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J3とJFLの昇降格のレギュレーションを考える

1 Jリーグからの発表

新年早々でなかなか書くネタがないなと思っていたところ、こんなことがJリーグから公式に発表された。

J3クラブとJFLクラブの入替えがついに今年から行われる。
J1,J2,J3のクラブ数が2024年に全て20クラブになることは既に発表されていたので、今年からJ3も昇降格があることは何となくわかってはいたが、公式に発表されたのは今回が初めてだと思う。

さて、その内容を見てみよう。
公式からコピペすると、

■Jリーグ入会の順位要件見直し
・JFLのリーグ戦における最終順位が2位以内であること
※JFL2位以内のクラブがJリーグ入会のためのクラブライセンス交付判定を受けていない場合、3位以下のクラブが繰り上がることは無い
※2022シーズンまでのJリーグ入会の順位要件:
JFLのリーグ戦における最終順位が4位以内であり、かつ、JFLに属する百年構想クラブのうち、上位2クラブに入っていること
■J3クラブ・JFLクラブの入れ替えについて(J3クラブの会員資格喪失(※)およびJFLクラブのJリーグ入会)
(1)理事会においてJリーグ入会承認を得たJFLクラブが1クラブの場合
①当該JFLクラブがJFLのリーグ戦年間順位1位の場合
・J3における年間順位最下位のクラブとJFL1位のクラブが自動入れ替え。
・J3・JFL入れ替え戦は開催しない。
②当該JFLクラブがJFLのリーグ戦年間順位2位の場合
・J3における年間順位最下位のクラブとJFL2位のクラブとの間でJ3・JFL入れ替え戦を実施する。
・入れ替え戦に勝利したJFLクラブはJリーグに入会してJ3クラブとなり、敗戦したJ3クラブは会員資格を喪失する。
(2)理事会においてJリーグ入会承認を得たJFLクラブが2クラブの場合
・J3における年間順位最下位のクラブとJFL1位のクラブが自動入れ替え。
・J3における年間順位19位のクラブとJFL2位のクラブとの間でJ3・JFL入れ替え戦を実施する。入れ替え戦に勝利したJFLクラブはJリーグに入会してJ3クラブとなり、敗戦したJ3クラブは会員資格を喪失する。

Jリーグ公式HPより

簡単に言えば、JFLからJ3に昇格するには、Jリーグのクラブライセンスを受けたうえで、JFLで2位以内に入らなければならない。(これまでは全体の4位以内に入り、クラブライセンスがあるクラブの中で2位以内に入ればよかった。)

そして、クラブライセンスのあるクラブは、JFLで優勝すれば無条件に自動昇格、J3の最下位は自動降格。
2位になれば入替戦ということになる。

2 つまりどういうこと?

J3から見れば、


JFL 1位 ライセンスあり 2位 ライセンスあり
 ↓
J3 20位 降格 19位 JFL2位と入替戦


JFL 1位 ライセンスあり 2位 ライセンスなし
 ↓
J3 20位 降格 19位 J3残留


JFL 1位 ライセンスなし 2位 ライセンスあり
 ↓
J3 20位 JFL2位と入替戦 19位 J3残留


JFL 1位 ライセンスなし 2位 ライセンスなし
 ↓
J3 20位 J3残留 19位 J3残留


また、入替戦はアウェイゴールルールの適用はないとのこと。
これも最近の世界的な流れ。
アウェイゴールを与えまいとホームチームが守備的になるのを避けるためということらしい。

かつての入替戦では?

