見出し画像

SAA受講生による講義レポート「毎日が千秋楽日記」Vol.1 ~“事業の筋の良さ検証シート”を通じて気づいたMBA vs 起業参謀(スタートアップMBA)~

こんにちは!SAAnote編集部です。
本シリーズではSAA第5期の現役受講生である小曽根 康晴さんによる講義レポートをお届けします!


自己紹介

小曽根 康晴(こそね やすはる)
二刀流(株) 代表取締役社長 兼 CEO。新規事業をカタチにするお仕事をしています。

・グロービスMBA修了(上位5%の成績優秀修了者)
・一般社団法人アンガーマネジメント協会認定ファシリテーター/トレーナー
・メディア出演実績:フジTV_2020年1月5日放送「令和の錬金チャレンジャー」ほか

モットーは「毎日が千秋楽」。その気概のもと、2024年2月からStartup Advisor Academy batch5 に参画中。目指せ「伝説のbatch5」!


事前課題で覚えた違和感

私たちのbatch5が始まってから、早くも6回目の定例講義。今日のテーマは「事業の筋の見極め」。いくつかのスタートアップのピッチ動画を視聴し、“事業の筋の良さ検証シート”に基づき、各事業の筋の見極め方法を学ぶというもの。

事業の筋の良さ検証シート
出所:https://unicornfarm.jp/slide-2734

講義前にも、同じようにスタートアップのピッチ動画を見て検証シートで評価する事前課題を行っていた。しかし、そもそも、シートの内容がどうも頭に入ってこないので、私はいつものようにうんうんと唸っていた。最初は「慣れの問題」かと思っていたがシートを良く見ると、顧客に関する項目がかなり多い反面で、競合に関する項目が3項目しかないことに気付き、少し違和感を覚えた。なぜだろうか?と。。。

そこでふと思い出したのが、専門家講義(全3回も!)を担当される新規事業家、守屋実氏の著書「新規事業を必ず生み出す経営」に書かれている、アンゾフの事業拡大マトリックスで示された新領域(破壊的イノベーション)の話だった。実は、最初にこれを読んだときに私は、正直「えっ!」と驚いた。なぜなら、MBA的には悪手と言われる可能性が高く、コンサルタントとしても真っ先に突っ込むであろう、飛び地の多角化領域を「是」としていたからだ(下図の右上の象限)

出所:新規事業を生み出す経営(守屋実)

MBAとは?

PEST分析→3C分析(→Five forces analysis 、KBF(Key Buying Factor)等)→業界KSF(Key Success Factor) →自社KSF →自社戦略の立案等。

MBAではこうした戦略立案の過程で顧客に関することについて、例えばKBFでは「ブランドイメージ」、「立地」、「低価格」といった表現の解像度に留まることが多く、主眼はHow to win にフォーカスされることが多いように思う。もちろん、個別のマーケティング戦略の立案等になるともっと解像度を上げていくが。要は、MBAの学びを活用するのは「既存事業」の競争戦略を考えるときが比較的多いのではないだろうか。


起業参謀(スタートアップMBA)とは?

私の場合、今回の“事業の筋の良さ検証シート”が中々頭に入ってこなかったのは、恐らくこれを使うことへの慣れの問題に加えて、無意識のうちに事業の良し悪しを、かつて学んだこの「MBA」の眼でとらえて考えていたのだと思った。

しかし、スタートアップのドメインとは、前述のアンゾフの事業拡大マトリックスで示された新領域(破壊的イノベーション)の新市場×新製品、つまり「ど新規の市場創造」。ここでは顧客も課題もゼロから生み出す(見出す)必要がある。だから、“事業の筋の良さ検証シート”では競合面の前に、徹底的に顧客とその解像度にフォーカスする。考える対象に応じて、ツールを使い分ける必要があるのだ。

SAAでは、定例講義(※1)・専門家講義(※2)・オフィスアワー(※3)といった、多くの知のシャワーを浴びる学びの機会がある。ただ私はこれに甘んじることなく、このinput をもとにさらに思考を掘り下げて多くの示唆や教訓を抽出し、学びを最大化したい。

今回のシートにおけるちょっとした自分の中の違和感から、こうしてさらに思考を掘り下げることで、自身の思考の癖、無意識のバイアスや、MBAと起業参謀(スタートアップMBA)の違いの一端を理解できたような気がする。

※1 定例講義:SAA主宰の田所氏によるメイン講義。
※2 専門家講義:毎回著名なゲスト講師を招いて行う特別セッション。
※3 オフィスアワー:田所氏から直接質問に答えていただける特別セッション。
上記1~3はいずれも原則週1回90分。



さらに、、、

この理解に基づきシートをもとに図示された別のマトリックスにも目をやると、私にとってはさらに味わい深い示唆を得られた。

出所:unicornfarm

この縦軸(上)には仕組み(MOAT構築など)、縦軸(下)には個の力(起業家の地頭の良さなど)がプロットされる。メインメッセージは「フェーズが進むに連れて、個の力→仕組み。定性→定量の軸が重要になる」とある。つまりは、この縦軸は「競争優位の源泉」で軸どり、スタートアップの初期フェーズにおいては競合の要素が少ないのではなく、個の力を考えること=競争戦略になりうるということ。

ここまで思考を整理すると、前述の検証シートがなぜあの顧客中心の16項目なのか、講義前の事前課題に取り組んだときよりも理解が進み、自分の中では深い納得感を得られた。

まとめ

“事業の筋の良さ検証シート”は文字通り「事業」の筋の良さを検証するシートだが、この事業の定義はあくまで「スタートアップ(新規)の事業」のこと。起業参謀(スタートアップMBA)とは、アンゾフの事業拡大マトリックスで示された「新市場」×「新製品」領域(破壊的イノベーション)。だから、ここでは顧客の解像度に徹底的に向き合う必要がある。


※追伸
・私自身、講義を通じた学びを咀嚼し、量稽古により血肉化・スキル化するために、毎回の講義後に学びを具体的なアクションプランへ落とし込むようにしている。今回の講義を通じて、「ピッチの視聴&“事業の筋の良さ検証シート”への入力(月10件以上)」を、7つ目のアクションプランとして、自らのリストに加えることにした。
続く。


いかがでしたでしょうか?次回もぜひお楽しみに!

ユニコーンファームでは、SAA第6期生のメンバーを募集しています!
ご興味をお持ちの方はぜひ無料説明会(オンライン・オフライン)にお越しください。事務局一同お待ちしています!
スタートアップアドバイザーアカデミーSAA - ユニコーンファーム (unicornfarm.jp)




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?