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障害のある人の役を誰が演じるか
今見ているドラマの中で、聴覚障害者という設定の登場人物がいる。
前のクールでもあった。
また、これまでも聴覚障害者や視覚障害者の設定という登場人物が出演することは時々あった。
で、ほとんどの場合、それを健常者の有名な俳優が演じている。
そして、それをうまく演じきった人は大体賞賛される。
このことをこれまで何とも思ってこなかった。
で、これも私が毎週見続けているのだが、Eテレの「バリバラ」という番組で最近何度か特集されている企画がある。
「俳優になれるのは心身ともに健康な人?」というタイトルにあるとおり、障害があると本当に俳優になれないのか、というもの。
その企画では、障害のある人がそのままで俳優になることはできないのか、という視点で企画が進んでいく。
それを見ていると、演技力という部分では、障害の有無というのはあまり関係がないように思う。
でも、通常のドラマで障害者の役を、実際にその障害がある人が演じるというのはほとんど見たことがない。
そもそも日本の有名な俳優に、見た目ではっきりと障害のある人というのはいない。
最近、障害者の役を健常者が演じることについて、ちょっと一瞬立ち止まってしまうようになった。
当然、障害のある人が、誰にも分からないように健常者のようにふるまうことは困難だろう。
なので、役の幅がどうしても限られてしまうことにはなる。
でも、実際にその障害のある人の役なら、間違いなくリアルに演じられることになる。
そのメリットがあるのに、結局は知名度が優先される。
先に書いたように、演技力に障害の有無は関係がない。
才能の部分があることは事実だが、それは障害の有無に関係がないはずだし、演技力というのは、やはり経験を積んで積み上げていくものだ。
でも、経験という意味では圧倒的に障害者が不利になっている現状がある。
見ている側からも、障害のある人が出てくるとドラマに集中できなくなる、という声もあるようだ。
でも、それは社会に一定程度存在する障害者が、社会に出られる環境が整っておらず、目にする機会がないことも理由にある。
ここまでちょっともやもやするような、そのことに気付かせるようなことばかり書いた。
ただ、近いうちに障害のある人の中でも、売れ始める俳優が出てくるのではないかという希望が何となくある。
こうしたことがテレビで特集されるということは、どこかにそういう動きが既に生まれているということだ。
去年のパラリンピックでは、障害のある人がレポーターとして活躍していた。
多少、しゃべり方が健常者のようにはいっていなかったが、それでも全体の進行には何の問題もなかったし、取材能力という点では、より優れていたようにも思う。
だから、俳優の分野でも可能なはずだ。
きっと、地上波のドラマや映画で、障害のある俳優が活躍するのを見る日も遠くない。
世の中には障害のある人が理由もなく現場にいない分野はまだまだいくらでもある。
新たな分野への進出がいろんな業界にも広がっていけばいい。