これは、J3ができる前にJ2とJFLとの間で行われていた昇降格のルールとほぼ同じ。
このルールが適用されたのは、2012年と2013年の2年。
また、その後も2016年までJ2とJ3の入替戦のルールがあった。
振り返ってみよう。


2012年
J2 22位 町田→降格 21位 岐阜→残留(入替戦なし)
JFL 1位 長崎→昇格 2位 長野(ライセンスなし)

2013年
J2 22位 鳥取→入替戦で降格 21位 岐阜(残留)
JFL 1位 長野(ライセンスなし) 2位 讃岐→入替戦で昇格

2014年
J2 22位 富山→降格 21位 讃岐→入替戦で残留
J3 1位 金沢→昇格 2位 長野→入替戦で昇格ならず

2015年
J2 22位 栃木→降格 21位 大分→入替戦で降格
J3 1位 山口→昇格 2位 町田→入替戦で昇格

2016年
J2 22位 北九州→降格 21位 金沢→入替戦で残留
J3 1位 大分→昇格 2位 栃木→入替戦で昇格ならず


入替戦のドラマはいろいろあり過ぎて語り尽くせない。
これを見るとあまりにも今もJ3にいる長野が不憫だ。
ライセンスがなかったためにチャンスを逃した年が2年もある。
J3に入ってからも2位が1回で入替戦で敗れ、ほかにも3位が3回もある。

また、この入替戦の現在のところの最後の試合は富山県総合運動公園陸上競技場で行われた金沢対栃木の試合である。
金沢のスタジアムが工事か何かで使えなかったためだ。
カターレ富山が絡んでいないのに富山が最終開催地になっているのも面白い。

3 JFLの現状はどうか

話を戻す。
今年のルールで行くと、J3では最大2チームがJFLに落ちる可能性がある。
JFLに落ちればJリーグのクラブライセンスが剥奪される。
J3に落ちても興行面で厳しいと言われている中で、JFLにまで行くとどうなるのだろうか。
かつて町田がJ2昇格後にまたJFLに落ちたことがあったが、JFLにいたのは1年だけでその後J3ができ、2015年に再びJ2昇格を決めた。
ただ、その頃はまだJ3の中でもかなり戦力差があったのも事実だ。

さて、現在のJFLはどうだろうか。
2023年、JFLに所属するチームは16チーム。
内訳は、Jリーグ100年構想クラブに認定されているのが青森、三重、ヴェルスパ大分、高知、新宿、沖縄の6チーム、さらに将来的なJリーグ加盟を目指しているのが武蔵野、鈴鹿、しまね、枚方、滋賀、浦安の6チームで、アマチュアクラブはHonda,マルヤス、ホンダロック、ソニー仙台の4チーム。

つまり12チームがJリーグを目指しているという厳しいリーグだ。
さらに、Hondaという超強豪チームがいるし、ソニー仙台も昨年は順位を落としたが、2020年までは上位にいた。

かなり厳しいリーグだといえる。
強くなればいいとはいえ、一度落ちるとJ3にさえなかなか戻ってこれない可能性もかなりありそうだ。
現在の状態では、J3への昇格条件も2位以内と厳しい。
その中で、果たしてやっていけるのだろうか。
一度プロクラブになったところがその後もやっていけるのか、不安は尽きない。
Jリーグのクラブ数を100クラブにするという話もあった。
まだそこに達するまでには時間がかかるが、このままでは60クラブしかJリーグのクラブにならない。

4 JFLに落ちるクラブを増やしていっていいのか

思うのがJ3は東西のカンファレンス制にしてもいいのではないかということ。
カンファレンス内のクラブ数は10〜20にする。
同一カンファレンス内はホーム&アウェイの②試合、他のカンファレンスとの対戦は交流戦として1試合とする。
2024年からJ2への昇格枠が3になるので、東西カンファレンス1位が自動昇格、各カンファレンスの2位同士でプレーオフをして勝った方が昇格とすればいい。

これでJ3のクラブ数の増加にもかなり対応できるのではないか。
これは一つの案なので、もっといい案はいくっらでもあるだろう。
それとも、JリーグはJFLで戦うJリーグクラブを増やしたいのだろうか。
どうしたいのかは分からないが、JFLに落ちるクラブが増えるとやっていけなくなるクラブも増えてくるのではなかろうか、とは思う。

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