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デジタルズームの実用性を考える

概要

  • フルHDとL版印刷までなら200万画素で十分

  • デジタルでも2倍ズーム(≒標準画角)までは実用的

  • 標準画角は超便利

こんな感じの内容になっています。
気になる方は本編へどうぞ。

望遠はハイリスク

以前、スマホに搭載されている「望遠レンズ」の実用性を解説した。

しかし残念ながら、望遠レンズは高い。
多くが「ハイエンドの付加価値」って扱いだからだ。
iPhoneだと約15万円から。狂っている。

Androidでも10万を切るのは難しい

ある程度有名な機種だと、あとはXperia10IVくらいしかない。6万円台で比較的安いが、縦長なのがネック。ゆえにどうしても人を選ぶ。

つまり望遠が欲しけりゃお金か、合わないかもしれないスマホを買う度胸が必要。いずれにせよリスクが高いんだ。

じゃあリスク承知買い替えるしかないのかというと、そんなこともない。実は今お使いのスマホでも、ある程度望遠を楽しむことができる。
試しにカメラを開いてピンチインしてみてほしい。
対象がある程度まで拡大されることがわかるだろう。

これは2眼モデルだが、5倍までズームできる

ご存知の通り、これはデジタルズームだ。画像を引き延ばしているだけに過ぎない。望遠レンズを搭載したスマホと比べるとどうしても画質は見劣りしてしまうし、ノイズも目立つ。

しかし倍率と用途次第では、非常に実用的なんだ。
使いこなせば多彩な撮影を楽しめるようになる。

そんなわけで、今回はデジタルズームの実用性を解説していく。

そもそも何万画素必要なのか

デジタルズームの可能性に迫っていく前に、そもそもいくつ画素が必要なのかをハッキリさせときたい。
というのも、デジタルズームは拡大に伴って画素が減ってしまうからだ。

極端な例

いくらズームできても、ドット絵じゃあ使い物にならない。
まずは実用的な画素数のボーダーラインを確認していく。

ディスプレイの場合

まず、ディスプレイで鑑賞する場合を考えてみる。ちなみにスマホカメラで一般的な画素数は1200万画素前後だ。
対してメジャなディスプレイの解像度は以下の通り。

  • 2K:200万画素相当

  • 4K:800万画素相当

  • 8K:3200万画素相当

現状ほとんどのスマホのディスプレイは2K(フルHD)の解像度だ。
つまり200万画素もあれば十分と言うことになる。

パソコンやテレビの場合だと今時4Kも珍しくないが、主流は圧倒的にフルHDだ。

まあ映画館でさえ大体2Kだし、多くの人にとって不満無い画質であることは間違い無い。ディスプレイなら、ボーダーは200万画素ってことになる。

実はスマホと同程度の画素数

紙面の場合

需要が絶滅危惧種だと思うけど、一応紙面での実用性も確認しておく。

詳しい説明は省くが、一般的に手元で楽しむ場合には画素密度の値が350dpi程度必要だと言われている。

上記のサイトは、各用紙サイズで必要な画素数を求められる優れもの。
以下はその一部だ。

見ての通り、スマホカメラだとA4くらいまでは大丈夫そう。
今回は写真用紙としてメジャなサイズであるL版をボーダーとしておく。
必要な画素数はディスプレイの場合とほぼ同じ、200万画素だ。

デジタルズームの実用性

では、必要な画素数がわかったところで本題に入っていこう。

先述の通り、デジタルズームは拡大すればするほど画素が減少する。
もっと詳しく言うと、画素数が「倍率の2乗分の1倍」になるんだ。
具体的には、

  • 2倍で画素数が1/4

  • 3倍で画素数が1/9

  • 4倍で画素数が1/16

ここに、大多数のスマホカメラの画素数が「1200万画素前後」であることを当てはめると

  • 2倍で約300万画素

  • 3倍で約130万画素

  • 4倍で約75万画素

といった具合に減少していく。
つまりデジタルズームの実用的な限界は、2倍程度ってことになる。

2倍ズームは超実用的

え、たった2倍ぽっち?と思われたかもしれないが、これがなかなか侮れない画角なんだ。一般的に標準画角と呼ばれていて、この「標準」ってのは、我々にとって最も馴染み深いレンズを基準としている。

そう、人間の目だ。
つまり、実際見た感じに近い写真が撮れるってのが大きなメリットになる。実例で説明しよう。

1.風景を撮る場合

一般的にスマホのカメラは広角、つまり実際見た感じより「広く」写るレンズが使われている。
雄大な自然なんかを撮る時にはうってつけだが、それゆえ散漫な写真になりやすいという欠点もある。

色々写り込んでゴチャついている。

こんなときに2倍ズームが役に立つ。
「自分が綺麗だと感じた光景」に一番近い画角で切り取れるから、思い通りの写真に近づくんだ。

随分スッキリした

なんか上手く切り取れない…って時は、とりあえず2倍にしてみるのがおすすめ。

2.物を撮る場合

広角レンズにはもう一つ特性がある。
遠近感の強調だ。
つまり、近いものがより大きく、遠いものがより小さく写るってこと。

極端な例

スマホのカメラはここまで極端ではないものの、少なからず強調される。

そして物を撮るときに、この厄介な側面が顔を出すのだ。
例えばスマホをメルカリに出すとき、通常レンズで撮ると

こんな風に縦に長く伸びたような、まるで台形に変形しているかのような印象を受ける写真になってしまう。

「世にも珍しい台形型のスマホ」じゃないことは少し考えたらわかるけど、それにしたって違和感は少ないに越したことはない。

そこで2倍望遠だ。

こんな具合に、違和感の少ない写真に仕上がる。
標準画角だと、遠近感も標準に戻るというわけだ。

もちろん広角の方が優れている場面もある。
例えばその場の雰囲気も写し込みたい時なんかは最適だ。

名古屋名物

適宜使い分けるのがおすすめ。

まとめ

  • フルHDとL版印刷なら、200万画素でOK

  • 二眼スマホでも2倍ズーム(≒標準画角)までは使える

  • 標準画角は超便利

いかがだったろうか。
二眼スマホでも、標準画角程度であれば実用的に使えることがわかった。
ぜひ使ってみてほしい。

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