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2024年11月システムトレード結果と12月考察📺🏟️⚾

システムトレードの結果です。使われている基本的な戦略・戦術についてはこちらをご参照ください。 

11月はシストレ以外には裁量トレードなし。裁定の試行錯誤の一環として10月にポジションを持ったキャッシュアンドキャリーはホールド中です。

なお、以下の条件を満たすものはシステムトレード結果に含めています。

  • 複数のモニターを使って人力で値動き等を監視しなくていい

  • 24時間、仕事中でも寝ていても取引(注文、約定、決済)ができる

  • 取引作業=パラメータ準備をしてプログラムを流すだけ

  • 取引作業時間はマーケットチェックも含めて1日平均30分以内(普段は基本10分以内に収めたい)

特に最後の点は「時給」という観点からも重視しています。例えば1日の収益が+60ドルだったとして、ザラ場中ずっと張り付いていれば6時間半で時給換算すると時給10ドル以下。Jollibeeでバイトしていた方がよっぽど稼げますが、シストレで朝出掛ける前に10分使ってシステムを走らせるだけなら60ドル/10分換算で、時給360ドルになります。

シストレ結果:2024年11月損益 +$13,511.41

11月は19.5営業日しかなく、今年最悪のパフォーマンスも覚悟していましたが良い意味で期待を裏切ってくれました。

損益確定日ベースの日別収益グラフ

前半で4000ドル近くほど取れたので、まあこれであとはボウズでもしょうがないかなと思っていたら、15日金曜のクローズ前に大量約定して翌週初に確定しました。

集中して約定しすぎたために20万ドル強レバレッジをかけた状態になってしまいました。ヘッジが効いているので「運用利率>借入利率」である限りはキャッシュがマイナスになっても良いのですが、少しでもマージン金利の支払いを抑えようと口座間の残高を調整したりと作業が発生しました。

この現金借り入れ状態が続くと1か月で1000ドル以上の利息支払いが発生

まあこんな事態は今年初めてなので頻度対効果を考えれば自動化するほどでもなく、そもそも口座間の資金移動はAPIではできません。となると、別途画面を叩いて二段階認証もするようなプロセスになり、自動化できなくはないですがセキュリティ的にもシビアになるしバグやエラーのデメリットが大きすぎるのでまあ今後も同様のことがあれば手作業でいいかなと思います。

損益確定日ベースの曜日別損益グラフ

曜日別の統計をみると週末にかけて約定し、翌週初にクローズする収益が多く、週末を挟むので保有期間としても3~4日前後に積みあがっている傾向です。この辺りの、保有期間や曜日による優位性があるのかについては引き続き経過観察していきたいと思います。

ちなみに10月の結果の際、釣果が少なかった原因に「月の途中にパラメータを少し調整してそれが裏目に出た可能性もあります」と書いていましたが、今月は当該パラメータを元に戻し、一方でポジション管理のパラメータを変更したのでそういった調整が功を奏したのかもしれません。

とはいえ、それだけで説明できるのはせいぜい数千ドルかなと考えると、それ以上に大きく収益を伸ばしてくれたのはやはり効率的市場の歪みや相手方の投げ売りにあったのだと思います。

時間帯別の約定数としては寄付き後の9時台、クローズ前の15時台が多いです。一部レアケースで7時台やクローズ後に約定したものもあります。

ポジション取得時の時間帯別約定数

大谷のニュースを見る気分

こうしてシストレを運用していると、これって「そこまで大谷ファンじゃない人にとっての大谷」に近いなぁと感じたりします。
 
生粋の大谷ファンであれば試合を逐次チェックしたり、リアルタイムで打席を見守ったりするんでしょうが、そうでなければ夜のニュースで「あっ、今日打ったんだ」って知る程度。
 
シストレも、日中は仕事をしているし市場動向も邪魔になるのであまり見ないようにしていて、夜になってパラメータやログ管理のためにログインしたときに結果を初めて知って「あっ、今日約定したんだ」って知る感じになっています。

まあ大谷と違って空振り三振の日が多いですが…😓

ログ検証とバックアップ

先月からログ管理を強化していて頻繁にソースコードを修正してました。
 
ご存じの通り、TWS上では注文の銘柄や価格、数量、取引所といった限定的な項目しかとれません。
 
一方で、ロジックのどの閾値にどのように引っかかって前後のインジケーターの動きはどうだったのかといった情報は、追加でログを保存しておかなければ効果検証(からの改善)ができなくなります。
 
これまでも概況は保存するようにしていたのですが、OrderクラスのorderRefメンバに追加情報を入れ込んだりその内容をRDBMSに保存&ログファイルにも吐くようにして、注文~約定前後の情報を追跡できるようにしました。

今月のパラメータ調整もログの検証結果を経てのものでしたが、こうしてPDCAサイクルを回していることを考えると完璧なシストレプログラムなどなく、常にアップデートを繰り返して通用するものに変えていくのしかないのだと思います。
 
そして今運用しているロジックもいつまで通用するかわからないという不確定要素があります。マーケットニュートラルではあるので相場動向は関係ないのですが、銘柄そのものがなくなったり、他のアセットクラスに売買高が移って流動性がなくなってしまうといったリスクはあります。

実際、VOOは2010年より前には存在していなかったり、0DTEオプションが盛んになったのはここ数年のことと考えると、取引環境の変化がシストレロジックの息の根を止める可能性は高いと思っています。 

その点では今の環境にあぐらをかかず、耐えず収益機会に対してアンテナを立てておく必要があるのだと改めて感じました。

キャッシュアンドキャリーアービトラージ

冒頭で触れたキャッシュアンドキャリーは10月14日に12月限で組成し、ポジションを取った際のスプレッドは-65.40(=-654ドル)でした。

-65.40ドル👉-26.00ドルに動いているので、現時点の未実現損益は(-26-(-65.4))x100=+394ドル

現時点で+394ドルなので、このままだと予定の500ドルにいくかいかないか的な感じかもしれません。やはり大きくマーケットでエッジが出た際にエントリーしないとリスクフリーレート以上の収益は難しそうです。
 
11月のシストレでこれだけ成果を上げられた今となっては、2か月間も6万ドル近くを資金拘束されて500ドルの収益だと投資妙味に欠けます。

とりあえず12月のクローズを見届けてから考えたいと思いますが、スプレッドトレードによる裁定取引手法の候補として検証していきたいと思います。

12月の考察と見通し

12月は最初の週に経済指標が集中、第二週にCPIとPPI、第三週はFOMCの12月会合があり、そこからはもうクリスマス休暇で最終週は消化試合になりそうです。
 
FFレートの金利予想は直近では、トランプ勝利後の予想通り、前回時点よりも上振れています。

12月後の利下げ以降は5月まで利下げ無しという市場予想

テスラが大統領選後に期待感だけで爆上げしたように、トランプの発表やブラフにマーケットが振り回される日々が続きそうですが、マーケットの方向性としてはご祝儀相場が続きそうです。

12月は、クリスマス休暇もあり、営業日が20.5日となっています。11月の結果から、営業日そのものよりボラティリティの方が大事だとはわかりつつも、営業日が少ないのは取引機会の低下につながります。
 
11月の結果は良かったものの、それはあくまで過去の実績と比べて。これだけで遊んで暮らせるほどの爆発力でもなく、先は長いです。目先の浮き沈みに惑わされず細かなアップデートと改善を進めていきたいと思います。

🤞

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