創作クラスタ、推し香水を作る。4
お疲れ様です、鯖井テトラポットです。
紆余曲折あり、都心の方まで出る機会がありましたので友人引き連れてかの有名なFINCAさんにお邪魔して参りました。
前回のレポから味を占めてしまったのか、推し香水という未踏の文化がコロナ禍での心の癒しになりつつあり、私が他の人の推し香水レポを読むのも大好きなのもあって推し香水への躊躇いがなくなってきました。
私の狂いが誰かのエンターテイメントになればそれでいいんだ…
というわけで、新宿にあるPILE UP香水のFINCAさんレポです!
どういう経緯?
実は前々から行ってみたいとずっと願い、レポを読み続けていたFINCAさん。複数の香水を順番に重ね付けするPILE UPという手法で自分の中のイメージを具現化してくださいます。
版権や実在のキャラクターは名称を出してはいけないとのことですが、今回は「存在しない話」だったので資料等を見せながら進めました。
最近、「存在しない話」をあたかも存在するように外堀を埋める、という狂った遊びにうつつを抜かしておりまして…
友人と互いににキャラクター化し、そのキャラクターをもとに
「存在しないHP」の「存在しない設定資料」を書いたり
「存在しない声優」の「存在しないキャストコメント」を書いたり
それはもう好き勝手遊んでいます。溝辺辰彦。
この「存在しない作品」、私と友人たちの「ない覇権」「ない旬ジャンル」…こうなったら、やはり推し香水も匂わせてみたくなるものです。
既製品じゃない香水はDanceさんで自分イメージのものを制作した去年の記憶が最後でしたので、PILE UPへの憧れと最近仕事を頑張っている自分へのご褒美としていざ「ない話」の香水を作りに予約&GO!
実地にて
ピザ屋さんの目の前に位置する比較的こじんまりとしたお店でした。今考えると対面で推し香水作るの初めてじゃない!?(Danceさんのカウンセリングはオンラインで受肉していたため)
香水の甘い匂いが漂う中、受付を済ませカウンターへGO。コロナ禍なので、マスクをしたまま鼻だけ出して嗅ぐこと、コーヒーでリセットすること、創作は写真出してOKなこと…など説明を色々受けまして、友人と横並びでオーダー開始!
オーダー編
優しそうなお姉様が担当についてくださいました。今回オーダーするのは先程も提示した「ない話」のキャラクター。
描いてきたオーダーシートを見せながら、横の友人にキャラメイクしてもらった事、自分達モチーフで作っている存在しない話で〜…ということを喋る。オーダーシートの写真撮り損ねたなあ…
ちなみに、横の友人も存在しない話の存在しない彼女モチーフのキャラを作っていました。困った時はお互い助け合う約束。
我々、職業柄自分のキャラクターについて説明しなきゃいけない事がすごく多いのですがお互いそれが大の不得手。今回はそんな自分のキャラクターのことを説明する、という大きなチャレンジを持って挑んでおります。
小さい資料を頑張って読んでくれるお姉さん。すみません、印刷してこなくて…
ここから怒涛の質問ターン。
「お煙草吸うんですね、あ、灰だから…?」
「そうですね、灰を操るので燃え滓とかを使います」
「クールなキャラですかね?」「ですね」
「この黙ってればイケメン、というのは…」
「黙ってればイケメンなんです…口を開いたり素を出すとちょっと気持ち悪い、気色悪いって言われがちなキャラクターというか…ダメンズで…キショい立ち回りです」
「服は普段からキッチリカッチリですか?」
「そうです!」
インタビューの中で「黙ってればいいのに」という言葉を何回も何回も言ってしまった。
私モチーフのキャラクターで、隣の友人にデザインしてもらいましたーという作製に至るまでの話をする。
「手段を選ばないって書いてますね」
「そう…ですね、隣の友人のキャラは正々堂々としてるんですけど、私のキャラクターはそういうのじゃないというか…あの、気管に灰を詰めたり…とか…」
「あ〜」
まさか生きてて気管に灰を詰める、で納得されることになるとは。
3本頂く。うろ覚えだけど、一本目が割と柔らかめな匂い、2本目がムスクの効いた個性的な匂い、3本目がパンチ強めタバコキツめの匂いだったと思う。その時に思ったのが…
私また癖強いキャラの香水作ってしまった…!!!!!!
