日本選手とは?
ヤクルトスワローズの村上選手が今季55本目のホームランを打って、かつてのホームラン王、王貞治さんの記録に並んだ。
かつてはそれがプロ野球記録だったが、その後、これもヤクルトのバレンティンという外国人選手がシーズン60本を打って記録は破られた。
だから、55本を通過点のはずではあるが、新しい言葉がニュースで飛び交った。
「日本選手」
日本人選手ではなく日本選手だ。
ものすごく引っかかった。
気になったので少し調べると、王さんは中華民国籍なのだそうだ。
では、外国人扱いかというとそういうわけでもなく、現役当時も日本人と同じ扱いでプレーしていたはずだし、多くの人が日本人あるいは日本に帰化した選手だと思っていたのではなかろうか。
私自身もそうだし、日本を代表する選手として、プロ野球の歴史に刻まれてきたはずだ。
当時はあまり国際試合も少ないので、国籍を意識することもなかっただろう。
王さんは日本のプロ野球の歴史の中でも一、二を争う名選手。
でも、国籍は日本ではなかった。
ということで、その偉業を讃える意味で「日本選手」という言葉が使われたのだろう。
でも、このホームラン数ではかつてひどい対応が行われたこともあった。
その王さんの記録に並んだ近鉄時代のローズ。
並んでから、王さんが監督を務めるダイエーと対戦した。
監督の指示ではないが、ダイエーは露骨に勝負を避けたようだ。
そのほかにも、バースやカブレラも55本に並ぶか肥えようとした時に勝負を避けられたこともあった。
それだけ聖域にされてきたものだ。
「日本選手」という言葉からそんなことも思い出した。
村上は今のペースならプロ野球記録60本のバレンティンも超えられそう。
それはそれで素晴らしいことだ。
55本が聖域でなくなる時代がついに来たかと喜んでいる。
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