21-22シーズン 第3節群馬戦振り返り ~小さなことからコツコツと~

はじめに

第3節のシーホース三河の相手は今シーズンよりB1リーグに戦いの場を移した群馬クレインサンダーズ。
B2で圧倒的だった強さを誇った勢いそのままに、開幕節は宇都宮に2連勝も、昨シーズンのレギュラーシーズンでは負け無しだったホームで千葉に2連敗。
何としてもホームでの勝利をと意気込む群馬でしたが、三河はいずれの試合も2点差で降す結果に。

三河からすれば3連勝となり、勢いを持って次節に臨めるでしょう。

1Q:走りに走った群馬。ただ、三河も置いていかれていた訳ではなく

前日の雪辱に燃える群馬は出足からシュートタッチが好調…という事ではなくスリーポイントのタッチはそこまで良くなかった。

それなのになぜ33得点を許したかと言えばツーポイントの精度の高さ。

11/14(78.5%)という数字は単純に考えればスリーポイントシュートを52.3%の決定率で決めているのと同義である。

これが群馬にとっての33点という得点の原動力であると同時に、三河にしてみれば対策する点が明確になったとも言えた。
ツーポイントの成功率は、1Qの78.5%から54.5%→33.33%→37.5%と前半と後半で比べると成功率が全く違う事がわかると思う。
かといって、スリーポイントシュートも試合を通して23.3%と苦しく、合計96点という数字にしては、シュートが入らない戦いとなっていった。
三河もからすれば、33失点を許した一方で22得点を挙げ、10点差をキープしたまま1Qは終了。

2Q:追いつきかけるも、群馬にもまだ力は残っていて

1Q終了間際にガードナーを投入し、追撃態勢を整えた三河に対し、群馬はセカンドユニットの出番。
元気の有り余るガードナーを止める事は難しく、開始3分で2点差まで迫るも、この時点では群馬にはまだ突き放す力は残っていた。
前半終了間際の山崎のスリーが突き刺さり、7点ビハインドでハーフタイムへ。

3Q:休息を挟んだ群馬はやはり手強く

20分のハーフタイムは修正というよりも、リカバリーの要素が大きかったか。
前半だけで17分もの時間をコート上に立っていたジョーンズ選手を休ませられたことにより、再び馬の攻勢は苛烈なものに。
強く押される攻撃を押し返すために、三河のディフェンスも強固になったが、逆に強く行き過ぎた弊害か、ファウルが嵩み7本のフリースローを与える事に。
シュート成功率の低さをフリースローで補った群馬がリードを11点にし最終4Qへと突入した。

4Q:小さなことからコツコツと

山崎のスリーポイントシュートが決まり、16点のビハインドに。

残り8分で16点ビハインドという事は、単純に1分で2点差を詰めないと間に合わない中で欲しいのはスリーポイントシュートなのだが、このQで0/4と当たりが来なかった。

去年までは、こういう展開は金丸、川村、ウィティングトンのスプラッシュトリオによる2点取られても3点取り返すという攻撃力にモノを言わせる戦い方をしていたが、今シーズンはそれが出来ない。

となると出来るのは、相手の攻撃を止めて2点ずつ返すという道しかなく、事実その道を歩み勝利を手にしたのは選手にとっても、首脳陣にとっても大きな勝利でしょう。


実際、シュートの効率自体は悪かった部分もあったが、このQだけで9つのオフェンスリバウンドを奪い、ミスとなるターンオーバーは0と相手に無駄に攻撃権を与えなかったのは追う立場からすれば大事なことでしょう。群馬にオフェンスリバウンドは2つしか許してないしね。

さて、追いつかれた群馬はというと、ジョーンズをほとんど休ませることなくコートに立たせ、先行逃げ切りを図ったものの、追いつかれてから突き放す力はもう残ってはおらず、惜しくも敗戦という結果に。

