信州ブレイブウォリアーズ 22-23シーズン ここまでの通信簿
はじめに
Bリーグでは9試合を終え、天皇杯や代表に関するアレコレで所謂バイウイークに突入しました。
信州ブレイブウォリアーズのここまでの勝敗は4勝5敗。昨シーズンの9試合終了時の勝敗は5勝4敗と似たような成績ですが、今年はGAME1の勝率が低かったり、勝てる試合を落としているような状況です。
また、大黒柱のマーシャル選手が大怪我を負い、事実上のシーズンアウトとなってしまった様に厳しい戦いが予想されるシーズンの船出となってしまいました。
オフェンス面批評
ここまでの信州の平均得点は69.4点と、これはリーグでも下から3番目という悲惨な数字が飛び込んできます。
2PTの成功率は51.6%とリーグでも12位と真ん中あたりですが、悲惨なのは3PT成功率の27.4%。これはリーグでも最下位の数字で、ハッキリ言ってこの数字が得点力不足の原因と言っていいかもしれません。
信州は試合展開を出来るだけ遅くさせ、シュートチャンスをじっくり作るチームです。だからこそ、シュート1本1本を大事にしなければなりませんし、確率良く決めねばなりません。
リーグ戦9試合で、目安となる得点期待値で見た時に1点を超える確率=34%以上でスリーポイントシュートを決めた試合は3試合ありその試合はいずれも勝利しています。
また、天皇杯2試合でも信州のスリーは40%を大きく超えるなど好調で、共に勝利を上げました。
つまり、スリーの確率を最低でも34%を超えてくると勝利に近づき、逆に決める事ができなければこれからも苦しい試合が続きます。
以上を踏まえ、期待したい選手は2名。
サイモン選手とマシュー選手です。
天皇杯の数字も含めてですが、サイモン選手は7/12で58.3%、マシュー選手は8/17で47.1%の確率でスリーを決めています。
勿論、今シーズンの確率が低調な岡田選手であったり、既存選手が確率を上げるのは勿論ですが、戦力の底上げという意味ではサイモン選手とマシュー選手がコンスタントに試合に出続ける必要があります。
サイモン選手であれば、ディフェンスのルールを覚える。
マシュー選手であれば、無駄なファウルをしない。
特にマシュー選手はマーシャル選手の負傷という中で、攻守に奮闘し天皇杯での2戦ではMVP級の活躍を見せてくれました。
彼の働きが信州の勝敗を左右すると言っても過言ではないかもしれません。
また、マーシャル選手が抜けた事により、ペイントエリアからの得点力も課題になると思います。
リーグ戦7試合を終え、チームとしてペイントエリアから試投したシュートの数は255本。その内、およそ1/4を占める63本をマーシャル選手が放っていました。
日本人選手がより積極的にアタックするのは勿論ですが、やはりホーキンソン選手にここは期待したい所です。
現時点での彼のペイントエリアでの確率は48.6%と決して高くありません。というか外国籍選手でこの数字はハッキリ言うと低いです。
この辺りの数字が60%程度まで伸びてこないと厳しい戦いになると思います。
ディフェンス面批評
失点数はリーグで1番少なく、ディフェンスレーティングで見ても1位を示す通りここまでは文句の付け所はありません。
ただし、これもマーシャル選手がいたからという但し書きを付けねばなりません。
幸い、天皇杯の2戦ではディフェンスの強度は落ちている様には感じませんでした。
ただ、この2試合では重量級ビックマンと対戦しなかったからこそとも言えます。三河のガードナー選手。富山のスミス選手の様な重量級ビックマンを擁するチームにどう戦うのかが課題でしょう。
各選手の通信簿
熊谷:6.0
序盤はベンチからの出場が多かったが、やはり先発でこそ輝く。
ペイントエリアからのシュート成功率も高く、スリーポイントシュートがもう少し(現時点で26.7%。天皇杯では2/2で100%)入ってくると満足なんだけど高望みしすぎか。
栗原:5.5
スリーポイント成功率33.3%は得点期待値としては及第点だが、シューターとしてみると物足りないところもある。
ただ、マーシャル選手不在の天皇杯ではリバウンド数が10を数えるなどチームの苦境を救った。
また、天皇杯ではペイントエリアからの得点力不足も理解している様で3/4、2/4とペイントエリアからのシュートは効果的に決めていた。
マシュー:5.5
シーズン序盤はコンディション不良による出遅れもありプレイタイムは余り確保できていなかったが、仙台戦での活躍で吹っ切れたか?
