オレンジの花言葉
208年23日、二代目リンヌエルの結婚式です。
二代目の結婚、それは家を出て独立するということです。嬉しさと寂しさと物悲しさ。
初代の結婚式当日、こんな風に誰かと食卓を囲むことはありませんでした。これまでリンヌエルは、母が父と築いてきたものを受け取るだけ。
今日からは、リンヌエルが一つ一つを築いていくのです。
朝食が終わると、母がお出かけしないかと誘ってくれました。まさか母からこんな風に誘われるなんて……涙を堪えながら幻の魚を釣り上げるリンヌエル。
こうしてお出かけするのも、最後でしょう。
緊張を見越してか、昨日と今日はたくさんの人が話しかけてくれました。
父の弟アシュリーさんは、わざわざ結婚式にも参列してくれました。
さあ、待ちに待った結婚式です。
二人とも、片親がいません。でも、見守ってくれる肉親がいたからこそ、今日の佳き日を迎えることができました。
オレンジ色の婚礼衣装は、母レディオーレが用意したものです。いつか子どもたちの結婚式にと、幼いうちから用意してくれたものでした。
オレンジには、いくつか花言葉があります。「実」の花言葉は美しさ、「花」の花言葉は結婚式の祝宴と言われているのです。
今日からは、リンヌエル・カラスコ。
心を奮い立たせるドレスに母の祝福を感じながら、リンヌエルはノーラノーツ家から独立します。
恋人から婚約者、そして夫へ。
二代目リンヌエルの、新生活への幕開けです。