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ふりかえり。 ホテルインターン時代その2

こんにちは。

今日はホテルのレセプション(フロント)時代の仕事の様子や気付いたことについて書きます。

前にも紹介しましたが、スペインに来てから今までのスケジュールはこんな感じで、スペインでの生活も残り半分を切ったという辺りの話です。

2019年6〜7月  スペイン語語学学校
2019年8〜12月 ホテルインターン(キッチン)
2020年1月〜  ★ホテルインターン(フロント)
2020年3月〜  コロナによりホテル休業
        引きこもり生活
2020年6月   日本帰国予定


■2020年1月〜

ずっと心待ちにしていたレセプションの仕事が始まります。

キッチンの同い年の同僚から、始まる前に

「レセプション行ったら客にハローって作り笑顔で言ってるだけで絶対つまんないよ、キッチンの方が絶対楽しいから。ハハハ」

とバカにした目で言われましたが、私がずっとやりたかったことなので、

「うるさい!キッチンの仕事なんかもう一生やらないから!」
と言ってやりました。笑

そしてキッチン時代とはガラッと変わり、
全身黒の制服を着て受付に立ちました。(この制服もまた自腹で用意した...)

レセプションで私がやっていた主な仕事は以下の通りです。

・お客さんにウェルカムドリンクを出す
・お客さんを部屋までご案内
・お客さんのスーツケースを部屋まで運ぶ
・駐車場の車、空き状況チェック
・ExpediaやBooking.comにてお客さんからのメッセージに返信
・その日部屋に用意するウェルカムサービスの数集計
・お客さんに地図でアリカンテの観光地等を案内
・チェックイン作業
・チェックアウト時の支払い作業
・ホテル内の各部門との電話やりとり

などなど、、たくさんあるように思えますが、
最初はできることが少なくてお客さんが来るのをひたすら待つことしかできず、徐々にできる仕事が増えていったという感じです。

レセプションに来てからもキッチンやウェイターの仲間が、「新しい仕事どう?」といつも気にかけてくれました。

「順調だよ、でもキッチンと違いすぎて...」
とか
「まあまあだよ、でもやること少なくて正直つまんないかな。」

と答えていました。

そう、正直な気持ち、キッチンと環境が違いすぎてかなり戸惑っていたんです。
それとちょうど冬の閑散期でお客さんが少なく、暇している時間がかなり多かったです。私は仕事中は常に手や足を動かしていたいタイプなので、なにもすることがない時はかなり苦痛でした。。

いいことも悪いことも含めてキッチンと何が違っていたかというと、、

・同僚の半分が女性で同年代も多い
・同僚全員英語が話せる
・私以外にもインターン生が1〜2人
・同僚同士の会話は小声め
・電話対応やパソコンでの作業
・お客さんには丁寧な言葉や敬語を使う
・同僚同士で汚い言葉はあまり使わない
・同僚は落ち着きのある人が多い

当たり前なことも多いですが、キッチンにいた時とは正反対なことばかり。

“環境が変わってよかったこと”と言えば、
外国人のお客さんや同僚と英語で話せたこと、女性の同僚と他にもインターン生がいたので私と同じ下っ端がいるだけで安心感があったこと、キッチンのように普段から会話で叫んだり汚い言葉ばかり言う人はいなかったので落ち着いて過ごせたことです。

同じホテルで働いてても職種が違うだけでこんなに性格も違うんですね...

同僚は全員スペイン人なので基本スペイン語で会話してましたが、説明されても分からなかったり伝えたいけどスペイン語が出てこないときは英語で伝えることができました。
ちなみにお客さんについては約8割ほどが外国人で、特にイギリス人の宿泊客が多かったです。

“仕事で難しいと感じたこと”は、パソコン作業とお客さんとの会話、電話のやりとりです。

今までスペイン語でパソコンをいじったことなどなかったので、パソコン用語やオフィス用語を新しく覚える必要がありました。
予約管理のシステムや支払い手続き等をスペイン語で理解するのは私にとってかなり難しかったです。これは逐一操作方法をメモして、繰り返し使っていく内に徐々に慣れて分かるようになっていきました。

さらに、お客さんには丁寧な言葉で話さなければならないので、使うスペイン語のレベルが上がったような感じでした。
実はスペイン語にも敬語の表現があります。ですが、接客やビジネスのシーン以外ではあまり使われず(接客ですら使われない場合もよくある)、上司にも敬語で話す必要はなかったのでそれまで敬語を全く使ってきませんでした。

加えて、スペイン語と英語が頭の中でごっちゃになることが多くて言語の切り替えが大変でした。(これはレセプションに来る前からそうでした)

母国語(日本語)⇄第1外国語(英語)の切り替えは簡単だけど、第1外国語(英語)⇄第2外国語(スペイン語)の切り替えは結構難しいです。
その理由は母国語は瞬間的に頭に浮かぶけど、1外と2外はどちらも多少考えないと頭に浮かばないからです。考える分だけ時間がかかります。
そして同僚との会話はスペイン語なので、急に英語を話すという場面では得意だった英語もパッと出てこずスペイン語が先に頭に浮かぶこともよくあります。それで英語ではなんて言うんだっけ、、って簡単な単語すらたまに思い出せなかったり。

