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SAAI大学生メンバー 毛利康聖
今回の「SAAI note」では、SAAIインターンを経験し、現在は「APT Women」という東京都女性ベンチャー成長促進事業の運営に携わっている毛利康聖さんにお話を伺いました。毛利さんは現在、自身でも”Pullst”というキャリア支援事業を立ち上げています。
現在SAAIにて行っている、学生向けビジネスプランコンテスト「01StartNext」の募集に伴い、学生ながら多方面で活躍している毛利さんにお話を伺いました。
プロフィール
毛利康聖(もうり こうせい)
宮城県出身。東京理科大学ビジネスエコノミクス学科4年(休学中)。
中学、高校時代の恩師の影響やカンボジア留学、部活動立ち上げの経験から「1人でも多くの人の人生に伴走・寄与したい」とキャリア教育・支援分野での起業を志す。上京後、複数の教育関連企業で長期インターンや事業立ち上げに携わり、2023年からSAAIインターンおよび東京都女性ベンチャー成長促進事業・APT Women(以下APT Womenという。)の運営事務局として参画。現在は、学生の思考と行動の継続を支える拠り所”Pullst”という事業を立ち上げる。
・SAAIとの出会い
ーSAAIと出会ったきっかけを教えてください。
SAAIを知ったのは、実は高校生の頃でした。高3の時に参加した経産省の学生ビジネスコンテストをきっかけにご縁があり、SAAIに訪問させていただきました。そのビジネスプランコンテストであと一歩のところで優勝を逃してしまったこともあり、「東京に出てもっとビジネスを学びたい」と思っていた時期でもあったことから、このSAAIへの訪問は自分の今後の方向性を考えるうえでとても大きな影響を与えてくれた経験でした。
ーそんなに早くからSAAIを知っていらしたのですね!そこからインターンを始める2022年までは期間が空いているようですね。
そうですね、自分はすぐにでも関わりたいと思っていたのですが、当時は学生の募集がなく、自分にも活躍する自信がなかったため、扉をたたくことができませんでした。だからこそ、いつかチャンスが来たときにしっかり掴み取れるようにと、大学1、2年生の間は長期インターンサイトをとにかく調べて、いくつかの長期インターンに参加したり、そこで出会った方の事業立ち上げに携わったり、はたまた社会人サッカーに挑戦してみたりと、自分なりの視座と視野を広げるため、良くも悪くもひたすら行動していたなと思います。
もちろんそこで視野は広がり、自分なりの経験やスキルは少しづつ積み上げられたように感じるものの、高校時代に思い描いていた自ら事業を立ち上げるという目標には程遠い感覚も常にあり、漠然とした不安をずっと抱えた2年間でもあったなと感じます。
・SAAIでのインターンに参加したきっかけ
ーとても活動的に過ごされていたのですね。そこからSAAIでのインターン、そして現在も活動されている、女性起業家支援プログラムAPT運営事務局への参加に至ったのはどんなきっかけがあったのですか?
SAAIインターンに参加したきっかけは、ブランスクム文葉さん(当時SAAIコミュニティマネージャー)に高校3年生の時以来の再会をしたことです。「もうここしかSAAIやゼロワンに関われるチャンスはない」、「自らを成長させられる環境に自分から飛び込まなければ」と強く感じ、文葉さんに直接「インターンとして関わらせていただけないか」とお願いしました。すると、ちょうど受付のポジションが空いているということで、受付業務で携わらせていただくことになりました。高校3年生から思い入れのあるSAAIに入れるということに、とても嬉しくワクワクしていたことを覚えています。
まずは、受付インターンを担うことになりました。今まで、思い描いていたような大学生活を送れていなかった悔しさによる反骨心もあり、受付のみならず、起業家支援や新規事業開発の事業にいつか絶対に関わらせていただけるよう、とにかく受付業務を「丁寧に早くこなす」「自分にできることが他にないか探し社員の方に聞きまくる」ということを日々とても意識していたと思います。 そして2022年4月、APT Women第8期のプロジェクトがスタ-トするタイミングに合わせて声をかけていただき、APT運営事務局に参画させていただくことになりました。
ー目的意識をしっかり持って意識的に取り組んだ結果、見事チャンスを掴んだんですね!私も見習いたいです…!!APT Womenでの活動はどうでしたか?
