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香港の俳優、リチャード・ン(呉耀漢)さん死去
ジャッキーの最新作「龍馬精神」の中国での公開が始まったばかりですが、訃報が入ってきました。
「龍馬精神/RIDE ON」4日連続首位をお伝えする予定でしたが…訃報です。日本では「福星」シリーズ等で知られ、香港映画には欠かせない俳優で、名バイプレイヤー リチャード・ウン(ン)が昨日亡くなりました。享年83歳。奇しくも今年は「福星」シリーズ誕生40周年の年でした。https://t.co/fF3UCPowUp pic.twitter.com/PoEDYga3hl
— 大成龍祭2011 (@daiseiryusai) April 10, 2023
Sad news, today the world got a little smaller, a little colder & a lot less fun
— 大mike /Mike Leeder/ Big Mike (@bigmikeleeder) April 10, 2023
Richard Ng (Ng Yiu-hon 吳耀漢 )a true Hong Kong Legend has passed away, leaving behind a legacy of work
Thoughts are with his family, Susan, Alex, Zoe, Louise and Carl
Goodbye Uncle Richard pic.twitter.com/urM5HMLlCw
香港を拠点とし、数々の香港映画作品のDVD,Blu-ray化に尽力されているキャスティングディレクター、マイク・リーダーさんも哀悼の意を表しています。
こちらの記事にはリチャード・ンの出演した主な作品が紹介されています。
やはり福星シリーズ、特に「五福星」は外せませんね。リアルタイムで拝見していた頃はやはりジャッキーやユン・ピョウ、サモ・ハンなどのゴールデントリオに目が行くのですが
やたらチンケ(役名)の出番が多い。そんでどのシーンも面白い
私はサモ・ハンは色々な出演者にまんべんなく出番を用意してて、ちょうど良い配分に収めるのが上手い監督さんだと思っているのですが、「五福星」だけは別だと思うんですよね。リチャードさんのコメディアンとしての力量を見抜いていたのかしらん。特に透明人間のくだりが鉄板の面白さだとは思うんですけども。それ以外も面白いんですよ。
リチャード・ンをざっくりとご紹介
1939年広東省潮州市に生まれ、父親である吳海霖は九龍バスの創始者の1人になるようです。裕福な家庭に生まれ、1955年にイギリスに渡り、ミルフィード・パブリック・スクールに在籍。その時に演技に魅了され
歯科医を目指しイギリス大学に進学するものの、2年の時に演劇科へ移籍。
在学中にイギリスのテレビ局のコメディ映画や舞台、ショーに出演。
卒業後はBBCに入社しコメディ作品に出演していたようです。
そうなんですよね。「五福星」で共演していたジョン・シャムもインテリで有名ですが、リチャード・ンも負けず劣らずのインテリジェンスのかたまり。やはりコメディには知識、教養が必要不可欠か。
70年に香港に戻った後マイケル・ホイに見いだされ「Mr.Boo!ミスター・ブー」に警部役で出演。
予告編を貼りつけたいんですけど、どこにもない!!(泣
リチャード・ンは私的には初めて観たのはそれこそ「五福星」ですが、実はめちゃめちゃ印象に残っているのは「Mr.Boo!ミスター・ブー」の警部役なんですよね。
あの人警官の制服(短パン仕様)を着せたら香港一似合うんじゃないかと思っていますw
こちらの動画では「Mr.Boo!ミスター・ブー」出演のきっかけになったホイ兄弟出演の「雙星報喜」と、マイケル・ホイへの電話インタビュー、福星シリーズで共演したエリック・ツァンのインタビュー。
マイケル・ホイは「演技をしなくても面白い」と評していますね。とても明るい男でバナナのような顔の形をしている(コラ)とも言っていますが😓
「香港少了一個這麼傑出的演員(香港はこんなにも優れた俳優を失っている)」という言葉が、リチャード・ンに対する俳優としての信頼度の表れなんじゃないかと。
