『レ・ミゼラブル』
『レ・ミゼラブル』/帝国劇場
▶レミゼの何が良いかって、①時代背景を知っていても知らなくても、その世界に惹きこまれること。②「この曲聞いたことある!」となるフレーズの楽曲を、生オケで体感できること。③エポニーヌの ♪On My Own 、 ♪恵みの雨 に五感のすべてが奪われること。の3つだと思う。
▶エポニーヌ @屋比久知奈 さん
シスアクぶりの屋比久ちゃんだったけど、やっぱり屋比久ちゃんの歌声が好きだなぁと思った。特に ♪On My Own の「愛しても思い知らされる」からの力強い歌声がたまらなかった。
▶純粋に、死ぬ最後にマリウスの胸かれるエポニーヌが、失望を繰り返す人生だったかもしれないけれど、最後の最後に恋焦がれるマリウスの視線の中心にいれて、力強く抱きしめてくれて、自分のことだけを気にしてくれる,心配してくれる空間だったのは、幸せだっただろうなって思った。
▶『レ・ミゼラブル』=「悲惨な人々」「哀れな人々」という意味で、ポスターがリトルコゼットであるにもかかわらず、エポニーヌに心動かされる部分が多い。コゼットに対してかわいそうだなと感じるのはやはり、小さい頃のテナルディエ夫妻に育てられていた時が1番。成長してからのコゼットはマリウスと恋に落ちるし、逃げ回りながらではあるけれどエポよりも普通水準に近い生活をしているし。
対してエポは、裕福ではないし最終的に命は落とすし。悲惨そのものだろう。しかしコゼットはある意味、血のつながらない男に育てられ訳も分からず逃げ回り、恋に落ちても相手は戦いに行き、と、人生全体で見れば哀れな人物なのだろう。
それでもやはり感情移入してしまうのはエポニーヌなわけで。 ♪恵みの雨 で「これでいいの」というエポ、マリウスの腕に抱かれて、恋焦がれたマリウスの胸に包み込まれて、マリウスの視線の中心にいれて、撃たれた痛みなんて気にならないぐらい幸せな気分に包み込まれていたんだろうな。涙。
▶一幕最後の ♪One Day More がやっぱり素晴らしかった!これぞミュージカル!というような歌声たちとオーケストラ。ストーリーと共に目まぐるしく移り変わっていく音楽。あの時代の目まぐるしさを象徴しているようだった。
▶人の死によって高め、求めた自由。それは正義だとする人々。
ジャベールの悪を悪だとする正義。
アンジョルラスの熱い正義。
ガブローシュ勇敢果敢な正義。
エポニーヌの恋焦がれた正義。
マリウスの愛と絆の正義。
ファンテーヌの家族愛の正義。
そして、この世に存在する愛のすべてが描かれていた。
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