星とネコバスと蛍と
初夏に蛍を見に行くとっておきの場所がある
静かな山あい
川には木の橋がかかり辺りに街灯はなく空いっぱいに星が瞬く
蛍がふわりと舞う
橋の向こう側は森で中腹に線路がありタイミングが合えば一両編成の電車が走る
まるでネコバス
今年もたくさんの蛍が舞っていた
電車も通った
川のせせらぎと蛍とネコバスと満天の星
ここの森は強いエネルギーを感じる
橋の真ん中でネコバスを夢見心地で見送り、視線を落としたら橋の向こう側になにかが見えた…ような気がした
もうそこに視線を戻すことはできなかった
七夕の日
豪雨により木の橋は流れてしまった
そして、連日35℃を越える猛暑
家にいても暑いので出掛けることにした
流れてしまったあの橋のあった場所へ行ってみようと夫は提案したが私は話をそらした
…橋の向こう側のなにかを本当ははっきり見えていたような気がするから