2020年8月の記事一覧
引き倒して恋慕の凄艶
迫りくる悪漢
黒いピンヒールで討ちとめて
今日はこれぎり見栄を切る
またのお越しは要らないよ
やれ散々と思うたら
角の地蔵に謝りな
きっとあんたもわかるから
そうかこの世は狂言と
気づけば哀れも思おうぞ
可愛いお顔が台無しだ
あたいあんたが好きだわよ
ありもしない幻想の救出
期待を着たい
気体のように
軽やかにはおる
奇態な姿
私が演じて見せましょう
それをあなたが望むなら
道化がどうかこの身に合って
あなたを救い出せるなら
変わって変わらない結局元の木阿弥で救った衝動
須く魂という機構の臓腑
ぐるぐるぴったん
カタカタぐにょり
ただ流されていざ進め
お為ごかしの冒険を
予定調和の波乱万丈
いざいざ進め
忘れてるふりで声張り上げて
たのもー!このフラグを打ち倒すものはないかー!
かんなで削った義侠心
むかしこっぷり
デジタル旅情
豪快に振りかぶって投げたさよならは音速の彼方に
脱色しすぎた髪
大手町の階段
ハイライトじゃなくてマルボロ
ネクタイにミートソース
かかとの潰れたスニーカー
今日のアジェンダ
特攻服の真っ赤な薔薇
テレワークでビール
硬派の契り
お前と俺とで夢は彼方に捨てていく
手を取り合って捨てていく
誰かの為に捨てていく
後悔と崩落をさめざめと泣く
もう全部忘れてもいい
寝て起きたら微睡の観世音菩薩
鏡が割れて
河原が燃えて
敗れた剥げた恋と舞台の床
まんまるの月
おわりのはじまり
今でもあの誰もいない時空に
マリアは優しく微笑んでるの
誰も覚えていない窓から
光は差し込んでるの
行き場のないひとりきりの手毬麩
宙ぶらりん
友すればひとりきり
繋いだ手は気づけば溶けてまた一人
じっと手を見る啄木と私
愛していると呟いた波はかき消されてどこへも行かない
淀みが目の前を覆ってら
見えているのに見えない
言っているのに伝わらない
鳴っているのに聞こえない
あぁ千里の道を生かされる
輪廻と回転からはじかれた虫けらの夢
桃 つるり
羽 ふわり
猫 ぎらり
街 ざわり
砂 さらり
海 ざぶり
女 するり
刃 ぬらり
骨 ころり
子 ずしり
金 ざくり
蜜 とろり
人 ほろり