってます。月の遠地点を示す場所を、ウォルテマスの月だと考えているのですから。

 2023年現在、認識そのものをごっちゃにしている情報は、パクスルーナが発信している以外には、検索をかけても特に見つけられません。占星術を趣味ではなく仕事にしている方のwebsiteで、高橋ともえさん以外に月の軌道の第2焦点をウォルテマスの月だと主張する方は、一例も見かけたことがありません。

 名前をどう呼ぶかは別にしても、何がブラックムーンで、何がダークムーンなのかは、おおよその専門的なサイトは認識しているようです。

 ということで、上の記事の矛盾をだいたい説明し終えましたが、最後に1つ残る致命的な間違いを、記事の一番最後に解説することにします。

高橋さんのXポストに反論

 高橋さんは、ツイッター(X)でも私に向けたエアリプしてるんで、まあこれも返しておきましょう。

 暗に「君の人格に問題あり」と告げられてるんですけど(笑)

 まあ学術的論議ができない人はすぐに人格を否定するというお決まりのパターンですが、私の人格を問題視する理由は、芸能人(広末?)の星を読んだり、存命の方(広末とか松村潔とか辛酸なめ子とか?)の星を読むのに私が配慮をしていないから、ということですね。おそらくは。

 まず「今生きているのか死んでるのか」で配慮の必要の有無が出ると仰ることには多大な疑問が湧きます。当人の死後も、リーディングには配慮が必要です。

 ま、それは置いておいて。

 私は著名人のホロスコープ分析を書く際に、なるべく当人に関わる資料を読み、当人が生み出した作品に触れたりして、なるべく失礼のないように、良いところを伝えるように配慮しているつもりなんですけどね。

『広末』1999年のエッセイ本

 こんな昔の資料も購入したりね。辛酸なめ子の著作も、今まで全く読んだことがなかったのですが、図書館で大量に借りてきていくらか読みました。

 「著名人のホロスコープがあっているかどうか」については、私より厳密に調べている、確認する努力をしている人を、私は見たことがないです。

 すでにこの記事で「偽造」についても触れてますし、出生図の妥当性を確認する方法を解説してますし、その後のジョン・レノン、オノ・ヨーコ、ポール・マッカートニーなどを例として私の仮説の正しさを証明してます。

 高橋さんは「偽造をしているという話も聞きます」と、またもや「話を聞いた」だけで終わってるんですね。これを一般的に「思考停止」と言います。

 私は実際に偽造があったことが明確になっているチェ・ゲバラ、偽造が疑われるフィデル・カストロ、偽造とまで言わずとも昔はよくあった「出生届と本当に生まれた日が違う例」を持つ人物(映画監督のウディ・アレンなど)を例として、偽の誕生日と、本当の誕生日の双方で「どちらが妥当性が高いか」などを分析済みです(いずれ公開します)。

 まあそれはいいとして。

 他人の人格攻撃をするほどの高橋さんは、どうやって著名人のリーディングを公開してるのかと調べて出てきたのがコレ。

  私は10代の頃ビョークの1stから4thまでかなり聴き込んで、渋谷まで高速バス乗ってライブも観に行ったくらいで。その後はあまり追っておらずファンではないのですが、ビョークのことは割と知ってるほうです。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』は公開当時に観てます。

 今となっては当然、出生図も調べてます。

ビョーク
生年月日:1965年11月21日(太陽:蠍|月:蠍)
出生時刻:午前8時10分
出生場所:アイスランド レイキャヴィーク
出生時間の情報元:出生病院(信頼度AA)

 昔は「太陽、月、ASCが蠍座」までの情報しかなく、「およそ 7 時 45 分から遅くても 8 時 05 分の間」と推測されるデータが流布されていました。しかし近年、彼女をクライアントに持つ占星術師が彼女自身に出生病院へ問い合わせることを頼み、病院からは「午前8時10分」という記録が伝えられたことが明らかになっています。

