今さら聞けない!成家班(ジャッキー・スタントマンチーム)①
アクション映画には欠かせない存在ではあるのですが
主役(攻撃する側)がいれば、脇役(やられる側)もいる
作品中の主役の魅力をより引き立たせるために必要不可欠な存在
なんですよね。
そりゃジャッキーは運動神経抜群ですし映画の主役も張れる、映画監督までこなしちゃう人ですが
ジャッキー1人だけじゃ素晴らしいアクションシーンの数々を作り上げる事ができない
ジャッキーも日本で言うところのJAC(ジャパン・アクションクラブ)や倉田プロモーションなどと同じように、自身のスタントマンチームを持っていました。
先日出したこの記事は、倉田保昭さんと倉田アクションクラブの卒業生でもある下村勇二さんとの対談動画のご紹介でしたね。
ジャッキーのチームは成家班(ジャッキー・スタントマンチーム)と呼ばれています。
ざっくり成家班の経緯などを
1976年に
黎強權(ベニー・ライ)
火星(マース)
周潤堅(ダニー・チョウ)
王坤(ウォン・クワン)
唐炎燦(ブルース・タン)
この5人で結成したのが初代成家班と言われています。
1976年と言うと、ジャッキーは「レッド・ドラゴン/新・怒りの鉄拳」「少林寺木人拳」が香港で公開されていた年かな。
えっ、もうそんな頃から結成されてたのか。
ロー・ウェイがジャッキーを「第二のブルース・リー」として売り出そうとしていた頃じゃん
でも実質成家班が本格的に稼働した感じなのは「ヤングマスター 師弟出馬」「ドラゴンロード」辺りだと思うので、そう考えると結成から4年ほど経っていると。>まあその間ジャッキー自身に色々な事がありましたからね~ジャッキージャック事件とか。
上の5人、そうそうたる方々ですよね。ジャッキー作品観た事ある方なら必ずどこかのシーンで目にしてる。
黎強權(ベニー・ライ)は「ポリス・ストーリー2/九龍の眼」でのジャッキーのラストバトルの相手ですね。(アパアパさんなんて呼ばれたりもw)
今までラストバトルといえば武術に精通していた人(チャンピオンとか)などと対戦していたのですが、初めて自前のスタントチームからのラストバトルの相手を出したって事ですよね。それだけの実力が認められていたと。
火星(マース)は「ドラゴンロード」の阿牛や「プロジェクトA」の大口など、俳優としても目立つ役が多いですね。それにジャッキーのスタンドダブルといえばまず火星の名前が挙がるんじゃないかな~と個人的には思っています。
周潤堅(ダニー・チョウ)は「ポリス・ストーリー2/九龍の眼」でのアパアパさんとおなじく爆弾制作犯罪グループの1人にいますね。
王坤(ウォン・クワン)は「プロジェクトA」で色々な役をやってますがw特に印象深いのは自転車チェイスのシーンで途中梯子を持ったおじさんに阻まれるんですが、そのおじさん役だったり、「ポリス・ストーリー/香港国際警察」で主人公の家の玄関を開けたらケーキをぶつけてくる同僚役だったり。
唐炎燦(ブルース・タン)は「バトルクリーク・ブロー」で主人公が遊園地で不意に襲われるんですがドミニチの手下、ウー兄弟の両手に刀を持った方や「ドラゴンロード」「プロジェクトA」にも出演しているようです。
この5人から始まった成家班ですが80年代にメンバーが一気に増え、栄華を極めました。80年代に関わった作品を観ればすぐわかる。
1992年「プロジェクト・イーグル」を最後に一旦解散。
その後は作品ごとに個人契約をし、その都度必要な人数が集められる形態に。
それなりに活動していましたが2006年「プロジェクトBB」を最後に解散…?
という事は今現在は成家班として活動はしていないのかな?そうなりますね。
スタンドダブル?ジャッキーは自分でアクションやってたんじゃないの?
ここですよ。ここですよね。
結論からいくと、
ジャッキーは自分でもアクションをやり、スタントマンも使う
最近「プロジェクトA」の時計台のスタントなどでジャッキー以外のスタントマンも落ちているという話などが出て来たりして、その事にびっくりしている方も見受けられたんですよね。
もちろんジャッキーはスタントマン出身という事もあり、自分で武術指導としてアクションを構築したりもできるわけなので
一番自分のイメージするアクションを体現しやすい
のだけど、自分以外のスタントマンがやったアクションが綺麗にできていたり、その作品のアクションとして合っていると判断した時は
自分のテイクではなくてそちらのテイクを採用するのだと思います。
ジャッキー監督&主演作品はそのような感じですが、
ジャッキー作品の中には監督がジャッキーじゃないものもある
「五福星」「大福星」や「スパルタンX」「サイクロンZ」は
監督がサモ・ハンですね。サモはアクションシーンにスタントマンを結構使うので、主演がジャッキーでもアクションでスタントダブルを使われている事は多くなります。>ジャッキーが普通にこなせるようなスタントでも
ちなみにサモ・ハンも洪家班というスタントマンチームを持っていて、作品によっては成家班との共同作業だったりしたみたいですがサモのアクションチームからも色々学んだり、取り入れたりした事いっぱいあるんだろうな~
などと思ったりします。
80年代、90年代の熱狂的な渦の中では、アクションを安全&一つの表現としてワイヤーを少々使っただけでもガチのアクションじゃない!!とがっかりする人もいた(少なくはなかった)ので、その事を言いづらい風潮ではありました。言ったが最後、ジャッキーに対しての評価がひっくり返ってしまいそうな熱狂ぶりだったと感じていました。
でも、今は昔。ワイヤーの大切さも、アクションの表現の1つとしてのスタントマンの存在も、今は落ち着いてこうやって伝える事はできますからね(^^)>良い時代や~
なんか長くなってしまった&変に力説してしまったのでw在籍していたメンバーの話はまた次回にでも。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます(^^)