映画まるを観た感想文✎𓈒𓂂𓏸


先日映画まるを鑑賞してきました。
映画本編自体もKinKiファンとしても見応えがありましたのでそれぞれ感想を書きます! 
読みにくいと思いますが興味のある方は読んでくださると嬉しいです☺️



⚠︎以下ネタバレ含みます




主要な登場人物✎𓈒𓂂𓏸


どの人物もこんな人いるよねって感じつつも、それぞれキャラが濃くてクセがあって面白かったです。社会の縮図?みたいな登場人物たち、、

◯心に蓋をして深く考えないように流されるように生きる沢田(堂本剛)

◯自己中心的なんだけど夢のために努力してて、でも報われず何かに理由をつけて逃げ道を探そうとする人間らしい弱さがある横山(綾野剛)

◯成功し自分の思い通りになると思い、良いとこ取りを続ける傲慢な秋元(吉田鋼太郎)

◯自分が評価されない理由は環境であり他者であると周りを動かそうとする矢島(吉岡里帆)

◯差別されやすい環境にいるけど反発せず真面目に生きるモー(森崎ウィン)

◯利己的な学生時代の同級生(おいでやす小田)

◯自分の仕事に誇りを持ち全うする若草ギャラリーオーナー(小林聡美)

◯胡散臭くて裏がありそうなツチヤ(早乙女太一)

◯日常が不安定で心に余裕のない管理人さん(濱田マリ)

◯謎に包まれたなんか凄そうな人(柄本明)

あとびっくりしたんですけど「質屋じゃねぇぞ」のおじさんて片桐はいりさんだったんですね、、このおじさん誰が演じてるんだろうと思ってたので調べて驚きました😂

それぞれのキャラクターが癖強いんだけど物語自体メッセージ性強いから浮く事なく馴染んでて、演じてる出演俳優さんもみんな良かったです。




本編の感想✎𓈒𓂂𓏸


本編は沢田が事故にあったことから「まる」の不思議な世界観に囚われていくようなお話しなんですけど、不思議な世界観なはずなのに妙にリアリティがあって(多分登場人物と社会構造の感じがリアルだし俳優さんたちの演技にも違和感がないからなのかな、、)観ていてどんどん引き込まれました。

映画まるを通して「諸行無常」、「その時の立場によって見方は変わる」、「現代社会のリアル」というのが見終わった感想として頭に残りました。ちょっと重くなりやすい内容で万人受けはしにくいけど、最後は「自分の人生を大切に歩き続ければ良い」と思える終わり方をしてくれて見終えた満足感がありました。


なので頭に残ったシーンを書き残します✍︎



◯冒頭で沢田は自転車事故を起こすんですけど、中盤で沢田本人がどうして事故ったのかを話すシーンがあって。要約すると「雨に濡れる鳥の事を心配してた」んですけど、終盤でモーは「鳥はきっと雨に濡れて気持ちいいと思ってるんじゃないか」と話すんです。
ここは私の勝手な受け止め方なんですけど、他人(鳥だけど)の気持ちは色々想像してみようとしても結局のところ本人しか知らないし、自分の受け止め方次第で良いようにも悪いようにも考えられる。それに自分が介入できない世界に思いを馳せすぎると足下すくわれる(鳥に気を取られて事故った)。だから悩みすぎなくていいよって事が言いたいのかなーとか思いました。



◯事故って秋元のところで仕事出来なくなった沢田は自宅で1匹の蟻を見つけて蟻に引き寄せられるように「まる」を描き始める。
蟻を追いかけながら自らの意思で筆をとり無欲で描いた「まる」は「平和の象徴の円相」として勝手に意味付け祭りあげられ、絵描きとして売れ続けるために欲を持ってプロモーションしなさいと言われるようになってしまう。
だけど自分の意思でなく言われるがままに描いた「まる」は評価されず欲を持たずに描くように言われちゃう。
「絵を売りたい若草オーナー」と「売れる絵を仕入れるツチヤ」の立場の違いから欲を持てと言われたり、欲を捨てろと言われたりで沢田は思い悩んでしまうんですが、どっちが間違ってるとかじゃなくて若草オーナーもツチヤも自分の立場からの正解を伝えてるだけなので、終盤グーパンした沢田も自分にとっての正解を見つけられて良かったなーと思いました。



