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恵みと祝福。

北海道はでっかいどう。

もう飛行機に乗るのが楽しみで楽しみで仕方なかった。やっと来られたのよ北海道。嬉しい。

北海道は高校の修学旅行以来で、あの時は行きも帰りもは機内で頭が痛くなって大変だった。初めての飛行機でそれだったから、もうすっかり飛行機が怖くなってしまって、自分で飛行機に乗ろうとは思えなくなっていた。
大人になってから飛行機に乗るきっかけをくれたのは夫なのだ。ありがたやありがたや。お陰で空港の楽しさも飛行機の楽しさも知ることができた。あとは耳抜きがそれなりにできるようになったのも大きい。大人になりましたね、わたしも。

始発の空港リムジンバスで羽田へ。保安検査を引っかからずに通れるようになってきたことにも自分の成長を感じる。イェイイェイ。
それからちょっと一杯アルコールを摂取していざ搭乗。なんだかんだであっという間の新千歳。エアポート急行は新千歳から乗ればわざわざ指定席取らなくても大丈夫だった。あれは朝早い時間だったからというのもあるとは思う。

20年前の修学旅行では、班分けでひとりあぶれてしまって(仲良くしていたグループが自分含めて5人だったから、4人グループにならないといけなくて次に仲の良い3人グループとわたしがくっついて4人になった、という経緯だったと思う確か。)
班別行動で小樽に行ってガラスを吹いて、予定よりも早く札幌に戻ってきたあとは、ひとりでふらふら北大の敷地内を散歩したなあ……と今回の北海道行きが決まって思い出した。

本当に協調性がなくて申し訳ない。当時の班のみんなは居心地が悪かっただろうなあ。男子も合わせて7人か8人のグループだったはず。みんな息災であれば良い。

で、今回はとりあえず海鮮食べようぜ!と小樽へ。ふらふらと散歩して、運河を写真に撮って、雨宿りも兼ねて昔ながらの定食屋さんで海鮮丼。
後から来たグループが「どうしてこんなに海鮮丼高えの!?」って言ってたけど、それは海鮮だからですよ。ちゃんとカツ丼とか生姜焼きとか定番メニューもあるんだからプライスが気になるならそちらにすればよろしいのでは、と心の中でツッコミながら美味しくいただいた。うまうま。

そしてそのまま北一硝子に行こうと南小樽方面に歩いていたら、店頭でシカのツノを売っているお店にピンと来て。中に入ったら運命的な出会いをしてしまったのですよ。

石が埋め込まれた木の手鏡。ディスプレイされているのがバーンと目に入って、ぐるっと一周回ってまた戻ってきてやっぱり気になって同じ作家さんのペンダントとかの金額にウッとなって(だってペンダントやキーホルダーでこれなら手鏡なんてもっとエクスペンシブだぜ!)でもどうしても気になって。

店員さんが言うにはアイヌの作家さんで、もうお歳を召してきてあとどれくらい作れるだろうか、という感じらしい。水分が抜けて木の収縮を利用して石をはめ込んでいるので、石の固定に接着剤は使っていないそう。そして全てが一点物。
高いところにあった手鏡を手渡してくれて、金額を見てウッとなって、それでもやっぱり気になって。

近くの別店舗にも取り扱いがあるというので見に行かせてもらって、同じ大きさの手鏡はあったけれどやっぱりさっきの子が忘れられない。妥協してコンパクトな鏡を買うのも違う。

やっぱりわたし、あの子が忘れられない。たぶん今日連れて帰らないと後悔する。
というわけでカード切りました。はああ買ってしまった! 買ってしまった!
カードリーダーが通信エラーでPINで認証できなくて、久しぶりに感熱紙に署名をしたのも、なんだか契約というか誓約みたいで良いなと思った。

で、お店を出たら海に大きな虹がかかっていたのですよ。

お会計を待っている間にもなんだか込み上げてくるものがあってうるうるしていたんだけど、泣いたよ。こればっかりは泣いた。傘で顔を隠しながら泣いた。

すごいタイミングじゃない?
この子を悩まずにサクッと買っていたらこうはならないし、別店舗で見たものを買っていたとしてもこんなにタイミングよく虹は出なかった。
カード決済がスムーズに行っていたらこうはならなかった。

恵みの雨と祝福の虹。采配だなあ、と思った。そしてお前頑張れよ、ってことだと。
ちょうど大きな転換点を迎えているからね、もうこれはやるしかない。やるしかないのです。

札幌に戻りながら、使われているパワーストーンを調べてみたら、もう完全にメンタル方面に働きかける石ばっかりで、あと、使われている木はエンジュ。
わー、完璧に魔除けとか自分を守るとかそういう方面のやつだ、と苦笑い。

パッと目に入ってこれ! と思ったのは間違いではなかったのだなあ。いま一番自分に必要なものがきた感じ。参った。これはもう完璧にお守り。少し大きいのだけれど、しばらくの間は持ち歩くことにしよう。ポーチか袋を用意しなくては。

……とまあそんな感じで予定以上に長く小樽に滞在して、札幌に戻ったあとはちょっとやすんだりジンギスカンのジンくんのグッズを大人買いしてみたり、すみれで味噌ラーメン食べたりした一日だった。

本当に、ごくごくたまにこんなふうに全てが采配、って思わずにいられない出会いがあるから、人生は面白いのだろう。生きるのしんどいとか言っていられないな。しんどくならないように生きるためにできることをせねば。この鏡はそのためのお守り。

*使われているのは十勝石(オブシディアン)とオニキス、マラカイト、サードオニキス、ラベンダーアメジスト。そして鏡側にはレッドジャスパー。調べてみるとどの石も見事にお守り系。金運とか全然ないラインナップで笑える。

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