初めてnote
僕がちっちゃい頃
大きなお兄ちゃんがいつも僕と遊んでくれた
かけっこしたり、おもちゃで遊んだり
お兄ちゃんは僕のことが大好きみたいで僕のために色々作ってくれた
だってすごいんだよ
僕のためにベッドも作ってくれたんだもの
体に合わないなと思ったらもう少し大きなベッドにしてくれたりね
そんなお兄ちゃんが家を離れることになった
僕はすぐに帰ってくるもんだと思ってたから寂しいなんて思わなかった…最初はね
でも全然帰ってこないからだんだん怒れてきちゃって…
だから久しぶりにお兄ちゃんの顔を見たときに僕はお兄ちゃんのことが嫌いになってた
もうかけっこもしないし、おもちゃ遊びもしたくなくなってた
近寄ってほしくなんてない
それでいいと思ってた
僕ね
ある日病気になったんだ
恐ろしい病気
だんだん動くことも嫌になっちゃって、いつも寝てなきゃいけなくなった
もうそろそろ目も開けられないよって時に、お兄ちゃんがやってきた
お兄ちゃんは優しい手で僕の頭を撫でてくれた
そしたらなんだか安心したんだ
その手で触られるのが嫌になってたはずなのに…
お兄ちゃんは泣きながら僕のことを撫でてくれた
「ごめんね」って呟きながら
僕は思い出してた、ちっちゃい頃のこと
そうだ、僕は雨降りの中で震えてたんだ
お兄ちゃんが僕を見つけてくれた
僕が一生懸命伸ばした手を、お兄ちゃんが繋いでくれた
僕が触れた初めての手。