2020年9月の記事一覧
触れもみでお七の魂残らず焼べる
あなたを想えば身体が震える
喉から手が出る
アディクション
禁忌の扉
ガマの穂の弾ける
奥歯がギリギリ
冷や汗脂汗
自意識が蒸発して上昇
雲になって雨を生み降らす
そうだ
雨になればあなたに会える
半鐘の鐘でハタと気付く
火をくべて燃やす我が身
夏の終わりに取り残された切り取り線
緑と黒を繋いだ異世界の植物
空き瓶の中の銀色の小魚
果てない夢を見続ける一つ目小僧
ペテン師の講釈を真に受ける
すっかり疲れて柳の枝先
見返って裾を引く
ねぇだんさん
いくらあたいが売女だってそんな仕打ちはねぇわいな
きまぐれにちょろまかす夜店の杏飴
コールタールと鮮烈の配線
上から黒で塗りつぶす
浮き上がらない色彩
消える感情
時々金釘で削られて
出血する想い
返して返して
私の滴
膨らんだビニール風船
はないちもんめで残されて
ドッチボールで生き残り
ひとりは手慣れておりまして
ええそうなんです3月の
早咲き桜の下ですよ
よく見えますでしょ
向こうの丘が
高野さん家がよく見えます
いささか帰りたくはありますね
もしも、身体があったなら
ですけども
汗ではりついた下着のまま旅に出る
女々しいと
目々しいと
あんたはそれをお言いかい?
それもまたそうかもしれないね
頸動脈に沿って流れた決意が地面に還って赤い川を作る
それも腰痛のバームクーヘンが下関で降りてくさやを手土産に里帰りでもすりゃ
収まるところに収まるだろうさ