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三拍待て

劇団を離れて9年目に入る

今までとはまた違う視点で色々見られるようになってきたのであの頃の自分に当てた手紙みたいに色々書いてみようと思う

私がいたお芝居の稽古の場では、どのテンポでどう話してどう動くかと言うのは指定がない限り役者が考えて決めるものだった

でも稀に演出から細かに動きやテンポまで指定されて

俺の言うとおりに動け!このセリフのあと三拍待ってから次に動け!

とか言われる事もあって、しかし、これはもう屈辱的で

お前はどうせ馬鹿だから正解が考え付かないんだろう?黙っていう事聞いとけよ!役者としてなんか期待してないんだよ!

と、言われたような気分になる

半分は当たってるが、半分は全く違う

例え演出の言う通り動いたとしてもなんだか見るに耐えない役者と言うのはいて、その意味での役者の価値は実は十分にあるので「俺の言うとおりに動け」と言うことになる

その、なんで見られる役者と見られない役者が出るのかと言うのは今の私にも詳らかには出来ないのだけど、故蜷川幸雄さんの言葉を借りるなら

それまで自分にどれだけ向かい合ってきたかが透けて見えてしまうからだ

とかっこよく引用しておきたい

あとは、三拍言う通りに待ってみてわかる心情というのがあって、それを体感するには一度言う通りにしてみる必要があったりなどする

その結果三拍待たなくていいと言う結論に落ち着く事もあるが、その三拍を通るか通らないかで何か変わるんだよね

なので

誰かのアイディアの通り動いても、それはどうあってもあなたの表現から離れることはないので時に安心して委ねて見て良い

でもその三拍について常に考えを巡らせておく事です

その三拍がなんなのか三拍待ちながら考えてみる事です

そして出来ればその答えを半拍で見つける獣のような俊敏さを備える事です

そうすれば残りのニ拍半どうしていようが実は全く問題ない

その為には自分と周囲への信頼と喜びを忘れずに、楽しんでやってるんだという事を忘れずに

失敗しても、大丈夫

あなたの魅力はそんなケチな事で消えたりしないから


















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うのの さあら
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