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うのの さあら
2022年7月2日 00:26
白い雲黒い海外れたカケラを左右に分けて無心に前後に動かせばワルツのリズムで回ります闇堕ちまでの交響曲ずらした隙間から見える鼠の演舞鞄の隅に魔界の木屑としこさん、お呼びですよ徒然の光線なにみて笑う #あたおか散文
煮込んで煮染めて煮凝ってあなたによく似た人間を探す私を揺らして鍋底へ叩き落として下さるような君によく似た人間を探す額から流れる血の温もりで生命のありかを確かにしてくれる貴殿によく似た人間を探す煮えくり返って煮返して煮詰めた奥に飴色の瞳 #あたおか散文
2022年7月2日 00:25
あなたのその空っぽの声嫌いじゃありません彼女はそう言うと黒い長手袋の中から一粒の砂金を取り出した僕が手を差し伸べると砂金は一匹の蛙になって僕の胸に飛びつき食らいついたむちりむちりと蛙は確実に心の臓を食い破っていくのに蛙の唇は冷ややかで柔らかく愉悦的だった #あたおか散文
その海兵隊の服を着た少女は言った父を失い、母を失ったとて時は止まらないしかし、友を失った時ひとつの歯車が止まる昨日私は友をなくしたこれから後私は時代の先へ進む事が出来ない服、言葉、見える景色、人、そのような物が全てこの時代に幽閉されてしまうのだ #あたおか散文
2022年7月2日 00:24
信じるものは救われる信じているのはなんですか?世界を疑って何信じるのですか?ことばことばことば織りなすむつみごとに捉えられてパンを踏んだあなたの足が復活の鐘と共に踊り出す疑っているのはなんですか?僕らは随分と裏切られすぎたんだ声も遠くに蝋梅の散る #あたおか散文
チリチリばらばら尖って光る刺さって流れて元の鞘ワインの澱に私もなりたい父の仁丹母の印鑑いつでもあってどこにも無いピースのパースが狂ったら御心のままに始まりの合図 #あたおか散文
2022年7月2日 00:23
私があなたを忘れてる時でさえ私はあなたを愛してるそんな錘をつけた柱時計が刻む今日をそこはかとなく生きている #あたおか散文
2021年10月8日 23:30
役立たず末尾5番であなたの声を聴くマロンクリームの甘だるさちびりと飲むラムが燻らす煙どうしてを飲み込んで削れていく金属のリボンを眺む蚊帳を釣っても夜は来ない船を漕いでも港は見えない山の向こうでうさぎが跳ねた #あたおか散文
なぜなぜと問う尖った爪先大丈夫だよと応える尾羽全てが繋がっていて一本一本解けてるあの時の小石は見つかりましたか居残り授業に黒曜石の地図ここって潰れる前なんだっけ切り抜いたドレスに縫い付けた鬼灯白玉粉を練る古の記憶葬送の歌はまだ聞こえない #あたおか散文
昔々、あるところに三匹の子豚がいましたお兄さん豚の藁の家の下からは人間の下半身が真ん中子豚の木の家の下からは人間の胴体が末っ子豚のレンガの家の下からは人間の頭部が見つかりました並べてみても一向動く様子はありませんが一緒になってよかったねめでたしめでたし #あたおか散文
いてもよくいなくてもよい人波に見つけ出したる我の子午線 #あたおか散文
ちょっと疲れちゃった赤ずきんちゃんは言いましたお家に帰ろうと思っただけなのに歩いても歩いてもお家が見えなくてそのうち気づいたのお家なんかとっくに無かったってそもそも私にお家なんかなかった私どこに向かってるの?私何してるの?ねぇ、あなた、誰? #あたおか散文
あるあるないないごちゃまぜのカラーボールかまびすしい可視光線の渦不可逆的な時の流れも滴るような迷走した神経が掘り当てた神秘の泉ひきずりこまれたふくらはぎが見た唯一の名を呼ばれないもの虚構という真理 #あたおか散文
沈むべき日の快適な平行線並ばない雁の群れいちごジャムに飲まれていく親指の抵抗感πr²に閉じ込められた蝉時雨針の穴から覗く海溝の遺伝子配列サナトリウムの壁に刻む虚な火照り雨さえ降らないこの街には雨上がりもないおめでとう何も起こらないあなたの安心な日々 #あたおか散文