【昆活日記 第3話】
2018.8.19
人は、生き物を飼うと何故か名前をつける。
それは、犬や猫は当然のことで、
小さいものから大型の動物まで限りない。
我が家の息子も例外なく虫達に名前をつけている。
おもしろいもので、名前をつけるのはお気に入りの子だけなのだ。
名前をつけるという事は、
つまり自分のテリトリー(プライベートゾーン)に入ることを許した
仲間・家族という証しなのかもしれない。
道端ですれ違うだけの虫たちは、
世間で言う所の虫である。
その中で、たまたま採って飼うことになった虫は
虫全般という枠を飛び出し少しだけ近い存在になる。
更にその中でも
『大きさ』『色』『形』『ツヤ』等の
あらゆる項目を吟味して選ばれた子は、
特別枠として名前を贈られる。
息子が書き記した日記にも、選ばれし子の名前がいくつか記載されていた。
よく見ると「メス」の書き方が幼く、
ことごとくナスになっているのが可愛らしいが。
そして、もう一つ。
生き物を飼うということは、必ず別れの時もやってくるということ。
7月21日に山で捕ってきたノコギリクワガタのオス「ギリ君」が天寿を全うした。
オオクワガタやヒラタクワガタとは違い、ノコギリクワガタは越冬しない。
いつかは訪れると分かっていても、本格的な夏を前にしたお別れは、早すぎた。
今年の春、越冬したヒラタクワガタが
死んだ時大泣きしていた息子は、
さぞや落ち込んでいるだろう・・と思いきや
ギリ君の死を前に、
「きみはよくやった。本当に頑張ってくれた。ありがとう!あとは、メスに卵を産んでもらう!」
とかなり前向き。
「なんでこんなに前向きでいられるんだ?」
と思っていたら、
たまたま相方(主人)が撮った写真に有終の美を飾るギリ君が写っていた。
ぱっと見分かりにくいが、写真をよく見るとギリ君が何かに覆い被さっている。
「あー、そういうことか。交尾の現場を目撃したんだな。」
と色々な事が腑に落ちた。
それでもやっぱり大好きだったギリ君。
忘れがたい彼の勇姿はしっかりと夏休みの宿題に刻まれた。
さて皆さまノートを見て何かお気づきかしら。
そう!メスには名前が付いてない!!
メス枠の母としては少し悔しい。。
第4話につづく。
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