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私が夫婦別姓を選んだ理由と思うこと

最近、選択的夫婦別姓のニュースを見る機会が多い気がするのでnoteにしてみたいと思いました。

私と妻は結婚後も別々の姓にしています。

理由は大それたものではなくて、各種変更手続きが面倒くさかったから。

妻にも変えたいか聞きましたが答えはNo。といっても、どうしても変えたくないというわけではなくて、「別に変えなくてもいい」ということでそのままいくことに。

手続きも特に追加ですることもなく、(州によって申請フォームは違いますが)婚姻届けの「Surname after Marriage (Optional)」欄を空欄で出すだけでした。

あれからずいぶん経ちましたが姓が違うことで困ったことは一度もありませんでした。まあそれが根付いてるアメリカだからかもしれませんが…。

なんでお母さんだけ姓が違うの?

日本の議論を見ていて、「家族の中で姓が違うと一体感が失われる」というのが選択的夫婦別姓に反対の立場として紹介されているのをみました。

たとえば子供から「なんでお母さんだけ姓が違うの?」と聞かれて家族の絆に影響するとか…。

これと同じシチュエーションを国籍選択のプロモーションビデオで見たことがあります。「なんでお母さんだけ国籍が違うの?」と子供から疑問を持たれてアメリカ人になるというシーンがありました。姓選択の自由より国籍選択の自由の方がアイデンティティに与える影響はよっぽど大きそうです。

雇用機会均等法など男女の平等が長く推進されてきた中で、婚姻による姓選択が(男性が女性側の姓に合わせる場合含めて)法律上強制させられてるのは非合理的だと思います。

そもそも姓を同じにしないと家庭が壊れるような関係であれば婚姻すべきでないですし、姓ではなくてもっと大事な部分での繋がりがあるからこその婚姻なのだと思います。それにあくまで選択制なのでしたい人は統一すればいいだけですし…。

初めはよくても離婚するときに同姓であることがブレーキになるという意見もあるのかもしれませんが、離婚を考えるほど関係が悪化しているのであれば旧姓に戻れることはむしろ離婚の後押しになってしまうでしょう。

中国、香港のケース

アメリカは欧米系ということもありますが、同じアジア系の中国でも選択的夫婦別姓が原則になっています。これには長い歴史の中で様々な民族が混じり合ったという経緯もあり、やはり島国の日本とは文化的背景が違うのかもしれません※。

※とはいえ、「法務省が把握する限りでは、結婚後に夫婦のいずれかの氏を選択しなければならないとする制度を採用している国は、日本だけです」

ちなみに香港はイギリスの個人主義の影響からか、日本や中国本土よりも自由な制度となっていて、夫婦別姓が多いのに加え、新旧姓を合わせた複合姓も可能となっており、夫の姓を妻の姓の前につける「冠夫姓」や、妻の姓を先にしたり、子供に両親の複合姓をつけるといった選択肢もあります。

例えば香港の前行政長官である林鄭月娥は夫である林兆波の姓と旧姓の鄭を合わせて「林鄭」としていたり、元WHO事務局長の陳馮富珍、香港立法会初代議長の范徐麗泰など、著名人でもみかけることができます。

ご存じの通り、香港では英語名を通称にしている人も多く、サンフランシスコ生まれのブルース・リーはともかく、土生土長の(香港で生まれ育った)香港人でも、スティーブン・チョウ(周星馳)、トニー・レオン(梁朝偉)、アンディ・ラウ(劉德華)など、自分でつけたり、知り合いからつけてもらった英語名を仕事や実生活で使っている人も一般的です。

これも「伝統的日本の価値観」から言ったら「親から授かった名前を使わないなんてけしからん」なんでしょうが、長らくアメリカや香港の文化に触れてきた身としては、そんなことまで雁字搦めにせずにもっと自由でいいんじゃないかと思います。

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