文葉さんはよく「アベンジャーズチーム」と例えられるのですが、それくらい優秀な方々が集まっているのがAPTチームでした。そんな方々に囲まれてお仕事をさせていただく中で「早く丁寧に」をより意識するようになりました。APT Womenは東京都が提供するプログラムのため、報告書作成やイベント運営など、運営周りのマネジメントを何よりも丁寧に正確に実施していく必要があります。自分はそれらをとにかく手を動かして実行する業務に取り組みながら、大きなプロジェクトの回り方や細部に拘って価値提供をしていく大切さを知りました。
また仕事をしていく中で、「メンバーの方の時間を自分が絶対に奪わないこと」を何よりも意識するようになりました。そのため、時間管理などのセルフマネジメントをより意識したり、社員さんへの質問も自分で調べられるところは調べて仮説をもった上で聞くなど、仕事の取り組み方をメンバーの方に教わりながら、工夫していくようになりました。
そしてAPT Womenの活動では、スキル的な成長をさせていただいているだけでなく、実際に女性起業家の方々に関わることで自らの起業家を目指す姿勢にも大きな影響をいただいています。周りに理解されることの少ない環境でありながらも、日々足を止めることなく常に挑戦し続けている女性の起業家の方を間近で支援することができ、純粋に「かっこいいな」と何度も感じさせられています。自らの生き様から、社会に新たな選択肢を創り出そうとする起業家の皆さんの姿が、自分自身の生き方、そして現在のキャリア支援事業にも強い影響を与えていただいています。
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・今後目指していること
ーAPT Womenは刺激と成長を得られる素敵なご縁だったのですね。現在はAPT運営事務局と並行してご自身でも起業を目指して動かれているんですよね。
そうですね。最近、学生の思考と行動の継続を支える拠り所「Pullst」という事業を立ち上げました。今は、仲間集めからSNS、コンテンツ開発など、自分の手が足りる限り動き続けているところです。
私は中学時代の恩師の影響で教育に興味・関心を持ち、ずっと教師を目指していました。そこから高校時代のビジネスコンテストや学生団体の経験を通して、教育をビジネスとして行う価値・可能性に出会いました。ビジネスという手段を使えば、教室の外の、1人でも多くの人に影響を与えられる可能性があると感じたからです。
そして、周りの学生や、何より過去の自分の原体験から、多くの人にとって「継続」がとても大きな課題であり、ヒトの可能性が広がるポイントだと感じ、継続を支えるサービスの提供を考え始めました。大学1、2年生の時の自分は特に、成長したいと思いながらも、具体的な方向性や手法もわからないまま闇雲に「もがいている」状態でした。あの頃の自分のようにもがいている人が、少しでも最適と思える方向性に早いうちに出会って行動を起こしていき、そしてそれを継続していけるように。そんな学生の伴走支援ができる事業を作っていきます。
・SAAIはどんな場所?
ーSAAIの受付やAPT運営事務局に関わりつつ、自身も起業家を目指しているということで、SAAIを内からも外からも見てきたと思います。そんな毛利さんにとって、SAAIはどんな場所ですか?
「同じ志を持った人が集う心地よい交わりの場」だと感じています。安心感と刺激のバランスがちょうどよく、距離感が心地よいんです。
自分でも趣味のように、ほかのコワーキングスペースにも行きますが、特にSAAIは人と繋がるという点でとても素晴らしい施設だと思います。内装として壁がなくコミュニケーションが取りやすいこともそうですが、一番はイベントが多くそこにゼロワンの社員の方々も常にいらっしゃるため、定期的に顔を合わせられることが大きな魅力です。起業家プログラムに携わり、色んな起業家の方とお話させていただく中で、人との繋がり、そしてそれを生み出す心地よいコミュニティはとても大切で重要だと感じています。カジュアルな会話からひらめきやチャンスが見つかることが多く、自分のやりたいことの解像度を上げることや新たな共創に結び付いてくる。何より、もうどうしようもないと感じる困難に出会った時、最後に支え助けてくれるのは、そのような心地よい環境で出会った仲間の存在だなと感じさせられます。
そして、「心地よい交わりの場」と表現したのは、そういった人とつながるチャンスが多いだけでなく、話したいときに話せるという遠すぎず、近すぎない心理的に安全な場所が常にあるからです。そんな心地よい交わりの空間がこの施設には存在しています。
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・01StartNextへ興味をってくれた学生へのメッセージ
ー実は1月から、学生向けビジネスプランコンテスト「01startNext」という学生向けビジネスプランコンテストの募集が開始されています。これから起業や事業開発への挑戦を目指す学生に向けて、応援のお言葉をいただきたいです!
自分も起業家を目指して四苦八苦しながら走ってきて、結果的に4年経ってやっと一歩を踏み出したところです。改めて振り返ると、もっと早くに直接文葉さんに連絡していればと少し後悔することもあります。しかしその一方で、その2年間が色んな悔しさや自分への不満、変わりたいという「反骨心」につながり、それが結果的に「勇気」となって、今の自分に結びついているなと感じます。
きっと、新しいことに挑戦するときの壁は、その時々の自分にしかわからない、大きく高い壁に感じると思います。01StartNextもそのように感じている学生の方は多いのではないでしょうか。そんな時、必要なのはおそらくちょっとした「勇気」だけです。そして、その先には、支えてくれる人や環境が思っているよりもたくさんあります。そして、たとえ今回は結果が得られなかったとしても、それは努力した上で得られた自分にしかない特別なエピソード・経験になり、何より、そこで生まれた悔しさは反骨心となって、きっと自分の力となって返ってきます。結果がどっちに転んだって、本気で行動した人にしか得られない経験がその先には絶対ある。これはもうやってみるしかないんじゃないでしょうか。笑
ーそうですね、勇気を出してぜひ挑戦してほしいです。毛利君もビジネスコンテストに挑戦したことがありますよね。アドバイスとして、プログラム中に意識すべきことなどはありますか?
常に自分自身に矢印を向けて、変化を恐れないことなのではないでしょうか。他人と比較しすぎず、自分がやってきたことやできること、やりたいことなど「自分にコントロールできること」にひたすら集中する期間にすることで、より自分を成長させることに繋がるのではないかと思います。
_最後になると思いますが、APTWomenで関わらせていただいた起業家の方はよく「ハードシングス(避けられない困難や葛藤に正面から向き合い、解決を迫られる瞬間つらい経験)を体験すればするほど、自分をより強くさらに成長させる」とおっしゃっています。私自身もまだまだ走り出しではありますが、さまざまな壁にぶち当たっています。しかし、このネガティブな感情はいつか自分の背中を強く押す原動力や誰かの想いに共感できる原体験に還元されていくものだと信じて、今は突き進めています。たとえ今は自信がなくとも、「なんとかなる」と思って、1歩踏み出してみる。私自身も自分にそう言い聞かせて、皆さんと一緒にアクションを起こしていきたいと思います。ぜひ、01startNextを成長のきっかけとしてご自身だけの未来を切り開いてほしいです。
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