せっかくある程度身についてた英語もスペイン滞在中どんどん忘れてしまってとても切ない思いでした。やはり日常的に使ってないと外国語は自分のものにならないですね。

というわけで、お客さんと英語で話してそれから同僚にスペイン語でそのお客さんの情報を共有するなんて時には、切り替えが難しかったですね。

電話のやりとりについては言うまでもなく、声が聞き取りづらかったり対面でないので表情などの様子が分からなくてかなりびびってました。日本語でも同じですよね。相手の名前すらスペイン語で自分にとって馴染みがないのではっきり聞き取れなかったです。笑
英語じゃないと自分では対応できず、電話をとっても相手がスペイン語話者だったら対応は同僚に任せっきりでした。他部署のスタッフと内線で話す時はまだ間違えても大丈夫と思って気を張らずに話せました。

“レセプションで働いて嬉しかったこと”もあります。

日本語を知ってるお客さんと話したり、日本が好きなお客さんがいた時は心の中でテンションが上がりました。

先日メキシコ人のお客さんが来た際は、
日本はアジアで1番の国!と言ってくれたり
“ありがとう”って日本語で言ってくれたり
息子が日本語勉強してるんだよって話してくれたり
親近感を持ってくれてカジュアルに話せたのはとても嬉しかったです。

その時感じたのは、やっぱりカジュアルでお客さんともっと距離が近い仕事の方が自分は好きなのかな〜と思いました。
あとは、同僚も明るくて仲間意識や友達に近い感覚の方が好きです。

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(↑職場の休憩スペース。グラスの中は水です。)

もう一つ自分の中で仕事を続ける上で大切だと気付いたことがあります。

それは、休みって重要!!ということです。

インターン中はシフト制で基本週休2日でしたが、1度だけシフトの関係で10連勤になっなことがありました。
その時はモチベーションがなさすぎて、休みまであと◯日もある、、と毎日萎えていました。

10日でこんなにメンタル疲れてるなんて、もし将来クルーズで働いて例えば半年間毎日休みなしで働き続けるなんてなったらもうやっていけない、、と思いました。

そうしてあっけなくクルーズで働くという興味は薄れてしまいました。。

自分に限界を作ることはよくないけど、限界を作ったというよりは自分が大切にしていることが分かって考えが変わったという感じです。

でも考えが変わることは決して悪いことではないと私は思っています。

その時いる環境や状況によって考え方が変わるのは当たり前だし、新しい発想を得たりもします。去年の今頃、今の自分が何をしてるかや周りで何が起きているかなんて想像できてなかっただろうなあ、と毎年のように思います。(スペインに来る1年前、自分がワーホリでスペインに渡航するなんて1ミリも思ってなかった)

だから今自分がやりたいと思ったことをやればいいし、やりたくないと思ったことは無理してやらなくてもいいと思っています。そうすれば自分に満足して生きられるのかなと私は思います。

コロナだって、去年の夏、のちにこんなにも大流行して大変なことになるなんて誰も想像してなかっただろうし、コロナによって生き方や将来に対する考えが変わった人もたくさんいると思います。
来年どうなるかなんて想像したところでその通りにならないのは普通なんです。なので今自分が感じたことを大切にしてそれを追求できたらなと思います。

...話がかなり脱線しましたが、私はここにきて、ホテルでインターンをして、考えが変わりました。
率直に言えば、持ってた夢が無くなりました。笑 でも特に大きな後悔はしていません。

正直クルーズで働かなくても、アリカンテにいれば最高な地中海がいつでも見れるし、スペインではハネムーンでなくても2〜3週間有給とったって職場の人から悪い目で見られることもないし(冗談でけなされることはあるけど)、そしたら自分の行きたい場所に思う存分行けるかなーなんて思いました。
(私はインターン生なのでそんな休みなんてなかったけど、この時スペイン移住もぼんやりと考え始めてました)

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(↑いつ見ても最高に癒される地中海)

夢がなくなってからモチベーションもなくなってしまい、仕事に対するもやもやがさらに強まりました。(その前から暇さ加減と環境の違いでもやもやしてた)
最初はいっぱい学びたい!とやる気満々でしたがこの時はもう毎日のように仕事に行く気になりませんでした。

半年以上無給で働き続けるのに疲れてしまったという理由もかなり大きいです。お客さんからのチップだけはもらえたけど微々たるものです。。

ワーホリって海外で自由に過ごせるビザなのになんでこんなにもやもやして過ごしてるんだろうと思い、思い切って別の仕事を探そうかなと思った時期もあります。少なくとも給料があれば働くモチベーションができると思いました。

...結局、最初にキッチンの同僚に言われた通りになってしまいました。(ちょっと悔しい)
でもレセプションに来てからなんだか物足りなくてキッチンが恋しくなったのは事実です。

ちなみにレセプションの同僚もいい人ばかりでした!でもなかなか打ち解けられない人もいたかな...

そうしてもやもやしている間にコロナがスペインで流行しだし、3月14日から緊急事態宣言により仕事もできない状況になってしまいました。

スペインでのコロナ生活についてはまた次回。

最後にレセプション時代の自分の中の気付きをここに書き留めておきます。

・同僚との仲の良さ、関係性はとても大事
・お客さんともカジュアルな関係の方が好き
・週休2日あることはとても大事
・暇すぎるより常に仕事がある方が好き
・仕事のモチベーションがあることはとても大事
・働いて最低限のお金がもらえることはとても大事


今回のヘッダーの写真は、アリカンテのいつかの夕焼けです。空と雲がピンク色になるアリカンテの美しい夕焼けがとても好きです。


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saki   @spain
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