見出し画像

【昆活日記 第2話】 

2018.8.11

夏真っ盛り、親子でプールへ。
泳ぎに、ではなくプールの建物わきに落ちている

‘’虫のかけら‘’

を拾いに行くのだ。

プールのすぐ横には小さな森があり、
夜になると外灯に沢山の虫が集まってくる。
地元の虫好きには有名なホットスポットだ。

夜行けば生きたカブトムシやクワガタに会えるが、
昼間にいくと朝食を終えた鳥たちの食べ残した
虫のかけら(死骸)に会えるくらいだ。

それは、少し前に流行った福耳の
‘’星のかけらを探しに行こう〜‘’
みたいにロマンチックなものではなく、
実物はかなりヤバい。

息子も、「ヤバい!ヤバい!」
と言いながら集めているが、
それはつまり「最高だぜ!」ってことだろう。

暑い日差しの下、
プールから聞こえる涼しそうな水しぶきの音と楽しそうな笑い声は彼の耳に届くはずもなく
ただひたすら夢中で収集する息子。

挙げ句、一緒に付いてきた妹に
「持つ練習してみ」と
カブトムシの頭だけを渡す始末。

生きているカブトムシを持つよりもある意味勇気がいるだろう。

それでも、虫好きの兄を持って生まれ育っただけはある。

「なんで頭だけなん?」

とするどい指摘をしながらなんの迷いもなく受け取る。
「鳥とかに食べられたからや」
とさらっと答える兄。

恐るべしの英才教育!

集めた‘’虫のかけら‘’は、
大切に持ち帰り穴が空くほど眺めると、
あらゆる関節の動きを細かく観察する。
充分に観察し終わるとその動きを存分に駆使して、

カブトムシの頭 VS ノコギリクワガタの頭

という映像では決してお届けできないほどの
シュールなバトルを気が済むまで堪能する。

そして最後はお寺の裏庭に埋葬し読経。

かなりオリジナルのお経だが「流石、寺の子!」と親ばかは秘かに思う。
「なんで埋めるの?」と息子に尋ねると、
「また生き返ってほしいから」とのこと。

常々、捕まえた虫が死んだときに話している事がある。

「せっかく自分たちの所に来てくれたんだから、‘’ありがとう‘’って御礼を言って土に還してあげよう。
そうすればその土は栄養たっぷりの腐葉土になって、また色んな虫や植物を育ててくれるから」
息子の言う‘’生き返る‘’は少しニュアンスが違うかもしれないが、
母の思いも少しは伝わっているようだ。

そんなわけで、
我が寺の花壇には歴代の多種多様な虫たちが
生き返る時を待ちながら安らかに眠っている。
花壇というよりはほぼ虫塚だけど。

第3話に続く。

#昆虫
#カブトムシ
#子育て
#島暮らし
#昆活日記




いいなと思ったら応援しよう!