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夏の忘れ形見、キング牛丼編
夏の忘れ形見シリーズ第二回にして最終回。
これは夏休み中のやり残しを回収する事が目的だが、それは「忘れ形見」の本来の意味とは少し違うみたいで「忘れないように残しておく物」が正しい使い方のようだ。
別にそんな大事な思い出じゃないけど、勘違いでこんなタイトルになってしまった。
一人焼肉やキング牛丼食べた事忘れたく無いとか、やることなくなった「君の名は」かよ。
最近なんだか食が細くなっている気がする。中学生の頃は毎日二人前以上のパスタを茹で散らかして貪っていたものだが、今はスシローで10皿くらい食べれば我満足と言う程には落ち着いている。
それでも、何となくだけどやってみたい事がある。
すき家のキング牛丼、食べてみてぇ~
というわけで食べてきた。
この週が明ければもう大学なので、新しいズボンと下着をユニクロで買った後、徒歩ですき家に向かった。
時刻は14時位、入店して早々麦茶を持ってきた店員に物腰柔らかく「キング牛丼ありますか」と尋ね、存在を認識した後、注文。
「15分程掛かります」とか言われても全然気にしない、わざわざ私の為に作ってくれるのだから30分放置でもいい。
そして明らかに15分より前に来た。
仕事の速さと企業努力を感じる。
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しっかり味の染みた牛肉は、バラ肉にも関わらず最早肉塊だった。肉の山に気を取られがちだが、肉と米の比率もちょうど良く、しっかりと計算されているんだなと感じた。
食べても食べても牛丼(自由律俳句)
最初の一口は確かに今まで食べてきた牛丼の中で一番おいしかったのに、中盤になると味に飽きてきて卵を頼んだ。
そして後半、僕の目の前に置かれた丼に残っているのは最早牛丼ではなく、肉の味がしたガムと美味しいお米だけだった。
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完食まで20分くらいだった。
1人だし、モリモリ食べれた。
いやー美味しかった。一生分の牛丼食べた気がする。
でもなんか、滅茶苦茶喪失感に襲われた。
キング牛丼なんて「キング牛丼食べました!!」とか「キング牛丼を食べるボッチ大学生www」みたいな、snsで消費されて初めて表面化する勲章のような物なんだと、一人でカウンター席でキング牛丼を食べて、今こうしてnoteを書いてるとそう思う。
正直腹がパツパツになるだけだし
途中で飽きるし
一人だから店員の目が怖いし
価値なんて「美味しい」と「たくさん食べれたね」以上も以下も無かった。
僕は何が得られたんだろ、ふと僕のインスタを見る。大学の先輩とか、同級生のストーリーが流れてくる。
旅行してたり、友達の誕生日祝ってたり…
Q:僕はどうだ?
A:一人でいっぱい牛丼を胃に詰めてました。
こんなんで対等に並べるかよ。
悔しいから自分のストーリーにキング牛丼食べた報告を投稿した。
これでリア充共のストーリーの欄に脂臭ぇ思い出を残すことに成功させたわ。フン、あまり調子に乗るなよお前ら(地団駄ふみふみ)
僕はこれからもずっと何にもなれないと思うけど、そんな人生にキング牛丼を食べきった功績を確かに残すことができた。
ざまぁみろよ、血糖値爆上がりで夕寝しちゃってこんな時間まで起きてる僕からは以上です。