エリック・ツァンは「とても悲しくなった。彼は多くの貢献をしてきた」と。本人は冷たい表情をしているのに(笑顔ではないのに)観客を笑わせることができる人だと。マイケル・ホイも言ってましたけど表情や立ち振る舞いや動作などの演技力で観客を笑わせる事ができる。非常に(彼に)感謝していると。
「Mr.Boo!ミスター・ブー」出演後、75年に先鋒影業公司を立ち上げ作品の制作及び俳優として活躍。その後イギリス人のスーザンさん(ブルース・リーのスタイリストをやってたのかな?)と結婚。80年代の活躍は言わずもがななんですが、90年代にはイギリスへ拠点を移し、セミリタイヤ的な生活を送っていたようです。
こちらの記事にはリチャード・ンの半生が書かれていますが近年は身体の状態がおもわしくなく、腎臓の透析療法を行っていたようです。それと娘さんが2人いらっしゃるのですが、2021年薬物の違法栽培と所持の罪で呼び出された(英語のサイトを見ると逮捕と書いてありますが)ようですね。記事の中では思うように教育できなかったのでは?という内容が書かれています。
親と子の問題、芸能界の薬物問題、ご自身の病気の問題。晩年は色々抱えていたようですね。
出演作品の紹介
「霊幻道士3 キョンシーの七不思議」
キョンシー映画への貢献度もかなりあるんですよね。この作品では半人前な道士、ミンを演じています。全然ダメダメなんですけどね。めちゃめちゃ人間臭い感じがラム・チェンイン演ずる九叔道士との対比として面白いんですよね。
「キョンシー」
制作:清水崇
監督:ジュノ・マック
主演:チン・シュウホウ
共演:リチャード・ン、クララ・ワイ、アンソニー・ウォン、チョン・ファ(鍾發)
香港のアーティストであるジュノ・マックがダークホラーとしてキョンシー映画をリブート。リチャード・ンは今作ではキョンシーになってしまうんですよね。恐ろしや~道士役のチョン・ファの役名が九叔というのも、オリジナルへのリスペクトを感じます。
「霊幻道士 こちらキョンシー退治局」
監督:ヤン・パク・ウィン、チウ・シン・ハン
主演:チン・シュウホウ
共演:リチャード・ン、ロー・マン(羅莽)、ユエン・チュンヤン(袁祥仁)、エリック・ツァン
こちらはコメディタッチのキョンシー作品になります。オリジナルにも出演しているチン・シュウホウが主役を張っているのも嬉しいですね(^^)
リチャード・ンは表は清掃局、実はキョンシー退治局の局長、ツォン局長を演じています。
「小さな園の大きな奇跡」
制作:ベニー・チャン、アルビン・ラム、スタンリー・トン
監督:エイドリアン・クワン
主演:ミリアム・ヨン
共演:ルイス・クー、リチャード・ン
実話を基に映画化された作品。リチャード・ンは幼稚園に通う小雪ちゃんのおじいちゃん役のようです。
こちらベニー・チャン監督なのかと思ったら違った💦制作に関わったんですね。
ジャッキー作品との関わりは
「五福星」
福星シリーズを代表して、やはりこちらの作品を。透明人間のくだりで生々しいいやらしさになってないのはやはりリチャード・ンの演技の賜物だと思います。
「スパルタンX」
こちらの作品でも共演しているんですよね~。デヴィッドの父親が入っている精神病院の患者をジョン・シャムと共に演じています。ウー・マ(午馬)もいたような。
「奇蹟/ミラクル」
監督・主演:ジャッキー・チェン
フランク・キャプラ監督の名作「一日だけの淑女」及びそのリメイク作「ポケット一杯の幸福」の舞台を20世紀初頭の香港にしてリメイクした作品。
ジャッキーとの共演作では、やはりこちらが一番好きですね(^^)
ジャッキーとの絡みもありますし。リチャード・ンは主人公コウに目をつける警察のホー隊長を演じています。
もちろん短パンw
「スキップ・トレース」
予告編には全く出てきませんが、ジョニー・ノックスビル演じるコナー・ワッツが乗る香港へ向かうバスに乗り合わせた老人を演じています。
ジャッキーとの共演シーンがなかったのは残念💦
ジャッキー自身は追悼コメント等は表立っては見かけていないですが、中国でも結構大きく取り上げられているので心を痛めているのではないのかなと思います。
耀漢先生、愿您安息。一路走好。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます(^^)
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