BizDevがCEOに向かない理由#44
BizDevのキャリアパスに関するお話です。そもそも僕らのような人種は、経営者として向いているのかどうなのか、というのが今回のテーマです。
まずはBizDevの定義についてはこちらをご覧ください。
Bizdevを雇うなら知っておきたい彼らの存在理由について#31
お読みいただいた前提でお話ししていきます。
なんとなくのイメージ、BizDevは経営者向きじゃないかもな、と思いませんか?
ではなぜそう思うのか。
皆さんのそのふんわりしたイメージの言語化にトライしてみます。きっとこんな感じでしょうか。
なんでもやるイメージだから、きっと性格的にも飽き性で、いろいろ手をつけたくなるタイプがBizdevだと思う。だから経営者には向いてないのかも
こんな感じでしょうか?
半分当たってます!しかし、半分はちょっと違います。それについて説明していきます。
なんでもやるイメージ。正解です。何でも屋の真骨頂がBizdevですから。そして飽き性なのも正解。新しいことが大好きで、ゼロイチが好きで、リリースしてオペレーション負荷がかかるととたんに面倒になる。これ、Bizdevあるあるですよね。
ただし、その人間性を持ってるから経営者に向いてない、ということではありません。半分当たっていないというのは、人間性のみに焦点を当ててるためです。そうではなく、役職そのものに決定的な違いがあるのです。
それは何かというと、ずばり「広げる役目」と「閉じる役目」という、立場上の明確な違いがあります。
CEOは閉じる役目を持つ
Bizdevは、とにかく閉じることをしません。広げるだけです。足りないものを補い、紡いでいくのが仕事です。新しいソリューションを生み出したり、パートナーと提携したり、とにかく事業領域を広げるチャレンジをしたり、成長させていくのが仕事です。
一方、CEOには、Bizdevが唯一持たない意思決定の権利を持っています。それは、撤退です。
今あるリソースを使ってどういう新しい価値を作っていくか、というものにフルコミットして視野を広げるのがBizdevですが、CEOは、視野を広げることだけにフォーカスするわけにはいきません。
経営状態を盤石にするには、P/Lを適正にするには、株主や投資家と同じ目線になって、客観的に事業を評価し、リストラクチャーをしなければいけません。これは経営という観点からすると基本中の基本です。
CEOとBizdevが情報共有し合い、綿密に撤退戦略を一緒に練ればいいじゃないか、という考えも出てくるかと思いますが、僕は反対です。なぜなら、一人で成長と撤退をフルに考えることなんてできませんし、客観視という大切なものがお互いに欠けてしまうからです。
Bizdevは、とにかく企業の成長にフルコミットする。
CEOは撤退という意思決定権限を持ち、常にその視点で評価する。
お互いがそこにフルコミットし、ぶつかりあい、トライアンドエラーを繰り返す。これが健全な形だと僕は思います。
なので、Bizdevのキャリアパスは、残念ながらCEOではありません。しかし、こうも言えます。CEOと対等に渡り歩くことができる成長のエキスパートとも。
そこを極めようとしたら、やはりCBDOになるのではないでしょうか。海外ではCBDOとVPoBDといった役職は増えてきましたし、認知度も上がってきました。いつの日かそれが当たり前になるといいですね。
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