積極的に打ち明ける 〜まだまだ知られていない不妊治療〜
わたしの身近な人の中には、不妊治療を続けている人がいません。同級生の中では知っている限りわたしだけです。職場でもほとんど聞いたことがありません。
そんな簡単なことじゃない
不妊治療を始めて、顕微授精をすることに決まった時ぐらいに、わたしは母に治療をしていることを打ち明けました。母とはあまり仲良くないので、打ち明けるには少し勇気がいりました。
いきなり顕微授精の話をすると驚かれると思ったので、最初は『不妊治療をしていて、自然妊娠は難しいみたい』というところから始めました。その時母は内心驚いているようでしたが、追求することもありませんでした。
しかし、しばらく経って母から『わたしも3人出産できたし、精子が1匹いれば大丈夫』ということを言われました。わたしは母に『1匹だけじゃ妊娠できないし、そんな簡単なことじゃない!』と怒りました。わたしはその時に、普通に出産した人には不妊治療をしている人(ましてや娘)の気持ちはわからないんだと残念な気持ちになりました。
まだまだ認知されていない
わたしの同級生には、なかなか不妊治療のことを話すことができませんでした。それは、同級生はみんな結婚して1年以内には妊娠・出産していたからです。それと、気を使ってかわたしには妊娠等について聞かれたことがなかったからです。でも、顕微授精をすることに決まった時ぐらいから、自分から少しずつ不妊治療をしていることを話すことにしました。同級生に話すと、みんな優しいので『そんなに大変なんだ』とか『いつかうまくいくといいね』と言ってくれます。
職場ではいろいろな年代の方と話す機会があるのですが、職場の女性の方にも不妊治療のことを話すようにしています。すると、お子さんがいらっしゃる方でも、不妊治療で”どのようなことをするのか”、”どれぐらい費用がかかるか”ということを話すと驚かれます。職場の方も優しいので、ちゃんと話を聞いてくれるし、話してからはよく声をかけてくれます。
不妊治療をしている人が増えているからといって、ちゃんとわかっている人が少ないんだということを実感しています。
積極的に打ち明ける
わたしは顕微授精をすることに決まった時に、上司(男性)に不妊治療をしているので、少し迷惑をかけてしまうこともあるかもしれないということを伝えました。すると、あまりいい顔をされませんでした。嫌なことを言われたわけではないのですが、その顔を見て、内心とても悲しくなりました。
わたしは先ほども書きましたが、友だちや同僚の方には積極的に不妊治療のことを打ち明けてきました。わたしの中で不妊治療は、後ろめたいことでもなんでもないと考えているからです。話している中でわからないことを聞かれることもありますが、わたしはどんどん聞いてほしいと思っています。それは、不妊治療をしているからといって、マイナスなイメージを持ってほしくないという気持ちもあるかもしれません。
あたたかい社会になれば
わたしの周りには不妊治療に対してマタハラ等をしてくる人もいないので、とても周りの環境には恵まれていると感じています。しかし、そんな環境ばかりではないと思います。
今は、打ち明けることにとても勇気がいると思います。
でも、わたしは『なんで自分の人生の中で子どもを授かりたいと思っていることを、”勇気”を出さないと話せないのか』ということに少し疑問を抱いています。
わたしは前の記事にも書きましたが、必ず子どもがいる未来を描いていません。授かりたいと思って治療をしてもうまくいかないことだってあるかもしれないけど、前向きに取り組んだ結果がそれなら、堂々とこれからの人生を歩んでいけそうな気がします。
不妊治療を頑張っている方が、もっともっと生きやすい社会になればいいなと思っています。
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