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ススム君帰る
登場人物
橘源三郎(37)風呂屋の主人
橋下進(29)風呂屋従業員
河渕修(11)小学生
ナレーション
「ここは夢乃崎町にある日の出湯。ここのおかみは割烹着姿のよく似合う源三郎君。強くて優しいみんなの人気者。おや?誰か帰ってきたみたいですね」
日の出湯(源三郎宅)居間
ススム「ふぁあ!疲れたなぁ!」
ゲン「お!帰ってきたねぇ!おかえりぃー!」
ススム「…ありがとう」
ゲン「何言ってんの?おかえりー、には、ただいまーでしょ?日本語忘れたの?」
ススム「あぁ、あぁそうだよね、ははは」
オサム「おー!つっかれたぁ!ただいまゲンちゃーん!」
ゲン「おかえりー!!ほらこれよこれ。おかえりーただいまー、ただいまーおかえりー、よ、わかった?どぅーゆーあんだすたん?」
ススム「そうだねぇ。うん、そうだねぇ、ありがとう。」
ゲン「まぁたありがとうなのぉ!?」
ススム「あ、そっか。そうだねぇ」
ゲン「さ!荷物さっさと部屋に置いてご飯食べよぉ〜!さっきポンパドールの継子ちゃんがプリン持ってきてくれたからご飯の後食べよう!」
オサム「おぉお!ポンパドールのプリンー!アツイねぇ!」
ゲン「プリンはアツくない。冷えてます。あとちゃんと野菜食べないと出さないわよ!」
オサム「ぇえー、なんだよぉー」
ススム部屋を見渡して、合掌
ススム「ありがとう」
食卓
ゲン「はぁーい、ご馳走さまでしたー!」
オサム「プリン!プリン!」
ゲン「こら!ご馳走様が先だろ!」
ゲン、オサムの頬をつねる
オサム「いててて!ご馳走さまでした!」
ススム「ご馳走さまでした。ありがとう。」
ゲン「どんだけありがとうDayなの今日はー?ススム君の方こそ疲れたでしょう、帰省。どう?周りのみんなは元気だった?」
ススム「んー。どうかなぁ。とりあえず僕達は荷物をまた少し整理してきたけど。なかなかねぇ。」
ゲン「そっか。おつかれさま。」
オサム勝手に冷蔵庫からプリンを出してきて
オサム「あ!そうだ!今日はくらげピザの番組あるんだ!特番だよっ!急がなきゃっ!」
ゲン「あ!こら!片付け手伝いなさい!」
オサム走って隣の居間へ
ゲン「んもー、今日だけ特別だよー」
ススム「ごめんごめん、僕が手伝うよ」
ゲン「いいよ、ススム君も運転疲れてるでしょ?」
ススム「ゲンちゃんこそ一人で準備や後片付け大変だったろ」
ゲン「あぁ、全然!ってのはちょっと強がりか。でもケーちゃん手伝ってくれたりしてくれたし。」
ススム「ケーちゃんが?」
ゲン「そうそう、あっ!ケーちゃんがね。桜持ってきてくれたから飾ってあるよ。みんなで楽しんでって!」
ススム「そりゃいいねぇ」
ゲンなんとなく後片付けをしてる
ススムなんとなく話し出す
ススム「俺さぁ、嬉しかったんだ。家に着いて、ゲンちゃんがおかえりって言ってくれて」
ゲン「えぇ?おかえりじゃん」
ススム「いや、そうじゃなくてさ。俺にも帰るところが出来たんだって。もう、なんか、どこにも自分がいないような、そんな気持ちで生きてたから。ゲンちゃんにお帰りって言われた途端に、急に居場所が出来たような、そんな気持ちになったんだ」
ゲン「ススム君…」
ススム「それと同時に、僕の帰るところはもう、あそこじゃなくなったんだなって、そんな寂しさも少しあったけど。顔見たらさぁ、ゲンちゃんがゲンちゃんじゃない?なんだかありがたくなっちゃって」
ゲン「ゲンちゃんがゲンちゃんてどういうことよ?でも、まぁ、なんか。よかった。ススム君が帰る家を覚えてくれて!ここがおうちよ?わかった?」
ススム「うん、わかった。」
ゲン「はい!わかったらプリン取ってきて召し上がれ!」
ススム「ありがと」
ゲン「私はプリン食べる前にありがとうでお腹一杯になっちゃいそう」
ゲンも台所にむかう
誰もいなくなった食卓に桜の花びらが一枚吹き込んでくる
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