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大儲けしたい投資家はリターンを、大負けしない投資家はリスクをみる

個人投資家にとって2番目に重要な項目、「リスク管理」をする上で欠かせないこととはなんでしょう。


✅NVIDIAが1か月後に130ドル以上になる確率は30.8%

たとえば現在120ドルのNVIDIAの株を買おうか迷っているとして、何をもって、上がるか下がるかを判断できるでしょうか。

ファンダメンタルズなら四半期決済資料やフォワードガイダンス、テクニカルならチャートや出来高、信用残を見て予想するか、「プロ」のアナリストとかの意見を聞くかくらいでしょう。が、株価はデータやアナリストが決めてるわけではなく、市場参加者が決めます。

この点、オプションでは、1か月後に130ドル以上になる確率は30.8%、110ドル以下になる確率は21.9%というように市場参加者の総意を具体的な数字で分析することができます

このようにオプションからリスクを算出した指標にVIX(恐怖指数)やスキュー(Skew)があります

オプション取引をお勧めするわけではないですし、むしろ初心者はむやみに手を出すべきではないと思いますが、トレードはしなくてもオプションの知識はあった方が客観的なリスク管理をしやすくなります。

ちなみに、「リスク」とは測定可能なもの、ブラックスワンに代表される「不確実性」とは測定できないものを指しますが、オプションではリスクの定量化をすることができるのです。

オプション取引ではリスクとリターンの範囲を自分でカスタマイズできるという点もメリットですが、オプションの話は本題から外れるので割愛します

✅リターンだけでは投資判断できない

昨今投資詐欺がニュースになってますが、合法的なものでも年利10%とか景気のいい利率を謳っているものも珍しくありません。

投資の世界では「ありえないなんて事はありえない」ので頭ごなしに否定はできませんが、誰でも知っているような大企業のものであれ、リターンはリスクとセットで考えないといけません。

この点、基本的にローリスクであればローリターン、ハイリスクであればハイリターンで相関関係にありますが、これらの基準となるのがリスクフリーレートです。

✅RFRの前に投資なし

LIBORの権威が失墜してからはSOFR(Secured Overnight Financing Rate、「担保付翌日物調達金利」)がリスクフリーレート(Risk Free Rate)として機能していますが、リスクフリーレートは文字通り「リスクがない場合のリターン」です。

RFRよりも低いリターンでは投資する意味がなく※、逆にRFRよりも高いリターンの場合必ずリスクが存在するはずです。

※銀行預金のようにRFRより低く逆転しているレートは実際あります。が、決済用途ではない投資目的としてはメリットがありません。

EFFR、SOFRともに本日時点では4.83%、これ以上のリターンを謳ってる商品の場合、何のリスクを取っているのかを把握した上で投資する必要があります。

「リスクなし」でRFR以上のリターンが見込めるなら、RFRで資金調達すればいくらでも利鞘を稼げるのでわざわざ他人を勧誘する必要がありません。人件費をかけてまで勧誘するのは手数料で稼いでそのリスクをあなたに押し付けようとしているか、コピートレードのように自分の肥やしにしてババを押し付けていると考えていいでしょう。

EFFR(実効FFレート)をベースにSOFRが決まる

リスクフリーレートが上下すれば全アセットのリスクとリターンの判断基準が影響を受けることになり、FFレートの変更が今後の投資環境の潮目を変えることになります。

✅私が今長期投資をしない理由

ちなみに月初にnoteしたように、9月10月は様子見の月だと思っています。

401Kの口座※もリスクオフにしていて、インデックス投資も控えています。

※利益に税金がかからないNISA枠やiDeCoのようなもの。就業先からのマッチングがあり、引き出しの年齢制限もあるので企業版DCに最も近い

9月末でも好調な相場が続いていて、9月相場は起こらずに、このまま10月には最高値を更新し続けて大統領選後のラリーに繋がっていくかもしれません。が、それはあくまでリターンがどうなるかの話しです。

リスクの観点でみれば実際に下がるかどうかはどうでもよく、史上最高値を更新し続けても結果論であって今のリスク環境には見合わないという判断ができます。

✅退屈な投資が良い投資

で、なんでこんなnoteを書いたかというと今月のシストレは冴えなかったからです🤣

月間単位で損失無しなのでローリスクではあるのですが、その分ローリターンなため、収益が伸びなくても想定内として納得しなければいけません。

裁定系でありマーケットに歪みが出ないとまったく約定機会がありません。実際、一週間で一度も約定できなかった週もあり、相場環境に左右されるのがこの場合のリスクになっています。

シストレのロジックコンセプトは「棚から牡丹餅」ですが、牡丹餅を待っている間は根気よく棚の下で口をあけて寝ている必要があり、休むも相場な状況に慣れないといけません。


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