仙台戦で3本連続失敗の後、3本連続成功からここまで、スリーポイントシュートを8/12と決めており覚醒モードに入った。
アジリティのある外国籍には苦戦する一方、力で押し込む外国籍にはフィジカルで対抗できるようになったのは確かな成長。
前田:6.5
天皇杯2戦目ではチームハイの14得点を記録している様に、チームの得点リーダーになる試合もしばしば。
天皇杯2試合を含み、ペイントエリアからの確率は56.4%、スリーポイントシュートの確率が34.2%といずれも得点期待値では1を超える安定した成功率を叩き出している。
また、フリースロー成功率も90%とシーズン前に自信が語っていた目標をクリアしている。
ホーキンソン:5.0
スコア面では昨シーズンよりすべての項目でシュート成功率に落としてしまっている。
天皇杯では2試合で5/9でスリーポイントシュートを決めていたが、シーズンでは31.4%とキャリアワーストの数字となっている。
同様にペイントエリアからの成功率も天皇杯では7/14と50%で決めていたが、シーズンでは48.6%とこちらもキャリアワーストの数字となってしまっている。
ウェインが居る居ない関係なく、このポジションの選手では60%を最低限の目安として欲しい。
サイモン:5.5
シーズン中はまとまったプレイタイムは確保できなかったが、チームの緊急事態でプレイタイムを貰うと武器のスリーポイントシュートでチームを救った。
強いチームの条件はサブも強いというが、彼はスリーという唯一無二の武器を既に持っているので後はディフェンスが最低限出来れ更にプレイタイムは貰えると思う。
大丈夫。あの岡田でもディフェンスは1年足らずで向上した。
三ツ井:5.5
前述のサイモン選手と同じように、ディフェンスという唯一無二の武器で今シーズンも安定した活躍を見せている。
試投数こそ少ないが、ここまで4/8と高確率でスリーを決めているのも好印象。
欲を言えばもっと試投数を増やして欲しいが、どちらかと言えばチームとして打たせる環境を作らないと打てないよなとおもったり。
生原:5.0
シーズン序盤はスターターで出場し、ジョーンズ選手やコブス選手といった外国籍選手にもディフェンスで奮闘した。
オフェンス面はペイントエリアからのシュート成功率は16.7%、スリーは21.4%と低調。ミドルシュートは42.9%と高いがやはり信州はペイントとスリーの成功率が大事なので改善して欲しい。
ただ、先ずは怪我を治すのが先決で、彼が戻ってくれるかどうかがバイウイーク明けの戦い方が変わってくると思う。
マーシャル:6.5
文字通り大黒柱としてペイントエリアのシュートでは頼りになっていた。というより、頼り切っていたという方が正確か。
年齢を考えても、今シーズン中の復帰は難しく、来シーズンに照準を合わせた方が良いと思われる。
とにかく、来シーズン彼が戻ってくることを祈ります。
マクヘンリー:7.0
盟友ともいうべきマーシャル選手が離脱してからの天皇杯2戦では鬼気迫るものを感じた。
特にFE名古屋戦では、前の試合で首を痛めたにも関わらず「怪我をしているのと、ただ痛いだけは違う」とコメントをし勝利に導いた。
スタッツこそ残せていないが、その立ち振る舞いで信州は戦えた2戦だった。
岡田:6.5
スリーが低調(16.7%)と言われているが、実はミドルシュートも低調でここまで12本試投して1本も決まっていない事からロングシュート全般で不調に陥っている。
ただ、ペイントエリアからの得点効率では実はチーム1の数字ではある。
ペイントエリアで合わせのプレイが多い訳ではなく、独力でこじ開けるシーンが多い中で、73.1%という数字は驚異的の一言。
さいごに
マーシャル選手がシーズンアウトという事で、新規外国籍を獲得するのか、謎の練習生と本契約を結ぶのか、或いはこのままの陣容で進めるのか。その辺りも注目しながら、バイウイークが明けるのを待ちましょう。