㉝今だからこそ考えてみたい。ジャッキー・チェンがハリウッドで成功したわけを。
はい~。またもやしばらく間が空いてしまいましたが、前回の記事はこちらになります。
「80デイズ」の記事、過去2本に渡って監督や出演者の事をざっくり書いています。こちらももしよろしければ~
この作品でジャッキーを主役にするために
「80デイズ」はジュール・ベルヌの小説「八十日間世界一周」と、1956年に同名で映画化された「八十日間世界一周」のリメイクになる作品。
主人公はジャッキー演じるパスパルトゥーではなく、フィリアス・フォッグなんですよね。
しかしこの作品では、一番最初にジャッキーの名前がクレジットされている
本当は主役のフォッグに注目が集まるところをパスパルトゥーに焦点を置き、追っ手に追われている設定にする事でアジア人が出てくる違和感の払拭とアクションを盛り込めるスペースを作り出した
いや、これ普通に凄い事だと思います。
リメイク元の「八十日間世界一周」でパスパルトゥー役のカンティンフラス(この方は故郷のメキシコでは国民的人気を誇るコメディアン)が愛嬌があり機転の利く執事、パスパルトゥーを作り上げた功績にもよるものだと思いますね。カンティンフラス、もっと評価されても良いと個人的には思っておりまする。フォッグ役のデヴィッド・ニーヴンもカッコ良いし凄いんですけども。
リメイク元のこの作品も、とても素晴らしいので是非~
世界一周ルートが少々変更されている
色々な事情や要因が考えられますが、とりあえずリメイク元とどれだけルートが違うのか書き出してみます。
※細かいルートは書いていないのでごめんね
「八十日間世界一周」
イギリス(ロンドン)→フランス(パリ)→スペイン→エジプト(スエズ)→インド(ボンベイ)→香港→日本(横浜、鎌倉)→アメリカ(サンフランシスコ)→アメリカ(ニューヨーク)→イギリス(リヴァプール)→イギリス(ロンドン)
「80デイズ」
イギリス(ロンドン)→フランス(パリ)→トルコ→インド→ヒマラヤ→中国→アメリカ(サンフランシスコ)→アメリカ(ニューヨーク)→イギリス(ロンドン)
両方とも原作の小説にはない、フランスに寄って気球に乗って旅をするのですがリメイク元である「八十日間世界一周」では気球にてパリ→マルセイユへ向かうはずがスペインへ行ってしまい、パスパルトゥーが闘牛とかやっていますけども
「80デイズ」ではそのシーンは無く、順当に機関車でインドへ向かう途中、トルコで緊急停車させられてしまう(シュワルツェネッガー演じるハピ王子が待ち構えていますw)
あと、インドからアメリカへ向かうルートが大幅に変更されてますね。
リメイク元では香港へ立ち寄り、フォッグとパスパルトゥーが離れ離れになったり日本でパスパルトゥーが軽業師としてパフォーマンスしていたり、見どころ満載なんですけども
「80デイズ」ではなぜかそのルートを取らず、ヒマラヤから中国へと渡り黄飛鴻と10タイガーズ(広東英雄十傑)が出てくるんですよね。
サモ演じる黄飛鴻を出すためのルート変更だったのか。。。?なんかそれだけでは無いものは少々感じますね。>リメイク元のルートでもジャッキーならめちゃめちゃ面白いものになりそう
後はサンフランシスコからニューヨークへ向かう時に大陸横断鉄道を使うのですが、リメイク元では先住民族の襲撃にあったり、列車の乗り継ぎなどがありますが
「80デイズ」ではCGにてサラッとご紹介程度に終わってますね>途中で馬車で移動中ライト兄弟に出会うというものはありますがw
少しだけ公開当時の状況について書いておきますね
2003年に新型肺炎(SARS)が蔓延し世界的な大混乱が起きた後、少し収束が見え始め中国が経済的に成長してきた時ですね。
映画界でも、ジャッキーをはじめ2000年前後からハリウッドでも活躍の場を広げていった香港の映画人とも色々なコラボやタッグを組む事により、少しずつハリウッドでも存在が認められるようになってきたのが1つ。
それと2000年代に入ってから、今までステレオタイプとして長らく定着していた映画における悪役の定義(先住民族:インディアンを悪役として描く事の是非)やコンプライアンス、社会的な良識(喫煙シーンや飲酒シーンの排除)が問われ始めた頃だと思います。
それと、制作:ディズニーという事もあり目に見えるもの見えないもの色々ひっくるめてNGになったものが数多くあったんじゃないかと。私の妄想でしかないですけどね💦まあでもジャッキー出てるのになんで香港通らんねん!!とは思いました。
こうやって見ていくと、ジャッキーのハリウッドでの挑戦がどれだけ大変な中でやっていたのかが少しだけ垣間見えますよね。異国の地で名を馳せるのはとんでもない偉業です。いやほんと。
次回はいよいよ評価へ行けるかなw
最後まで読んで頂き、ありがとうございます(^^)