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【昆活日記 第10話】

2019.6.6
6月。
虫達の出会いと別れも一段落し衣替えの季節がやってきた。
今年我が家で産まれたカブトムシの幼虫たちも、皆元気にぷくぷくと育っている。

これから迎えるサナギ期を前に、ウンチまみれの土を総入れ替えしてあげる。
カブトムシの大きさは、幼虫期にどれだけ大きくなってサナギ期を迎えるかにかかっている。
サナギになると大きさは変わらず、小さい幼虫やサナギから大きなカブトムシは生まれない。
一番の目標はどの子も健やかに成虫を迎えるという事だが、やっぱり大きい子が育つと嬉しい。
さあ、思う存分食べてでっかいサナギになれ!!

もっぱら虫を捕獲する事に夢中の息子は、トンボを捕まえてきて
餌のキリギリスも捕まえて食事風景を観察している。
こちらも毎年恒例の光景だ。


超至近距離で食事の様子をウォッチされるトンボは、
どんな想いを巡らせているのだろう。
こんなに大きくて立派な複眼を持っているので、まさか食事に夢中で息子が見えてないなんてことはないだろう。
もしや、動く獲物に対してのみ最大の効力を発揮する複眼は息子のドアップの顔面を背景くらいにしか認識していないとか。
一方、息子の方は、これまたトンボ気分で見ているのか食べられているキリギリス気分で見ているのか。
どちらだろう。
世の中は表裏一体でオセロのようにあっという間に表と裏がひっくり返る。
そんな世の諸行無常も含めて観察しているとすれば将来大物になるにちがいない。さあ、思う存分観察してでっかい大人になれ!!

とまあこれは、あくまでもキリギリスを食べているトンボを見ている息子を見ている母の独り言だ。

さて話は変わって、息子の虫好きはとうの昔からご近所様にも知れ渡っている。
そんな息子に同級生や習い事の先生、近所の子が時々捕まえた虫を持ってきてくれる。
芸能界で言うところのスカウトマンだ。
この度、隣に住むお兄ちゃんスカウトマンがスカウトして来た新人は、
「シロスジカミキリ」。

前話で紹介した愛読中の指南書には、リンゴなどの果物を好む、とあるが、
拡大解釈して島に沢山自生している果物のビワの実を与えてみる。
これが、大層お気に召した様子で一度吸い付いたまま全く離れない。
夢中になりすぎてくれぐれもお腹を壊さない事を祈る。

そして、カタツムリは現在3姉妹。

実験からレタスやキャベツを食べさせた時のウンチは緑色ではなく世間一般のウンチ色だった。
人の脳は視覚からも多大な影響を受けるので、ウンチ色=ウンチにしかならない。
それを逆手にとると、鮮やかなだいだい色=ウンチとはならないので掃除の時の気分も少し違ってくる。
ということで、視覚的観点から色鮮やかな人参を餌にチョイス。
まあ、時間の問題のような気もするけど。
季節の移り変わりに合わせて虫たちもバラエティーに富み、新しい仲間も増えてこれからがとても楽しみだ。

つづく。

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