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日々の徳が効く瞬間
どこからか強風に煽られて飛んできた、割れたゴミ箱のフタが、数メートル先を走っていた車に落ちた。
わたしも、近くを歩いていた他の人も、思わず硬直&落ちたフタを凝視。さすがに肝が冷えた。
風がもう少し強かったら? わたしがもう少し前を歩いていたら? フタが落ちた車がハンドル操作を誤ってこちらに突っ込んできたら?
考え出したらキリがない。キリがないけど、想像するとゾッとする。フタが直撃したとして割れたフタの尖った側が自分に刺さったら……とか、本当にキリがないんだけど。とにかく何事もなくて本当によかった。
それまで積んできた善行によって救われる瞬間というのは、間違いなくあると思う。これからも困っているように見える人がいたら声をかけるし、誰かが踏んで転んでしまいそうなゴミを見つけたら拾っていこう。
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困った人がいるときに声をかけたり、電車で席を譲ったりすることが積極的にできるようになったのは妊娠してからなんだな。妊娠前もしてたけど、よりいろんな場面でできるようになった。
以前は基本的にみんな敵!!といった具合で捨て猫と大差ない感じだった。ギザギザハートの子守唄。
それが、自分がたくさん席を譲ってもらったことで、自分が思っていた以上に世界は優しいのだと身を以て知ることができたのが大きいんだろう。
世界は優しいと思っていても、腑に落ちないとダメなんだよな。特にわたしは、心の底から納得できないと認められないタチだから。難儀なやつやで。
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あとこういう場面で明暗を分けるものに運があるけど、うちは実父も義父も本当に運が強い。ちなみに生まれ年は違うものの誕生日が一緒。誕生日って運の強さに関わるのかしらどうなのかしら。
そんな親から生まれたわたしも夫もそれなりに運は良いのだろう。そしてそんな両親から生まれた娘は今日で五歳。おめでとう、可愛い女の子。お父さんとお母さんの宝物。あなたがいてくれて、お父さんもお母さんもとっても幸せです。