 ですから、出生情報は信頼出来ます。以下出生図です。

bjorkの出生図
Bjorkの太陽は実度数蠍座28度台サビアンシンボルは蠍座29度
出典:astro.com

 あれ、えーと。
 おかしいですねぇ。

 高橋さんはビョークの太陽はサビアンシンボルで蠍座の30度だとおっしゃってますが、違います。ビョークの太陽はサビアンで蠍座29度です。

 ちなみに太陽の度数は大体の出生時刻が判明していれば分かりますから、正しい出生時刻が公表される何年も前からずっとインターネット上で明かされていることです。

 ネット検索で10秒で分かることすら調べずに、堂々と他人の間違った情報を公表。

 「(蠍座30度が)ビョークが主演したダンサー・イン・ザ・ダークっぽい」とか言っちゃってますけど、あり得ないわけです。彼女は太陽にも、その他惑星にも、アングルにも、5種の出生図全てに蠍座30度を持ちませんから。

 もちろん、ビョークの事実と蠍座30度は合致しません。蠍座30度を全く理解していないから、「それっぽい」と適当な言葉が出てきてしまう。

 さらに調べて驚くことに。

 高橋さんってのリリス解説記事に、ご自身の出生図を掲載されてるんですが……

リリスのホロスコープ・占星術の意味は?無料で分かる調べ方や記号・マークについて / パクスルーナ

 あなた、アセンダントのサビアンシンボルが蠍座30度じゃないですか(笑)さらにあなたの太陽と月(水瓶座)のルーラーの天王星まで。

 蠍座30度が自分のアセンダントの度数なのに、さらに太陽と月のルーラーまで蠍座30度なのに、蠍座29度のビョークを見て「30度っぽい」と言う……..

 ってプロ占星術師としては、ちょっとマズいのかなと思うんですよね。リーディングのセンスや能力は置いておいても、きちんと調べないことや、疑問を持たない初歩的なところで。

 そしてビョーク本人にも、占星術に対しても不誠実な態度かと思いますね。

 これでご自身を謙虚だと言うならば、私とは謙虚の定義が全く違うっぽいですね。

 もしかして、自分のアセンダント蠍座30度も「エフェメリス(天文暦)も複雑だし計算方法もあれこれなので、蠍座30度か定かではない」とか言うのですかねぇ。。。

 私からお伝えしたいのは、自身を謙虚と言うならせめて30秒ググって有名人の太陽の度数くらいは正しい情報を知らせてくださいよってとこですかね。

 ※度数を1度間違えていることを指摘して、「具体的な1度違いの影響」を示さないのではただの揚げ足取りジジイみたいになってしまうので、次回の記事で「蠍座29度と30度の違いの重要性」を解説したいと思います。

ビョークの表現力とダークムーンリリス

 さて、ちょっと口の悪いことを言えば極悪人認定される時代ですから(笑)、最後にちゃんとまともな、ためになるリリスの話をして終わりましょう。

 まずはビョークの出生図を確認。

 ビョークのブラックムーンリリスの実度数はMeanで水瓶15度17分、Trueで水瓶23度55分にありますが、軸に対して最もタイトなアスペクトを持つのはダークムーンリリスです。

 最も強力なのはドラゴンヘッドとのトラインで、誤差0度27分。誤差が0度30分以下のアスペクトは、かなり強い影響を持ちます。同じ誤差でドラゴンテイルにはセクスタイル。

 次点の影響は、アセンダントはDMリリスと誤差1度以内でセミスクエア(45度)。45度は円の8分割ですから、8ハウスや蠍座のように影響すると考えましょう。ビョークのASCは、DMリリスからじっくりと力を溜め込みます。

