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休暇には、旅行に行け
いま大学は冬休みである。閑散としたキャンパスを歩いて、図書館に行き、フロアーにひとりかふたりしかいない閲覧室で論文をかいたりしている。
冬休みになる直前の一週間、5人ぐらいのひとに「日本に帰るのか?」と聞かれた。帰る予定はないといえば、決まって「なぜか」と聞かれる。なんとなく帰らないだけで、明確な理由はない。なぜかときかれるたびに、適当な理由をでっちあげて納得してもらっている。
冬休みに入って最初の一週間は、「旅行に行かないのか。台中とか台南とか」と3人ぐらいの人に聞かれた。行く予定はないといえば、決まって「なぜか」と聞かれる。なんとなくなので、「行けたらいいんだけどなあ」と濁す。
なぜか。再び自分に問う。
せっかく長期休暇なのだから、旅行にでもいって新しい知見でも広げたらいいじゃないか、というのは理解できるし、もっともである。
たぶん、だからこそ、旅って日常から非日常に出る手段で、わくわくとか新鮮さとかを感じるから楽しいはずだ。
しかし留学中の私にとって、ちょっと昼ご飯を食べに新しい店に入るだけで非日常である。漢字が並んだメニューを見て、なるべく自分の想像と合致したものが来るようにひやひやしながら、注文し、店員さんに中国語が伝わらないと、メニューを指さしたりして。
思ったより量が多かったり、想像外のものが提供されたりもする。
だからわざわざ台北からでて新しいものを探しにいかなくても、すでに非日常がすぐそばにある。旅行に行きたい欲はいまは少ない。
冬休み真っただ中で、同級生は国へ帰るか、地元に帰るか、旅行に出ている。
誰もいないキャンパスや図書館も、私にとっては非日常である。