試合展開は群馬の好むところだったが

GAME1のPaceは86.0。GAME2は81.9とスピーディーな試合展開に。
20-21シーズンの話だが、Paceが80を超えた試合で三河が勝利したケースは6戦中0回。
逆に群馬のPaceが80を超えた試合の勝率は26勝1敗。と驚異的な数字。
Paceが80を超えた試合が27試合と半数近くある時点で、どちらのチームが速い展開を好んでいるかで言えば間違いなく群馬。
それでも、三河は2試合ともに勝利を収める事が出来たのは、速い試合にも対応できるチームというのを示している様に思う。

採点

2試合共にりたいんだけども、やはり手間がかかったりするので2試合目だけの採点です。

柏木:5.5
細谷欠場の中、3番手PGとして活躍。
3Pは大きかったが、ディフェンスでは穴にも。

細谷:-
出場無し。GAME1は良かった。

コリンズワース:6.5
ディフェンスではジョーンズを止め、4スティールを記録。
フィニッシャーとしての働きも素晴らしかった。

長野:6.0
強気なインサイドアタックは相変わらず◎
スリーを含むアウトサイドシュートの精度を向上させて欲しい。

ユトフ:5.5
前日はPlayer of the Game相当の活躍も、この日はやや精彩を欠いた。

根來:-
出場無し。

角野:5.5
OTのプルアップジャンパーは印象的だったが、やや空回りしていたか。
それでも2スティールが示すように、ディフェンスでは切替が出来ていた。

西田:6.5
ディフェンスでは、代わりジョーンズにマッチアップするシーンも。
外国籍のウイングプレイヤーにも当たり負けしない身体の強さは素晴らしい。
一時逆転となるレイアップや、速攻からダンクを決めるなど、ゴール下での強さを発揮。今季ここまで、ペイントエリアからのシュート成功率が74.1%というのは驚くしかない。アテンプトが1本2本という話ではなく、4.5本のアテンプトがあってこの数字である。
欲を言えばアウトサイドシュートの向上を。
4Qの逆転レイアップで試合が終わっていた場合、Player of the Gameもあったか。

橋本:-
出場無し。

シェーファー:6.5
この試合のPlayer of the Game
劣勢の1Qはシュートミスなしの11得点でチームを牽引、試合を通じてFG8/11(72.7%)とシュートがよく決まった。(イージーなゴール下を落としてたけど、それはご愛敬)
10リバウンド2スティール3ブロックとディフェンスでも存在感を発揮。
チーム最長の39:47のプレイタイムはベンチからの信頼の証。

ガードナー:6.5
ベンチからの出場ながらチームハイの21得点。
前半温存したおかげか、最後までオフェンスの勢いは止まらず。

首脳陣:6.0
序盤は先行される戦いとなったが、チームには浮足立った空気は無く。
1、3Qの大量失点は頂けないが、おおよそプラン通りの試合展開だったか。

審判:5.0
群馬ボールを三河ボールにするシーンは論外。群馬サイドに「あれのお陰で三河が勝った」と言われたら、こちらは何も言い返せない。

群馬について

スタメンの破壊力はリーグ屈指でしょう。
ここまでの平均スコアとして1Q23得点を示すように、最大値は素晴らしい。ただ、全体で見た時、2Qで停滞し、3Qで再び点を取り返し、4Qで力尽きるという感じ。
この戦い方が続くようなら、勝ち筋は前半で勝負を決めるしかなく、苦しい戦いが続きそう。
また、シュートの被成功率は20-21シーズンからそこまで変わっていないが、他の要素であるターンオーバーからの失点が12.2→21.8。セカンドチャンスからの失点が10.6→14.7。速攻からの失点が10.8→14.2と軒並み悪化している事が懸念点か。
従来の昇格チームよりは力はあるが、それでも課題となる部分は昇格チームならではという項目。
力のある選手は多く、B1のレベルに慣れた選手は多いので、この課題がクリアされれば安定した成績を残せるでしょう。

2日続けて最後のシュートを託され、外した後の項垂れる姿を見せたジョーンズは紛れもなく群馬のエースだと感じさせてくれました。

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