 3番目はDMリリスと火星のスクエアで、誤差1度09分。

 ドラゴンヘッド、ASC、火星は全て対外的に強く打ち出されるものです。ビョークの表現や作品には、明らかにダークムーンリリスが影響していると言えるでしょう。

 さて次は、ビョークにダークムーンがどのように影響しているのか検証します。その前にDMリリスの象意をおさらい。

 これまでウォルテマスの月(ダークムーンリリス)と月の遠地点(ブラックムーンリリス)の違いを明らかにするべく研究し、成果の一部を実例で発表してきました。

【リリス完全解説1】西洋占星術の2つのリリス〜象意と起源

 DMリリスの方がより「陰」なのだと解説しました。「陽」とは日の当たる場所、つまり現実世界です。

 「陰」はその逆、だからDMリリスは「目に見えないものへの意識が非常に強い」と解説し、それを「仕事」にする人の実例として松村潔、辛酸なめ子、サン=テグジュペリを提示しました。

【リリス完全解説2】ダークムーンリリスが導く『目に見えない世界』

 ダークムーンリリスは虚実の「虚」の性質が強いのです。その意味から、俳優やアイドルにも適性があることもリリス完全解説3&で綴ってきました。

広末涼子:月とDMリリスの合
マリリン・モンロー:水星とDMリリスのオポジション(軸形成で誤差わずか0度01分)
後藤真希:MCとDMリリスがトランスチャートで合

 今回、新たなダークムーンリリスの象意をお伝えします。
 それは「ファンタジー」です。

 言葉の意味としては「空想 / 幻想」

 文学や映画の一分野としての定義は、「超自然的、幻想的、空想的な事象を、プロットの主要な要素、あるいは主題や設定に用いるフィクション作品」

 ダークムーンリリスは、ファンタジーに多大な才能をもたらします。

 bjorkのミュージックビデオを見れば、その影響は一目瞭然です。2011年から2022年までのアルバム4枚から1曲ずつご紹介しますので、ぜひご覧ください。

『フォソーラ』 - Fossora 2022年

『ユートピア』 - Utopia 2017年

『ヴァルニキュラ』 - Vulnicura 2015年

 『バイオフィリア』 - Biophilia 2011年

  もはやミュージックビデオの領域を超えて映画となっていますが、どこを切り取っても「どこからその発想出てくるんすか?」と驚くばかり。

 この非凡な幻想的発想の根拠を、5チャート・リーディングでさらに発見することができます。

 ビョークはトランスチャートで水星(魚11)とDMリリス(乙女11)のオポジションです。さらにMeanリリスがその双方にスクエアで、より影響力を強めています。

 「頭の中一体どうなってんの?」の源泉、ここにあり。もちろん占星術を多少勉強したら誰でも分かるとおり、ビョークのASCは海王星と合なので豊かなイマジネーション力を持ちますし、MCルーラーの水星には天王星と冥王星がスクエアなので、非凡な思考力を与えます。

 しかし、それだけであのファンタスティック(空想的)な表現力、思考力は生まれません。最も陰な月であるダークムーンリリスの影響があってのこと。

 最も陰とは、最も奥底にあり、光の当たらない現実とは遠い場所にあるということ。現実と遮断された内面からの想像力や表現衝動をリリスが担います。

 彼女が2度目の映画主演にしてカンヌ国際映画祭主演女優賞を獲得した『ダンサー・イン・ザ・ダーク』も、ビョーク演じるセルマの頭の中では厳しい現実を生き抜くための「空想ミュージカル」が展開されるというストーリー。

 「ファンタジー(空想 / 幻想)」に相応しい出生図を持つ人物がキャスティングされ、高い評価を得たということ。

 そしてこれまでリリスを解説してきた通りに、ビョークの表現には常に「性」が存在し、近年はフェミニスト的な立場を明確にしつつあります。

 彼女は決してジーンズとTシャツを着ない、と彼女は言う。何故ならそれらは「アメリカ白人の帝国主義のシンボルで、コカ・コーラを飲むようなもの」だから。

ビョーク、フェミニズムを語る / BOOZER FROM MARS

  権力や権威、不平等に対する強い反抗精神を持っています。これがリリスです。

深読みする意味がないと考えるのは、リリスの意味を理解していないから

 文字数的に限度な長さに達したので、今回はそろそろこの辺で。

リリスの名称の「誤り」について。Astro.comに掲載されている翻訳記事(英語)と原文(ドイツ語)の表記の揺れについて等 / パクスルーナ

 この(3)というのはダークムーンリリス(ウォルテマスの月)のことです。エフェメリス(天体暦)の正確性が疑問なので、深読みする価値がないと。

 これまた自分が何を言っているのか把握されていないとしか思えません。

 高橋さんがご自身のリリス講座で教えているダークムーンリリス(ウォルテマスの月)の位置は、月の遠地点(TrueまたはMeanリリス)と天文暦はほぼ同じになります。地球から見て同じ方向にあることになってますから、当然です。