前科のことを思い出し、同じ轍は踏むまいとおろおろする私。しかしながら、多分私が作るキャラクターは香水に癖があるんだと思う。
癖の強いキャラの香水を作ると癖の強い香水が届き、結局普段使いできないというループを断ち切るために来たのではなかったのか。推し香水レビュアー、それでいいのか。
「苦手な匂いとかあります?」「キッツイペッパーの使い方がわからなくて…あんまり得意ではないですね…」(修羅丸を思い出す)
「二面性…ヤンデレ、って書いてありますね」
「そうですね、慕ってる好きな人の前だと素が出てしまうような…」
「これが好きな人の前って事ですかね?全然違いますね!」
「そうですね〜」
恥ずかしい〜!!!!!!!!!!!!
途中でわからなくなり、お互いの香水を嗅ぎ合う我々。
「癖強!」「知っとるわい!」
「スゲー「オトコ」の匂いする、これコートとかからするんだろうな〜?イメージ香水だったらこっちだけど本人から香ってくるのはこれな感じする」
友人のキャラが、可憐で強い女の子の匂いがしてびっくりした。いい匂いだ。
純粋武闘派勝気女子だったので、「カワイイ中にキッチリトゲがあるやつ」がありました。適宜お互いにアドバイスをする。
推し香水レポ定番質問が来てテンションが上がる。
「闇はありますか?」
「闇!!えーと…設定だと、過去はかなり暗いので…闇はあるんですが、我が強いし外れてるところがあるので、「いじめられてることに気づかない」タイプなのかなあと…」
「でも、そんな芯の強さというか自分の好きを曲げないところが私はすごくすきです」
芯の強さ、好き、という部分に線が引かれる。
悩みながら、友人から賜った大好きイラストを提示する。お姉さんがすごいですね〜!とリアクションしてくれた。嬉しい。
何パターンか出してもらううちに、タバコの匂い「ガラムショックマイルド」が固定ベースになり始める。ここに何を掛け合わせるかでずっと時間を使う。イマジシャンとシャイガイがうろうろ。
コーヒーリセット、嗅ぐ、お外に出て嗅ぐ、相談、を繰り返しながら何度も悩む我々。お店の中がデフォルトで甘いらしいので、お外に出るとまた匂いが違う。友人と何度も嗅ぐ。
「気持ち悪く…なりますか…?あのあの、妖艶な感じ?というか、危ない感じというか…」
ここでバニラが3番目で登場。しかしピンと来ず、また嗅ぎ比べてオロオロ。
「みなさんどうされてるんですかね?普段使いとキャラとのバランス」
「皆さんやはり悩まれる方多くて…甘いの苦手だけど、彼は甘いですよね〜!と言いながら甘いのを観賞用に選ばれる方もいますし、普段使いを重視して好みと折衷する方も勿論います」
歴戦のオタクたちの顔が浮かんでは消えていく。みんな、迷いながら己の進む道を決めてきたんだ……。
香水を集め始めた、元の目的を思い出す。
そう、気分を変えたい…日々に彩りを…
ならば…これは普段使いだ…!
最後に友人に確認を取る。
「普段使いするならこっち、1人部屋で楽しむならこっち!!!上の方は、実在感がある」との命を受け、決定〜!!
普段使いしやすい、外見の「黙ってればいいのに」感を優先した選択になりました。Bは今思うと黙ってても「ヤバさ」があるな。
デーン!
ちょっとタバコの癖があるメンズ香水って感じに仕上がりました。
すれ違って香ったらすごくかっこいいんだろうなあ……!
キャラクターの癖がスモーキーに香りつつも、普段使いしやすいかっこよさとイケメてる感のある匂いです。「黙ってればいいのに」よろしく、言わなきゃ癖に気付かない感じ、最高。
まとめ
初FINCAさん、とっても楽しかったです!
FINCAさんの推しポイントとしては、話していく中でキャラクターの解釈やイメージがさらに深まったり、いろんな角度のキャラクターを吟味しながら選べるという点が個人的には最強でした。
個人的に、FINCAさんは私のような「癖強キャラクター好き」且つ「普段使いできる香水が欲しい」人にはうってつけなのかなと。話しながら、実際に嗅ぎながら匂いのレベル感や癖の強さを調整していけるので、すごくギリギリを攻めたイメージで制作いただけました。嬉しい〜!
お姉さんのカウンセリング手腕も素敵で、是非また何かの機会に行けたら嬉しいなあ……!
以上、推し香水レポでした。
前回までの推し香水レポはこちら