ウイスキーを女性に喩えるシリーズ #10(ブルイックラディ)
『女性は外見ではわからないものだ。』
服装は、ときに個性をまぎらわせてしまう。
派手なファッションの人の性格は派手かというと案外そうでもなかったり、大人しくみえる人が実は大胆だったり、外見というのはなかなか厄介なものである。
彼女の場合もそうだ。
モダンに洗練された外見は、かえって本人の内面をわかりづらくしている。
それは一種のカモフラージュの役目を果たすので、ギャップという高度な戦略をとっているとも取れるが、男どものリテラシーや想像力が足りなければ、それも逆効果になってしまう。
外見だけで寄ってくるような単純な男には、彼女の魅力はわからないだろう。
しかし、内面を大事にしようとする紳士には、あまり刺さらないファッションであるようにもおもえる。
非常に絶妙な、針の穴を潜り抜けるような選抜試験を経て、自分のすべてをまるごと理解しようとするひとを待っている。
しかしやはり、そういうひとにはなかなか巡り逢えない。
そしてなんだかんだで彼女が付き合う男性は、いわゆる「新規」ではなく、昔から彼女のことを知っている「古巣の顔馴染み」だったりするのだ。
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恋とファッションのジレンマ。
ブルイックラディ(ザ・クラシック・ラディ)。