
二年目はオレンジとともに
帰化して一年が過ぎようかという頃、ジェイソン国に新年が訪れました。
いつものように、ダニエルの隣ですやすやと眠るレディオーレ。しかし明らかに昨日とは違う衣装……
オレンジを基調としたお仕着せに、緑の刺繍が美しい三角巾。
そう、レディオーレは昨年の働きを認められ、農場管理官となったのです!
イムの置き土産に悩まされながら、来る日も来る日もキノコや野草を摘んだかいがあったというもの。
しかもこの農場管理会は、世話役、副代表、代表という役職があり、働きに応じて昇任が見込めてしまうのだとか!
しかしその反面、成績が下位であればリストラもあり得る業績至上主義の世界でもあります。
いまだ国民服のダニエルを横目に、ノーラノーツ家は私が盛り立ててみせるわ!と俄然やる気なレディオーレ。毎日ラダの世話に明け暮れます。
「ハーブを摘みにいかない?」
そう問いかけるダニエルを若干疎ましく思いながら、忙しいからと断る日々。寂しそうにする旦那を見ながら、しかし昇任に燃えるレディオーレには、その姿が目に入りませんでした。
そうして迎えた、193年11日。
時折すれ違う国民の肩にくっついていた天使が、とうとうレディオーレにも!
朝からソワソワ、ドキドキですが、やっぱり稼ぎたいのは仕事ポイント。朝食もそこそこに自宅を飛び出し、農地で野菜を収穫してからすぐさまラダ小屋へ。
あっという間に夕方となり、夜一刻を今か今かと待ち構えます。
そして……
痛みにのたうち回るレディオーレ。手を握るダニエルに涙……
レディオーレから受け継いだ赤髪に、ダニエルの綺麗な青色の瞳とエキゾチックな肌色を受け継いだ待望の第一子は、男の子でした。
嬉しさに満面の笑みを浮かべる二人。
奏女のアドバイスを胸に、新米母さんと父さんは頑張ります!