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「閑話休題 レイコと◯◯」
ナレーション「ここは何も起こらない町夢乃崎町のはずれ黄泉比良坂にあるスナックボンヂュール。レイコママの元にお客様がやってきたようです」
レイコ「あら、いらっしゃあい」
うさぎ「こんにちは、うさぎです」
レイコ「うさぎ!えっ?うさぎ!どこからきたの?」
うさぎ「はい「うさぎ、モルモット、ヤギ、羊、ポニー、夢乃崎町町営!ワクワク動物ランドー♬」(CM曲っぽい節で)からやってきました。」
レイコ「あー!ワクワク動物ランドね!それはそれははるばるお疲れ様です」
うさぎ「水割りください」
レイコ「えっ?えっ?うさぎって水割り飲むの?」
うさぎ「飲まなきゃやってられない夜もあります」
レイコ「そうなのか。いいよ、どうぞゆっくり飲んでって。ワクワク動物ランドかぁー。うちの子供達も連れてったわぁ。」
うさぎ「あー、それはよかった。みなさんが喜んでくださって。私はとても嬉しいですよ。あ、ママ、何か、おつまみあるかな?」
レイコ「今日大したもの用意してないのよねぇ。」
うさぎ「あ、あるものでいいですよ、フンとか」
レイコ「フン?えっ?フンって何?」
うさぎ「や、フンですよ。うんこ。ぼくたちうさぎはね、食糞するんです。うんこ食べるの。」
レイコ「いやいや!そんなものないわよ!甘いもんじゃなんだしねぇ。あとは柿の種くらいしか!」
うさぎ「あ、じゃあー、それで」
レイコ「それでいいの?食べれるの?まぁ、じゃあどうぞ」
うさぎ「みんなが触れる動物達ー♬いいキャッチコピーですよね」
レイコ「うんうん、あそこは派手さは無い分親しみやすくていいわよねぇ」
うさぎ「そうなんですけどねぇ、なんていうか、程度ってものがあるわけですよ。」
レイコ「子供は手加減ないからねぇ」
うさぎ「いえ、それは想定の範囲内です。問題は、、、」
レイコ「問題は?」
うさぎ「飼育員の原田さんです」
レイコ「あぁ、あの金山さんとこのお向かいの原田さん?」
うさぎ「普段の担当は長崎さんだからその時は良いんですよ自然の流れに任せていてくれる。や、子供達の中にはね、動物を怖がって触らない子もいるんです。そのくらいが私達も実はちょうど良い。ところがです!あの原田はです!」
レイコ「原田さん、ね。さん付けてね。」
うさぎ「原田は子供達にこういうんです!ほーらきてごらぁん!こわくないよぉー!うさちゃんだよぉ!」
レイコ「それくらいは良いんじゃないの?」
うさぎ「それがダメなんです!怖がってる子供は命がけでこっちを触ってきますからね!加減が他の子供以上におかしいんです!生きるか死ぬかで触ってくる!つまり、私達を殺しにかかる!」
レイコ「いやいや、それは大げさでしょ」
うさぎ「あなたは知らないんだ!それにね、親の方だっておかしいんだ。動物一生殖本能が高い、隙あらば盛っているような、そう!バニーガールもプレイボーイのマークも僕らのその性欲をモチーフにしている、そんな僕らを!子供に抱かせようなんて!性教育もまともに出来ないくせに破廉恥きわまりないんだ!」
レイコ「落ち着いてうさぎさん」
うさぎ「ママぁ、、、動物園の営業はもう嫌なんですぅううう!」
レイコ「よしよし、気が済んだかい恭ちゃん」
うさぎ、実は恭子「子供を持つ身なれど、動物園営業は時々殺気を覚えてしまいましてな。一杯飲んでかないとやってられないの。」
レイコ「落ち着いたら、ほら、ポンパドールのプリンの残り持ってかえんなさい。あれだったら帰りにウチ寄ってフキ煮たやつ持って帰ってかっちゃんと二人でつまんでよ。」
うさぎ「ありがとう!明日からまたみんなの笑顔の為にがんばるよ!がんばるぴょん!うさぎはピョンなんて鳴かないんだピョン!」
レイコ「お疲れピョン!」
#シナリオ #脚本 #小説 #散文 #夢乃崎町 #下町 #フィクション
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