きつねきつねなにみてはねる

苦しい

噛み殺したいと狐は言った

いいよ、どうぞと兎は言った

真っ赤な目から一筋の

瑪瑙がこぼれて月夜に光る

逃げていくのは狐の方

跳ねて転げてのたうちまわり

兎に噛みつく歯を砕き

兎を見つめる目を潰し 

崖から落ちて谷の底

訪れる安堵の静寂

君を思ってももう平気

#あたおか散文

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うのの さあら
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