◯グーパンした絵は結局また搾取の対象になって、勝手な意味付けをされて海外で評価されるって終わり方をしてるんですが社会ってこんなもんだよねって思うと同時に、沢田自身は円相の栄光に縋ることなく自分の意思で新たに歩み始めてるのでこの物語はハッピーエンドだなと思います☺️


◯2割の蟻と8割の蟻について
2割のサボってる働き蟻は役に立たないのかって話を沢田と横山が飲み屋で会話するシーンがあったんですけど、この映画は2割の蟻でも誰かの助けになってるよって伝えてくれる構成になってて何かに躓いて進めなくなってる人の人生の肯定をしてくれる映画だなと思いました。
映画冒頭の沢田の部屋にいた1匹の蟻は群れから離れて仕事をサボってたけど結局その子が沢田の人生に影響を与えてて、その蟻は円相の上で息絶えてるから沢田の人生のその後なんて知りもしないんだけど、沢田にとってはその蟻との出会いが人生の大切な転換点になってましたもんね。

◯矢島と沢田の関係
冒頭お互いに2割の蟻仲間だった2人。「円相」をきっかけに沢田は8割の蟻になったようにも思えるんですが、その後の円相展?の展開がすごく印象的でした。
矢島がペンキをぶっかけに来るんですが、沢田が矢島に向けるあの微笑みがすごい良かったですね。
沢田の微笑んでるようにも見えた表情は、「2割の蟻になろうと8割の蟻になろうと結局働き蟻は働き蟻であり、仲間同士である」っていう、仲間に向けた表情なのかな、、と思いました。どうあがいても聖徳太子にも女王蟻にもなれないっていう仲間意識が生まれた瞬間みたいな。
女王蟻に見えたツチヤですら立場が変われば(資本家から見れば)働き蟻のように扱われるし、ツチヤもニヤッと笑う描写ありましたもんね。

凄そうに見えてた先生も最後なぜか工事現場のおじさんになってたし、どんな立場にいても一生働き蟻なら2割とか8割とか気にせず自分の思うように行動しようって思えました。

映画全体を通して「人生ってこんなもんだよね、考えすぎても答えも正解もないし諸行無常なんだから。肩の力を抜いて自分の好きな方向へ歩き続けよう」と思える映画でした。


「まる」の沢田の物語は綺麗に完結してて、最後に広く映した綺麗な夕焼け空や最後に出てきた「さんかく」というキーワード含め沢田の未来に明るさや安定を感じる幕の閉じ方だったので見終えた満足感も良かったです(個人的に心がザワザワするような終わり方の物語は苦手なので、、)。
まるの続編という訳ではなく、荻上監督脚本のまた違う形の堂本剛出演作品は観てみたいなーと思いました。(個人的な欲としては闇があって悪い感じの堂本剛さん観てみたい、、)
あと、逆に綾野剛演じる横山のその後の「ばつ」って作品ももしあるなら観てみたいです😂横山あの後どうなったんだろう、、



最後にKinKiファン目線の感想✎𓈒𓂂𓏸

俳優堂本剛が観れてすごく嬉しかったです!!
沢田を演じたのが剛さんだったから世界観に没入できたのかなとも思いました。特に序盤の沢田は演じる人が違えば単調になる恐れもあるキャラクターだけど剛さんの細かな感情表現、表情、仕草、、とにかく良かった!!
俳優堂本剛もっとみたいです!!!

そして荻上監督が「堂本剛に当て書きした」と話してましたが随所に堂本剛リスペクトを感じられる構成でファンとしては感謝の一言に尽きます、、ありがとうございます、、、私自身ファン歴も浅いし剛さんのソロに関してはライトなファンだと思ってるんですが、そんな私でも劇中に堂本剛を感じる部分が沢山あってファン目線でも楽しめる作品だなと感じました。空の映し方だったり、ソロ曲の歌詞になぞらえた表現や、そもそも「まる」を主題にした意味とか、、、本編自体を楽しみつつここの表現は堂本剛にインスパイアされたのかなって感じる瞬間の楽しさもあって見応えがありました!
ファン目線で感想をまとめると、沢田というキャラクターじゃなくて「まる」という作品の軸に堂本剛を感じる映画でした。でも完全に堂本剛というわけでもなく、主軸は荻上監督のカラーがあって観終えたあとに人生ってそんな感じだよねーって少し肩の力を抜けるような作品で私はこの映画を観られて良かったなと思いました!

あとエンディングの街がすごく良かった!!映画館の音響で聴けてすごく嬉しかったです☺️

以上読んでいただきありがとうございました!

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