 もちろんウォルテマスの月の位置はそこじゃないので、月の遠地点とは全く異なる天文暦ですけどね。

 もう詰んでいる感じがひしひしと伝わりますが(笑)、この致命的な間違いを除いたとしても、高橋さんには以下の問題が残ります。

  1. 「エフェメリス(天文暦)の正確性が?」で思考停止して、実際に妥当性を自分自身で確かめないこと。

  2. ダークムーンリリスの象意をネガティブなものに(自分で確かめもせず)固定していること。

 これでは「深読みする意味もない」と考えて当然です。読んだって意味がわかりませんから。

 前途のように高橋さんはご自身で出生図をブログにアップされているので読んじゃいますけど、高橋さんはビョークと同じくノード軸にDMリリスのアスペクトを持ってます。

高橋ともえさんはドラゴンヘッドとダークムーンリリスがスクエア(誤差1度14分)
同じ要素を持っているので、気になって発言してしまうわけです。
高橋さんとビョークは軸と軸の重なりもアリ(蠍座30ー牡牛座30)

 それなのに、な〜んでこんなにもダークムーンリリスについて勘違いをした挙句、本当のことを知っても否定的になっちゃうのかなぁと。

 高橋さんのブログに掲載されている出生図をつなぎ合わせて読んでみたらナルホドと思わされる配置が。

 土星とダークムーンリリスほとんど誤差無しの150度アスペクト(インコンジャンクト)がありました。

 150度は、4エレメント、3クオリティ、2ジェンダーの全てが異なるサインを結ぶアスペクトです。つまりすぐには噛み合わない。馴染めない。

 牡羊座を起点としたら、150度先は乙女座です。乙女座のように、真面目な訓練としつけを要求されるアスペクトだと考えても良いでしょう。ただでさえ否定感情を生む土星にしつけられるのが高橋さんのダークムーンリリス。だからこそ、最初はつまづくのかもしれません。

 木星も誤差0度29分で同じく150度ですから、その意味では真面目に訓練していたつもりがウッカリ楽観的になり過ぎて勘違いを起こしたとも言えそうですが(笑)

リリスの名称の「誤り」について。Astro.comに掲載されている翻訳記事(英語)と原文(ドイツ語)の表記の揺れについて等 / パクスルーナ

 名前の表現が分かれているかもしれませんが、今現在認識そのものを間違えているのは、ネット検索してもプロ(占星術で高額鑑定をする人の意)の中では高橋さんくらいしか見当たらないです(笑)
 大方の人達が月の遠地点だけを読んでいて、ウォルテマスの月をマジメに読む人はほぼいません。それが現状で、月の遠地点とウォルテマスの月を(繰り返しますが認識そのものを)混同してごっちゃにしているプロはいないと思います。

 外国語に弱い日本人相手だからこそ通用する誤情報を流すのはやめていただきたいなと願います。もしあなたが占星術を利用して生きているのではなく、占星術のために生きているのであれば、簡単に正せることかと思います。

 月の遠地点とウォルテマスの月は、エフェメリスの妥当性以前に、そもそもが全く異なるものです。全く異なるものですから、象意も異なる部分が出てきます。それを突き止めるのが誠実な研究者の態度です。

 同じくサビアンシンボルが1度異なるだけで、個人にもたらされる気質と運命が驚くほど異なります。これは次回記事で解説しましょう。


高橋さんの鑑定を受けられた方も、ぜひ私の倍額返金保証付きセッションへどうぞ(笑)
次元の異なる情報をお渡しします。





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